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囚人
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めしゅうど
ふりがな文庫
“
囚人
(
めしゅうど
)” の例文
「昔平ノ
重衡
(
しげひら
)
は、
囚人
(
めしゅうど
)
として東海道を、関東へ降る道すがら、何んとかいう
駅
(
うまやじ
)
で白拍子の千寿と……で、わしも……行こう、亀千代」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
英国大使館はナリン太子を待遇するに
鄭重
(
ていちょう
)
なる「
囚人
(
めしゅうど
)
」の礼をもってしていたことを私はこの眼でハッキリと意識したのであった。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
また彼らの好きな袖の下をたんまり握らせ、そのあいだ
囚人
(
めしゅうど
)
の雷横を、そっと裏の雑木林へつれて行き、
手鎖
(
てぐさり
)
を解き
首枷
(
くびかせ
)
を
外
(
はず
)
してやった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一同の
囚人
(
めしゅうど
)
が徒党を組んで
既
(
すで
)
に屋敷へ押懸けようと云うところを、此の文治が止めたが、つい
過
(
あや
)
まってお前の夫を殺してしまったのは誠に気の毒の事であった
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
万一わたしが帰って来なければ、お前さんは
囚人
(
めしゅうど
)
を取り逃がしたというので
流罪
(
るざい
)
になるかも知れませんが、これまで私のあげた物で不自由なしに暮らして行かれる筈です。
中国怪奇小説集:11 異聞総録・其他(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
囚人
(
めしゅうど
)
風呂で構やしません、
灰洗
(
あくあら
)
いにするつもりでゴシゴシやって頂きたいんで
銭形平次捕物控:013 美女を洗い出す
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そうだ、まだ
晩
(
おそ
)
くはない。これからすぐに駈けつけよう! 吉良邸へ駈けつけて、まだ一党が引上げないうちであったら、同士に詫びて、せめて公儀へ召しあげられる
囚人
(
めしゅうど
)
の中へでも入れてもらおう!」
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
自由に生れた、クレタ人のこの婆々が、
囚人
(
めしゅうど
)
、奴隷に
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
よほど凶悪な
囚人
(
めしゅうど
)
!……でもあるかと思うと。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
まず知っているとして置こう。あの老人は人物だ。徳川家の忠臣だ。しかし一面
囚人
(
めしゅうど
)
なのだ。同時に徳川家の客分でもある。
捨扶持
(
すてぶち
)
五千石を
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
すると
囚人
(
めしゅうど
)
たちは、われがちに、その僅かな太陽の光を取囲んで、爪の伸びた足の先だの、
蝋
(
ろう
)
みたいな青い手だのを差し伸べ
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
文治は上々の首尾にて白洲を引取り、
何
(
ど
)
うなる事かと心配して居りました徒党の
囚人
(
めしゅうど
)
一同に向いまして
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そのあとへ
楊厚
(
ようこう
)
という人が赴任した。ある日、楊が役所に出ていると、数人の者が
手枷
(
てかせ
)
や首枷をかけた一人の
囚人
(
めしゅうど
)
をつれて来て、なにがし村の一件の御吟味をおねがい申すといって消え失せた。
中国怪奇小説集:10 夷堅志(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「我々の太子殿下は
囚人
(
めしゅうど
)
ではない!」
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
お奉行の腹心がたが、大牢から引きずり出したとみえる一人の
囚人
(
めしゅうど
)
をしょっ
曳
(
ぴ
)
いて、林のおくの方へ入って行きましたのじゃ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と聞いて
囚人
(
めしゅうど
)
は顔と顔とを見合せて、少しく
怯
(
ひる
)
みました様子でございます。先に立ちたる二三の者は
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「これはこれは山海の珍味、さあ市之丞殿芳江殿、遠慮なく
戴
(
いただ
)
こうではござらぬか。我らは大事の
囚人
(
めしゅうど
)
じゃ。まさかに毒をくれもしまい。どりゃ、愚老から毒味致そう」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
