“小粋:こいき” の例文
“小粋:こいき”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治6
岡本綺堂6
太宰治5
火野葦平2
三遊亭円朝2
“小粋:こいき”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸3.2%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.6%
文学 > 日本文学 > 戯曲0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
後丸あとまるののめりに本天ほんてん鼻緒はなをのすがつた駒下駄こまげたいた小粋こいき婦人ふじんが、女
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
半次郎 三十過ぎた小粋こいきな男か。そんならゆうべ話をした兄弟分の番場ばんば哥児あにいだ。どれ、それを見せてくれ。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
思い切った背抜バックレスや、大胆な純白の水浴着マイヨオ。お洒落な寛長衣ベエニヨアール小粋こいき胸当ブラストロン
キャラコさん:07 海の刷画 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
家業は自分の夫の方が小粋こいきで、モダンなんだが、家風がばかに古くって、伯母の家とはてんでおはなしにならない、違いかただった。
路地の奥、素人家作しもたやづくりの一軒建て、千本格子に磨きがきいて、ちょいと小粋こいき住居すまいだった。
藍弁慶あいべんけい素袷すあわせ算盤縞そろばんじまの三尺帯をきりっと横締めにした小粋こいきな男である。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マントは、わざとボタンを掛けず、小さい肩から今にも滑り落ちるように、あやうく羽織って、そうしてそれを小粋こいきな業だと信じていました。
おしゃれ童子 (新字新仮名) / 太宰治(著)
青扇は茶碗をむりやりに僕に持たせて、それから傍に脱ぎ捨ててあった弁慶格子べんけいごうし小粋こいきなゆかたを坐ったままで素早く着込んだ。
彼は昔の彼ならず (新字新仮名) / 太宰治(著)
小粋こいき細格子ほそごうしの中をのぞいたが、庄次郎は、ひるんでしまって、少年の動悸ときめきに似たものが、顔へ、のぼってきた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
周さんは、宿のどてらに着換えたら、まるで商家の若旦那わかだんなの如く小粋こいきであった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
尻無川しりなしがわを裏にした小粋こいきな四畳半に、うしろ向きになっていたのがお米だった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
博多はかた市を貫流する那珂川なかがわ春吉橋はるよしばしの畔、流れに面した小粋こいき待合まちあいの一室で、二人の奇妙な生活がはじまった。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「ああそのお方でござりますか。さっきお帰りになられました。綺麗な小粋こいきな若いお方で」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
成程その飴売りは三十前後の小粋こいきな男で、役者の紋を染めた手拭を肩にかけていた。
半七捕物帳:54 唐人飴 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「真似をしますのよ、あのひと。あのひとに意見なんてあるものか。みんな女からの影響よ。文学少女のときには文学。下町のひとのときには小粋こいきに。わかってるわ。」
彼は昔の彼ならず (新字新仮名) / 太宰治(著)
「きょうはお天気で好うござんしたね」と、二十四、五の小粋こいきな女房が云った。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
船宿などに奉公する女であるから、どこか小粋こいきでありながら、下卑ていない。
恨みの蠑螺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それは年ごろ十八九の小粋こいきな男で、襟のかかった半纏はんてんを着ていましたが、こんなことが好きなのか、よっぽど面白いのか、我れを忘れたように一心に読んでいるのです。
半七捕物帳:61 吉良の脇指 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
富蔵の隣りにお津賀つがという二十五六の小粋こいきな女が住んでいる。
半七捕物帳:17 三河万歳 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すると、その時、近所の若いお内儀かみさん——馴染なじみなので顔を知っているが、その内儀さんと親しい口をききながら、一緒に出て行った小粋こいきなのがチラと目についた。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、燕尾服えんびふくを着た仁丹のひげのある太夫たゆうが、お客に彼女のあらましの来歴を告げて、それから、ケルリ、ケルリ、と檻に向って二声叫び、右手のむちを小粋こいきに振った。
逆行 (新字新仮名) / 太宰治(著)
と、小粋こいきな中年増が、門をのぞいて云った。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「逢うてみにゃわからんけど、たいそう小粋こいきな別嬪さんとのこと。……その人、いつか、東京から、お父さんの財布を送りかえして来た、スリの女親分じゃないか知らん?……どうも、そんな気がするけんど、……」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「をツさん、をツさん……そんなとこおきまへう、此方へおいなはれ。」と、お文はさツさと歩き出して、善哉屋の筋向うにある小粋こいきな小料理屋の狭苦しい入口から、足の濡れるほど水を撒いた三和土たゝきの上に立つた。
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
「うんにゃ、泊るわけじゃねえ。——ちょっとここの客に言伝ことづてて貰いたいのだが、昨日きのうなんだろう、……あのドシャ降りがやってきた時、頭巾をかぶった浪人と小粋こいきな女が、ここの家へ、駈けこんできたろう」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「利左だ、間違いない。」とひとりは強く断定を下し、「あの右肩をちょっと上げて歩く癖は、むかしから利左の癖で、あれがまた小粋こいきだと言って、わしにも右肩を上げて歩けとうるさくすすめる女があって閉口した事がある。利左に違いない。それ、呼びとめろ。」
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
表は小粋こいきな構えで格子戸を開けて、今日は、と呶鳴りました、玄関に畳表のついた下駄があるので、夫婦暮らしかな、と思いましたが、やがて奥の障子が開いた音がし、すぐに、玄関の障子が開きましたが、私はそこに茫然と立ちすくんでしまったのです、阿部さん
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
年は四十五、六でもあろう、頭には昔ながらの小さいまげを乗せて、小柄ではあるが色白の小粋こいきな男で、手甲脚絆てっこうきゃはんのかいがいしい扮装いでたちをして、肩にはおでんの荷を担ぎ、手には渋団扇しぶうちわを持って、おでんや/\と呼んで来る。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お富のためには真実の叔母ゆえ、あとねんごろに野辺の送りも済ませてから、丁度七日の逮夜たいやの日に、本郷ほんごう春木はるき町の廻りの髪結かみゆい長次ちょうじさんと云う、色の浅黒い、三十二三になる小粋こいきな男がって参りました。
兵馬が行燈の下から見た面は、予想していたような人ではなく、全く見なれない月代さかやきのならずものめいた、色のなまちろい奴! その色の生っ白い小粋こいきがった方が認めたのは、やっぱり案外な若い男の侍でしたから、双方とも一時いっとき全く当てが外れて、度を失ったものです。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)