“ゆきゝ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
往来47.6%
往來38.1%
行來7.1%
去来2.4%
徃來2.4%
徃来2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
江戸の町にいふ店下たなしたを越後に雁木がんぎ(又はひさし)といふ、雁木の下広くして小荷駄こにだをもひくべきほどなり、これは雪中にこのひさし下を往来ゆきゝためなり。
お高は往來ゆきゝの人のなきを見て、力ちやんお前の事だから何があつたからとて氣にしても居まいけれど、私は身につまされて源さんの事が思はれる
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そして、しばらく自分じぶんだちとはかゝはりもなく、行來ゆきゝするひと足音あしおといてゐた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
かゝる時、はからず目に入つた光景は深く脳底にり込まれて多年これを忘れないものである。余が今しも車窓より眺むる処の雲の去来ゆきゝや、かばの林や恰度ちやうどそれであつた。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
暮近くなつた空の雲の去来ゆきゝや輪をなして回転し去る林の立木を茫然と眺めて居た。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
旅亭やどや禿頭はげあたまをしへられたやうに、人馬じんば徃來ゆきゝしげ街道かいだう西にしへ/\とおよそ四五ちやうある十字街よつかどひだりまがつて、三軒目げんめ立派りつぱ煉瓦造れんぐわづくりの一構ひとかまへ
毎夜まいよ吾妻橋あづまばしはしだもとに佇立たゝずみ、徃来ゆきゝひとそでいてあそびをすゝめるやみをんなは、梅雨つゆもあけて、あたりがいよ/\なつらしくなるにつれて、次第しだいおほくなり
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)