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冬籠
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ふゆごもり
ふりがな文庫
“
冬籠
(
ふゆごもり
)” の例文
こゝが親子の情で、雨に付け風に付け案じられて、今頃は何処に
居
(
お
)
るか、こう云う雪の降る時には何処の宿屋で
冬籠
(
ふゆごもり
)
をして
居
(
お
)
ることか
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
五箇月の長い
冬籠
(
ふゆごもり
)
をしたものでなければ、
殆
(
ほと
)
んど想像も出来ないようなこの嬉しい
心地
(
ここち
)
は、やがて、私を小諸の家へ急がせた。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
畠を耕して自給自足の生活を初めると同時に、小川の魚を釣って干物にしたり、木の実を煮て
苞
(
つと
)
に入れたりして、
冬籠
(
ふゆごもり
)
の準備を初めました。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
唯
(
ただ
)
天地
暗澹
(
あんたん
)
の
中
(
うち
)
に、寒い日が
静
(
しずか
)
に暮れて、寒い夜が
静
(
しずか
)
に明けた。この沈黙は恐るべき大雪を
齎
(
もたら
)
す前兆である。里の人家では
何
(
いず
)
れも
冬籠
(
ふゆごもり
)
の準備に
掛
(
かか
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あったかい初茸飯の湯気の立つのをふうふう吹きながら、故郷の秋のあわただしく暮れて、早い初雪が来て
冬籠
(
ふゆごもり
)
の季節となる頃を、涙ぐましい程なつかしく思い出した。
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
あのあたりは
冬籠
(
ふゆごもり
)
の雪の中で、可心——という俳人が手づくろいに
古屏風
(
ふるびょうぶ
)
の張替をしようとして——(北枝編——
卯辰
(
うたつ
)
集)——が、屏風の下張りに残っていたのを発見して
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
宮が居間と
謂
(
い
)
ふまでにはあらねど、彼の
箪笥
(
たんす
)
手道具
等
(
など
)
置きたる小座敷あり。ここには
火燵
(
こたつ
)
の炉を切りて、用無き人の来ては
迭
(
かたみ
)
に
冬籠
(
ふゆごもり
)
する所にも用ゐらる。彼は常にここに居て針仕事するなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「然し思つた程でもないものです。若し冬になつて
如何
(
どう
)
しても辛棒が出来さうもなかつたら、
貴所方
(
あなたがた
)
のことだから札幌へ逃げて来れば可いですよ。どうせ
冬籠
(
ふゆごもり
)
は何処でしても同じことだから。」
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
冬籠
(
ふゆごもり
)
又よりそはんこの柱」という芭蕉の句は、冬籠だけに柱に寄添う時間が長いので、柱に対してもあたかも人の如き親しみを生じているが、白雪の句にはそれほどの感情は含まれていない。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
如何に幸福な平和な
冬籠
(
ふゆごもり
)
の
時節
(
じせつ
)
であったろう。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
どうしても笑はぬ人と
冬籠
(
ふゆごもり
)
爛鳥
俳句の作りよう
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
屋根低き宿うれしさよ
冬籠
(
ふゆごもり
)
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
冬籠
(
ふゆごもり
)
の窓が
開
(
あ
)
いて、
軒
(
のき
)
、
廂
(
ひさし
)
の雪がこいが
除
(
と
)
れると、北風に
轟々
(
ごうごう
)
と
鳴通
(
なりとお
)
した荒海の浪の
響
(
ひびき
)
も、春風の音にかわって、梅、桜、
椿
(
つばき
)
、
山吹
(
やまぶき
)
、桃も
李
(
すもも
)
も
一斉
(
いちどき
)
に開いて、女たちの
眉
(
まゆ
)
、唇
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冬籠
(
ふゆごもり
)
の用意に
多忙
(
いそが
)
しい頃で、人々はいづれも流のところに集つて居た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
摺小木
(
すりこぎ
)
の細工もはてず
冬籠
(
ふゆごもり
)
蘆文
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
古き
家
(
や
)
によき絵かゝりて
冬籠
(
ふゆごもり
)
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
𨿸
(
にわとり
)
の片足づゝや
冬籠
(
ふゆごもり
)
丈草
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
半月ばかり見ないうちに、家々は
最早
(
もう
)
冬籠
(
ふゆごもり
)
の用意、軒丈ほどの高さに
毎年
(
まいとし
)
作りつける粗末な
葦簾
(
よしず
)
の雪がこひが
悉皆
(
すつかり
)
出来上つて居た。越後路と同じやうな雪国の
光景
(
ありさま
)
は丑松の
眼前
(
めのまへ
)
に
展
(
ひら
)
けたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
浪花津
(
なにわづ
)
に咲くやこの花
冬籠
(
ふゆごもり
)
、今を春へと咲くやこの花。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冬籠
(
ふゆごもり
)
われを動かすものあらば
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
家毎に大根を洗い、それを壁に掛けて乾すべき時が来た。毎年山家での習慣とは言いながら、こうして野菜を貯えたり漬物の用意をしたりする頃に成ると、復た長い
冬籠
(
ふゆごもり
)
の近づいたことを思わせる。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一人で、
蟻
(
あり
)
が
冬籠
(
ふゆごもり
)
に貯えたような
件
(
くだん
)
のその
一銚子
(
ひとちょうし
)
。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冬籠
(
ふゆごもり
)
心の奥のよしの山 蕪村
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
僧侶も労働して、長い
冬籠
(
ふゆごもり
)
の貯えを造らなければ成らない。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
四五日は
冬籠
(
ふゆごもり
)
せん旅がへり
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
冬籠
(
ふゆごもり
)
座右
(
ざう
)
に千枚どうしかな
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
思ふこと書信に飛ばし
冬籠
(
ふゆごもり
)
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
探
(
さが
)
しものして片づけて
冬籠
(
ふゆごもり
)
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
冬籠
(
ふゆごもり
)
障子隔てゝ人の訪ふ
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
耳とほき浮世の事や
冬籠
(
ふゆごもり
)
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
冬籠
(
ふゆごもり
)
書斎の天地狭からず
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
冬
常用漢字
小2
部首:⼎
5画
籠
常用漢字
中学
部首:⽵
22画
“冬”で始まる語句
冬
冬瓜
冬青
冬枯
冬至
冬季
冬日
冬木
冬分
冬菜