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幾重
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いくへ
ふりがな文庫
“
幾重
(
いくへ
)” の例文
待給
(
まちたま
)
へ
諸共
(
もろとも
)
にの
心
(
こヽろ
)
なりけん、
見
(
み
)
し
忍
(
しの
)
び
寐
(
ね
)
に
賜
(
たま
)
はりし
姫
(
ひめ
)
がしごきの
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
を、
最期
(
さいご
)
の
胸
(
むね
)
に
幾重
(
いくへ
)
まきて、
大川
(
おほかわ
)
の
波
(
なみ
)
かへらずぞ
成
(
な
)
りし。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
厚き
蓐
(
しとね
)
の積れる雪と真白き上に、
乱畳
(
みだれたた
)
める
幾重
(
いくへ
)
の
衣
(
きぬ
)
の
彩
(
いろどり
)
を争ひつつ、
妖
(
あで
)
なる姿を
意
(
こころ
)
も
介
(
お
)
かず
横
(
よこた
)
はれるを、窓の日の
帷
(
カアテン
)
を
透
(
とほ
)
して
隠々
(
ほのぼの
)
照したる
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
『前は鳥居や門や扉で、
幾重
(
いくへ
)
にもなつてますのに、後は板一枚だすな。……
私
(
わたへ
)
何處
(
どこ
)
の宮はんへ參つても、さう思ひまんな。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
不圖
(
ふと
)
見れば、王瀧川の上流遠く、雲の
幾重
(
いくへ
)
ともなく重れる間より、髣髴としてあらはれ渡れる偉大なる山の半面。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
お
出
(
で
)
になる方がお
出
(
で
)
になつて、お這入になる方がお這入になれば好いのです。御熱心な所は
幾重
(
いくへ
)
にもお礼を申します。つひ落ち着いて考へて見て下されば好いのです。
防火栓
(新字旧仮名)
/
ゲオルヒ・ヒルシュフェルド
(著)
▼ もっと見る
出雲人
(
いづもびと
)
の
作
(
つく
)
つた、
幾重
(
いくへ
)
にも
取
(
と
)
り
廻
(
まは
)
す、
屏風
(
びようぶ
)
・
張
(
とばり
)
の
類
(
るい
)
よ。われ/\、
新
(
あたら
)
しく
結婚
(
けつこん
)
したものを
包
(
つゝ
)
むために、
幾重
(
いくへ
)
の
圍
(
かこ
)
ひを
作
(
つく
)
つてあることよ。あゝ、その
幾重
(
いくへ
)
の
屏風
(
びようぶ
)
・
張
(
とばり
)
よ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
第六は江戸城を取巻く
幾重
(
いくへ
)
の
濠
(
ほり
)
、第七は
不忍池
(
しのばずのいけ
)
、
角筈十二社
(
つのはずじふにさう
)
の如き池である。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
幾重
(
いくへ
)
なる山のはざまに滝のあり
切支丹宗
(
きりしたんしゆう
)
の歴史を持ちて
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
拙
(
まづ
)
い
処
(
ところ
)
は
幾重
(
いくへ
)
にもお
詫
(
わび
)
をいたして
弁
(
べん
)
じまする。
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これは
幾重
(
いくへ
)
にも
御諒察
(
ごりやうさつ
)
を
願
(
ねが
)
はしう
存
(
ぞん
)
じます。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
飛退
(
とびしさ
)
り
低頭平身
(
ていとうへいしん
)
して
敬
(
うやま
)
ひ私儀は赤川大膳とて
元
(
もと
)
水戸家
(
みとけ
)
の藩中なれば紀伊家に此御短刀の傳はりし事は
能々
(
よく/\
)
知れり斯る證據のある上は將軍の
御落胤
(
ごらくいん
)
に相違なし斯る
高貴
(
かうき
)
の御方とも存じ申さず無禮の段恐れ入り奉りぬ
幾重
(
いくへ
)
にも
御免
(
おんゆる
)
しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
影
(
かげ
)
は
幾重
(
いくへ
)
に
匂
(
にほ
)
へども
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
幾
(
いく
)
すぢもの
雲
(
くも
)
が、どん/\と
騰
(
のぼ
)
つてゐる。その
現
(
あらは
)
れてゐる
雲
(
くも
)
の
廻
(
めぐ
)
つて
作
(
つく
)
つた、
幾重
(
いくへ
)
の
垣
(
かき
)
のような
雲
(
くも
)
。
私
(
わたし
)
の
妻
(
つま
)
を
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れるために、
幾重
(
いくへ
)
もの
垣
(
かき
)
を
作
(
つく
)
つてゐる、その
幾重
(
いくへ
)
もの
垣
(
かき
)
よ。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
その時のさま——
幾重
(
いくへ
)
にも折れ曲つてゐる松花江の氷の上を其処に一隊、かしこに一隊といふ風にして命から/″\逃げ避けて来た人達のさまをそれとはなしに眼の前に描くのでした。
一少女
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
山谿が
幾重
(
いくへ
)
の山の
中
(
なか
)
ごもり
南
(
みなみ
)
の
流
(
ながれ
)
ここゆ出でむか
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
蔑
(
ないが
)
しろにし
押
(
おし
)
て再吟味願ふは其方の爲に宜しからぬぞ
控
(
ひかへ
)
られよと仰せらるれども
假令
(
たとへ
)
身分は
何樣
(
いかやう
)
に相成候とも
苦
(
くる
)
しからず君への御爲天下の爲なり
幾重
(
いくへ
)
にも再吟味の儀御許し下され度
偏
(
ひとへ
)
に願ひ
奉
(
たてまつる
)
と再三押て願はれければ伊豆殿
散々
(
さん/″\
)
に
氣色
(
けしき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
“幾重”で始まる語句
幾重畳