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奸智
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かんち
ふりがな文庫
“
奸智
(
かんち
)” の例文
この様な大悪事を(彼自身
如何様
(
いかよう
)
に弁護しようとも)
企
(
たくら
)
む程の彼ですから、生れつき
所謂
(
いわゆる
)
奸智
(
かんち
)
に
長
(
た
)
けていたのでもありましょう。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
扨も内記殿は左仲が樣子
佞辯
(
ねいべん
)
奸智
(
かんち
)
の
曲者
(
くせもの
)
と見て取り大いに
怪
(
あやし
)
まれけれ共
先
(
まづ
)
一ト通り事を
糺
(
たゞ
)
して見んと思はれ猶又左仲に
對
(
むか
)
ひ其方儀家の支配を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お杉の姐さんは女である、女の中でもぬきんでて女らしい女である、彼女の唇には
狐族
(
こぞく
)
にみる
奸智
(
かんち
)
と
嗜虐
(
しぎゃく
)
の微笑がうかんだ。
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
光秀の
奸智
(
かんち
)
を
罵
(
ののし
)
ったのであろう。そう
唸
(
うめ
)
きざま、山門の壁に身をぶつけると、そのまま倒れて息絶えた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奸智
(
かんち
)
にたけた鈴川源十郎、たちまちおさよを実の母のごとく
敬
(
うやま
)
って手をついて詫びぬばかり、ただちに
招
(
しょう
)
じて
小綺麗
(
こぎれい
)
な一
間
(
ま
)
をあたえ、今ではおさよ、何不自由なく
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
弟の滝三郎は武芸も学問もないが、
奸智
(
かんち
)
だけは人の三人前もあるから、何をやり出すかわからない。
銭形平次捕物控:012 殺され半蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
白蛇
(
はくじゃ
)
のような
奸智
(
かんち
)
を
絞
(
しぼ
)
って、彼は計をめぐらした。最近に妻を
寝取
(
ねと
)
られた一人の男がこの
企
(
くわだて
)
に加わった。シャクが自分にあてこするような話をしたと信じたからである。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
それはとにかくこの善良愛すべき社長殿は
奸智
(
かんち
)
にたけた弁護士のペテンにかけられて登場し、そうして気の毒千万にも傍聴席の妻君の面前で、
曝露
(
ばくろ
)
されぬ約束の秘事を曝露され
初冬の日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
秘密を保つ為に一服盛ったなとは
略
(
ほぼ
)
推察は出来るのであったが、それもしかし金三郎と娘お綾との結婚の為には、邪魔が払えた勘定でもあるので、これは絶対に秘密にという小人の
奸智
(
かんち
)
。
備前天一坊
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
彼は三年来
生殺
(
なまごろし
)
の関係にて、元利五百余円の
責
(
せめ
)
を負ひながら、
奸智
(
かんち
)
を
弄
(
ろう
)
し、雄弁を
揮
(
ふる
)
ひ、大胆不敵に
構
(
かま
)
へて出没自在の
計
(
はかりごと
)
を
出
(
いだ
)
し、鰐淵が老巧の術といへども得て施すところ無かりければ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
いかにも勢力が鈍く不忠の人間は
奸智
(
かんち
)
に富んで居るだけ、巧みに徒党を組みたやすく倒すことの出来ないように立ち廻って、宮中に
瀰蔓
(
はびこ
)
って居ると言う訳ですからどうもして見ようがない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
禅
(
ぜん
)
か、
法華
(
ほっけ
)
か、それともまた
浄土
(
じょうど
)
か、
何
(
なに
)
にもせよ
釈迦
(
しゃか
)
の教である。ある
仏蘭西
(
フランス
)
のジェスウイットによれば、天性
奸智
(
かんち
)
に富んだ釈迦は、
支那
(
シナ
)
各地を遊歴しながら、
阿弥陀
(
あみだ
)
と称する仏の道を説いた。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
まるで、ジゴマのように
奸智
(
かんち
)
にたけた奴……
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
願ひし處却て右樣の御疑ひを蒙る
事
(
こと
)
餘
(
あま
)
り殘念なりと云はせも
果
(
はて
)
ず大岡殿
大音
(
だいおん
)
に默止れ平左衞門汝未だも
奸智
(
かんち
)
の
辯
(
べん
)
を以て公儀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
仮令
対手
(
あいて
)
は片輪者とは云え、
奸智
(
かんち
)
にたけた兇悪無残な丈五郎のことだ、諸戸の身の上が気遣われた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
真心から熱い
慈愛
(
じあい
)
をそそぎこめば、まがれる竹もまっすぐになり、ねじけた心も
矯
(
た
)
めなおせると信じているかれだったが、竹童はとにかく、蛾次郎の
横着
(
おうちゃく
)
と
奸智
(
かんち
)
と
強情
(
ごうじょう
)
には
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奸智
(
かんち
)
にだけ
長
(
た
)
けて、武藝の心得の怪しい石卷左陣を取つて押へると、丁度八五郎は、下水の蓋になつてゐる
御影石
(
みかげいし
)
を起して、その下から三百兩の金包と、
碧血
(
へきけつ
)
斑々
(
はん/\
)
たる脇差を搜し出したのでした。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
疑ふものならん汝が今申す
通
(
とほ
)
りにて
慥
(
たしか
)
なる證據有て申すが如し然らば其證據より
承
(
うけた
)
まはらんと申されければ
流石
(
さすが
)
奸智
(
かんち
)
の左仲なれども一句も出ず居るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
思うに、
奸智
(
かんち
)
にたけたあの猿めに、うまうまたばかられたものでおざろう。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの
奸智
(
かんち
)
に
長
(
た
)
けた賊のことだ、今夜の様なずば抜けた冒険の裏には、綿密細心な逃亡手段が準備されているに極っています。今頃あの小屋を包囲して見た所で、無論手遅れ、中はもぬけの空です
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
奸智
(
かんち
)
にだけ
長
(
た
)
けて、武芸の心得の怪しい石巻左陣を取って押えると、ちょうど八五郎は、下水の蓋になっている
御影石
(
みかげいし
)
を起して、その下から三百両の金包と、
碧血斑々
(
へきけつはんはん
)
たる脇差を捜し出したのでした。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何となれば、貞盛こそは、年来、相馬殿を亡くさんと、都と
坂東
(
ばんどう
)
の間を往来し、あらゆる虚構と
奸智
(
かんち
)
をかたむけて、主人将門殿を
呪咀
(
じゅそ
)
している卑劣者だ。——その貞盛が、常陸に潜伏している。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奸智
(
かんち
)
な狐の隠れこんだ穴が悪い。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
奸
漢検1級
部首:⼥
6画
智
漢検準1級
部首:⽇
12画
“奸”で始まる語句
奸計
奸策
奸
奸悪
奸物
奸賊
奸佞
奸臣
奸雄
奸譎