容貌かほつき)” の例文
そりやあ、もう、新平民か新平民で無いかは容貌かほつきで解る。それに君、社会よのなかから度外のけものにされて居るもんだから、性質が非常にひがんで居るサ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
みんほかものまつただまつて、きはめて不快ふくわい容貌かほつきをしてゐるにもかゝはらず、女王樣ぢよわうさまなにからなにまで一人ひとり饒舌しやべつてられました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
までたかくはないが、骨太ほねぶと肉附にくづきい、丸顏まるがほあたまおほきなひとまなじりながれ、はなたかくちしまり、柔和にうわなか威嚴ゐげんのある容貌かほつきで、生徒せいとしたしんでました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
へえ頂戴ちやうだいを……うも流石さすが御商売柄ごしやうばいがらだけあつて御主人ごしゆじん愛嬌あいけうがあつてにこやかなお容貌かほつき番頭ばんとうさんから若衆わかいしう小僧こぞうさんまでみな子柄こがらいなモシ、じつしいやうですな
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
弁護士が丑松に紹介したの大日向といふ人は、見たところ余り価値ねうちの無ささうな——丁度田舎の漢方医者とでも言つたやうな、平凡な容貌かほつき
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『そんな容貌かほつきをしたものはまつたこのまん』と王樣わうさままをされました、『それは何時いつでも勝手かつてにわが接吻キツスする』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
御存生ごぞんじやうなら川田かはだらうくんだね、はらふくれてゐるところから体格かつぷくと云ひ、ニコヤカなお容貌かほつきと云ひ、えり二重ふタヘつてゐる様子やうすはそつくりだね、なにしろもうかみになつちまつてやうがない
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
省吾しやうごといふのが其少年の名で、丁度丑松が受持の高等四年の生徒なのである。丑松は其容貌かほつきを見る度に、彼の老朽な教育者を思出さずには居られなかつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
なんつていかわからぬので、あいちやんはたゞれいし、るべく嚴格げんかく容貌かほつきをして指環ゆびわ取出とりだしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
器量きりやういけれども何所どこともなしに愛嬌あいけうのない無人相ぶにんさう容貌かほつきで若
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)