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万一
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ひょっと
ふりがな文庫
“
万一
(
ひょっと
)” の例文
旧字:
萬一
私が
余
(
あんま
)
りポチばかり可愛がって勉強をしなかったから、父が
万一
(
ひょっと
)
したら
懲
(
こら
)
しめのため、ポチを何処かへ
匿
(
かく
)
したのじゃないかと思う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
万一
(
ひょっと
)
したら
行
(
い
)
き
宜
(
い
)
いから左様な処へでも行きはしまいかと、是から吉原へ這入って
彼処此処
(
あちこち
)
を探して
歩行
(
ある
)
いたが分りません。
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
危なく声を立てようとして、待てしばし、
万一
(
ひょっと
)
敵だったら、其の時は
如何
(
どう
)
する? この苦しみに輪を掛けた新聞で読んでさえ
頭
(
かみ
)
の
髪
(
け
)
の
弥竪
(
よだち
)
そうな目に
遭
(
あ
)
おうも
知
(
しれ
)
ぬ。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
しかし
万一
(
ひょっと
)
もし盗んでいたとすると
放下
(
うっちゃ
)
って置いては
後
(
あと
)
が悪かろうとも思ったが、一度見られたら
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
万作夫婦老を忘れてお光を愛する。這う。立つ。歩む。独りで箸を持つ。それはそれは愛らしい。だがどうも変だ。
万一
(
ひょっと
)
唖
(
おし
)
じゃあるまいかと万作夫婦心配した位、口をきかない。
漁師の娘
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
新三郎は人が良いものですから一人で逢いに
行
(
ゆ
)
くことが出来ません、逢いに参って
若
(
も
)
し
万一
(
ひょっと
)
飯島の家来にでも見付けられてはと思えば
行
(
ゆ
)
く事もならず
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
部屋の前を
通越
(
とおりこ
)
して台所へ行くか、それとも
万一
(
ひょっと
)
障子が
開
(
あ
)
くかと、
成行
(
なりゆき
)
を待つ
間
(
ま
)
の一
分
(
ぷん
)
に心の臓を縮めていると、
驚破
(
すわ
)
、障子がガタガタと……
開
(
あ
)
きかけて、グッと
支
(
つか
)
えたのを其儘にして
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
眠
(
ね
)
ること眠ること……が、もし
万一
(
ひょっと
)
此儘になったら……えい、
関
(
かま
)
うもんかい!
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
若
(
も
)
し遅くなれば
喜右衞門
(
きえもん
)
どんに
何彼
(
なにか
)
と頼んで置いたから御心配は無いが、
万一
(
ひょっと
)
して花車も一抔やり
度
(
た
)
いなどゝ云うと、
些
(
ちっ
)
とは私も遣り度い物も有りますから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
万一
(
ひょっと
)
したら金も
獲
(
え
)
られる、一挙両得だというような、愚劣な者の常として、何事も自分に都合の
好
(
い
)
い様にばかり考えるから、
其様
(
そん
)
な虫の
好
(
い
)
い事を思って、友には
内々
(
ないない
)
で
種々
(
いろいろ
)
と奔走して見たが
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
かめ「有難う、まア本当に
万一
(
ひょっと
)
やりそこなやしないかと、どんなに心配したか知れませんが、
彼奴
(
あいつ
)
さえ殺してしまえば是からは自由ですから、今夜はお泊り遊ばせな」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お前さんが
彼
(
あ
)
の娘の得心するように旨く調子よく、そこは棟梁さんだから
万一
(
ひょっと
)
して岡惚れしないものでもないよ、はい只今明けますよ…あの道は又
乙
(
おつ
)
なものだから…はいよ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女「はい……まだ私は参った事はありませんから一度見物したいと思って居りますが、お寄申して
万一
(
ひょっと
)
奥さんか又権妻さんでもいらしって、お
悋気
(
りんき
)
でもあるとお気の毒だと存じまして」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
万一
(
ひょっと
)
して
軽躁
(
かるはずみ
)
な事をしてはならぬと、貞女なおくのでございますから、
一歳
(
ひとつ
)
になりますおさだと申す
赤児
(
あかんぼ
)
を十文字に
負
(
おぶ
)
い、鼠と紺の子持縞の足利織の
単物
(
ひとえもの
)
に幅の狭い帯をひっかけに結び
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其所
(
そこ
)
へ別荘を
建
(
たて
)
ると申して出ました切り手紙を一通送って
遣
(
よこ
)
さず、まるで
音信
(
おとづれ
)
がございませんから、悋気ではございませんが、
万一
(
ひょっと
)
外
(
ほか
)
に
増花
(
ますはな
)
があって
私
(
わたくし
)
に
倦
(
あき
)
が来て見捨てられやしないかと
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
野州路へ𢌞り
漸々
(
よう/\
)
の事で江戸へ来ましたも
万一
(
ひょっと
)
したらお
姉様
(
あねえさま
)
にお目にかゝる事もあろうかと思い参りましたが、
一昨日
(
おととい
)
から何も
喰
(
た
)
べず、私は
厭
(
いと
)
いませんが此の子が如何にも不憫でございます
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何
(
ど
)
のように隠しても隠し
遂
(
おお
)
せられないもので、どうして
彼
(
あ
)
の人があのように金が出来たろう、
何
(
なん
)
だか
訝
(
おか
)
しいねえ、此の
頃
(
ごろ
)
こういう事を聞いたが、
万一
(
ひょっと
)
したらあんな奴が泥坊じゃアないか知らんと
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一生懸命に
何
(
ど
)
うかして亭主の
敵
(
かたき
)
が討ちたいと思って親類の止るのも聞かずに泥水の中に這入り、
苦海
(
くがい
)
の
中
(
うち
)
に居ても
万一
(
ひょっと
)
して敵を尋ぬる手掛りにもなろうと思ったから、此んな処へ這入って居るので
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
真実そうと思って
楽
(
たのし
)
んで居りましたのに、貴方がそう
仰
(
おっ
)
しゃれば
私
(
わたくし
)
は死んでしまいますが、
万一
(
ひょっと
)
許嫁
(
いゝなずけ
)
の
内儀
(
おかみ
)
さんでも田舎から東京へ出て来てそれを女房になさるなら、それで
宜
(
よろ
)
しゅうございますから
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
筆「アヽお武家で有るか、
万一
(
ひょっと
)
したら少しはお恵みが有ろう」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“万一”の意味
《名詞》
万 一(まんいち、稀:まんいつ、ばんいち)
可能性が非常に低いが起こるかも知れないこと。
《形容動詞》
万 一(まんいち、稀:まんいつ、ばんいち)
ひょっとして。もしも。
(出典:Wiktionary)
万
常用漢字
小2
部首:⼀
3画
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
“万”で始まる語句
万
万歳
万事
万年青
万更
万斛
万々
万屋
万端
万象