まるで
囚人
(
めしゅうど
)
あつかいに、
括
(
くく
)
り駕籠へ押しこまれ、半蔵御門の近くまで
担
(
かつ
)
がれて来たあげく、外濠あたりへ捨てられたんです。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其の旨を御老中へ御沙汰に相成り、御老中から
直
(
たゞ
)
ちに町奉行へ伝達されましたから、筒井和泉守様は
雀躍
(
こおどり
)
するまでに喜ばれ、十一月二十九日に長二郎を始め
囚人
(
めしゅうど
)
玄石茂二作
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一人の
侏儒
(
こびと
)
が長い廊下を、巨大な頭を左右に振り、子供のようにヨチヨチした歩みで、でも一生懸命にはしりながら、廊下の左右に出来ているところの賓客——むしろ
囚人
(
めしゅうど
)
ともいうべき
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『徒党の罪、兇器の罪、高位の御方を殺害の罪、挙げて数うれば五指に余る国法の大罪を犯した者、
囚人
(
めしゅうど
)
に相違なかろう』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうしてまことに不思議なことには、この城の他の
囚人
(
めしゅうど
)
たちは、この城の中ならどこへなりと大概の所へは行くことを許され、ほとんど自由を許されていたのに、彼ばかりには許されていなかった。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
人間的には、
獄
(
ごく
)
の
囚人
(
めしゅうど
)
、野の
乞食
(
こつじき
)
よりも、悲惨な末路をとげ給うた崇徳の君のおくつきに、今は、西行法師ならぬマックラウド氏が腰かけている。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
修験者とか島原城之介とか、さような
囚人
(
めしゅうど
)
はおりませぬよ。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ウム、お風邪のことは前日承っておったが、大事な
囚人
(
めしゅうど
)
、ずいぶん手落ちのないように召され、何かの処置は、追ってお沙汰が下がるであろう」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もとより
罪人
(
つみびと
)
ではないので、客の来訪や出入りは自由だった。これが
囚人
(
めしゅうど
)
ならここへは来ない。直接、侍所ノ別当へ廻され、断獄されるまでである。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
穴山梅雪はまだ眠たげな
瞼
(
まぶた
)
をしていた。重大な
囚人
(
めしゅうど
)
を主君から預けられたので、ゆうべはよく眠り得なかったらしい。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だいじな
囚人
(
めしゅうど
)
、鎌倉へ行きつかぬまに、病気させては、落度になろう。宿の予定をかえて、民家でも寺でもさがせ」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「兄貴、じつアついさっき、二人の端公と、色の黒い小づくりな首カセの
囚人
(
めしゅうど
)
を、例のしびれ薬でねむらしちまった。もしやそれじゃあねえかしら」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大勢の
囚人
(
めしゅうど
)
が、小男の顔をのぞいて、いちどに笑ったので、牢獄の闇は何十日ぶりで——いや何百日目といってもよいだろう、陽気などよめきに
沸
(
わ
)
いた。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
傲岸
(
ごうがん
)
な調子で吠えかけた。もう縄にかけた
囚人
(
めしゅうど
)
扱いである。一角の言葉は、ピューッという風雨が横から声をさらって、ちぎれちぎれに
掠
(
かす
)
れて聞こえる。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おう、よもや縄目の
辱
(
はじ
)
は与えもしまいし、また、受けもせぬが、申さば“放ち
囚人
(
めしゅうど
)
”というかたちでの、明朝、六波羅武士の迎えにまかせ、
東国
(
あずま
)
へ下る」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや
退
(
ひ
)
かん。おれどもは、日頃の新田党ではない。鎌倉どのの御直命で、
囚人
(
めしゅうど
)
の警固に当っておる者だぞ」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また、かれを、一族の
囚人
(
めしゅうど
)
とし、もしまた、
勃然
(
ぼつぜん
)
と、反抗を起して、ふたたび従兄の亀次郎のあとを追うようなことでも起ったら、もう取り返しはつかない。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(ふしぎだ、いよいよおかしな奴だ、死罪になる
囚人
(
めしゅうど
)
へ曲を
手向
(
たむ
)
けている奇特な虚無僧かと思ったが、あの様子では、何か郁次郎に縁の深い人間に違いない)
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、
儂
(
み
)
は、尊氏の和議を容れてこれへ
還
(
かえ
)
ったのじゃ。直義が対象の人ではない。しかるに、
囚人
(
めしゅうど
)
にひとしいこの
扱
(
あつか
)
い。これでも約を
違
(
たが
)
えておらぬというか」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こんな歌も侍者の公卿に
口誦
(
くちず
)
さまれたほど、この日の道では、
囚人
(
めしゅうど
)
と武士との間も、
和
(
なご
)
やかだった。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
囚人
(
めしゅうど
)
のおん身なれば、刃ものは参らせるわけにゆきませぬが、お心の届くように計らいましょう」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「やっかいな
囚人
(
めしゅうど
)
だ。ま、仕方がない。裏の
堂守
(
どうもり
)
に言って、
粥
(
かゆ
)
の汁でも母子にくれてやるがいい」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「五分と五分の人間ではないか。しかもここにいれば帝とはいえど一
囚人
(
めしゅうど
)
にすぎぬ」と、しいて
思惟
(
しい
)
しながら、一たんはずかずかお縁さきまで歩き寄って行ったのだが
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
国法を犯した
囚人
(
めしゅうど
)
である。内蔵助をはじめ、誰も皆、こんな優遇は夢にも期待していなかった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
他力
易行
(
いぎょう
)
の行者は、ありのままこそ尊い、配所の
囚人
(
めしゅうど
)
であれば囚人のままで、
在家
(
ざいけ
)
にあれば在家のままで、ただいつも、本体の弥陀のすがたを、しかと見て、見失わずに——
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
外にまで
張番
(
はりばん
)
を付けておくとは、まるでこの万太郎という者を
囚人
(
めしゅうど
)
あつかいだ。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを、ただの
囚人
(
めしゅうど
)
と同視なされる御心底は、あなたも武士かと問いとうなる
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
書中には「——この便りは足利家の情による」とも
認
(
したた
)
めてあった。そうだろう、と宮はうなずかれた。
囚人
(
めしゅうど
)
の忠円に、足利家が手厚くしてくれているという消息も、何かでお耳に入っていた。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このへんでよかろう。なにせこんどのご処刑は首かずが多いのだから、
矢来
(
やらい
)
もひろく取らねばならんし、獄門台も渡してある図面どおり幾ツも要する。ここらを中心に、まず
囚人
(
めしゅうど
)
のツナギ
杭
(
ぐい
)
を
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
使者は、
陳珪
(
ちんけい
)
老人の子息
陳登
(
ちんとう
)
であり、
囚人
(
めしゅうど
)
は、袁術の家臣、
韓胤
(
かんいん
)
であった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
関ヶ原で捕えられて先頃からここに
幽閉
(
ゆうへい
)
されている
囚人
(
めしゅうど
)
頼朝であった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「少しぐらい金になるからって、
囚人
(
めしゅうど
)
みたいに、体を縛られる働きに出るなど、いやなこった。おれだって、いつまでも西瓜売りじゃいねえつもりだ。なあ朱実、当分貧乏暮しでも、辛抱しようぜ」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
猿が真顔で答えると、
周
(
まわ
)
りの
囚人
(
めしゅうど
)
たちもまた、指さし合って
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“囚人”の意味
《名詞》
囚人(しゅうじん)
牢屋に捕らわれている人。
刑務所・拘置所などに収容されている人。
(出典:Wiktionary)
“囚人”の解説
囚人(しゅうじん)とは、主として受刑者、被疑者、被告人など、刑事施設に収容されている者を指す俗称である。かつては刑法第97条で「既決、未決ノ囚人」という語が用いられていたが、1995年(平成7年)の「刑法の一部を改正する法律」により、「囚人」の語は廃止された。
(出典:Wikipedia)
囚
常用漢字
中学
部首:⼞
5画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“囚人”で始まる語句
囚人輿
囚人席
囚人車
囚人僧
囚人溜
囚人駕
囚人馬車
囚人自動車