“万象”のいろいろな読み方と例文
旧字:萬象
読み方割合
ばんしょう52.2%
ものみな26.1%
ばんしやう8.7%
ばんしよう8.7%
よろづ4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
歩きながら、私は何ものかに感謝しないではいられないような気持になってきた。天地万象ばんしょうが明るく、ゆたかなものにつつまれている。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
遠くで鴎の声さへ聞えなかつたなら、万象ものみなが唖になつたのかとも思はれたであらう。ところが、ふと何かがさごそいふ物音が聞える……。
「神は万象ばんしやうの創造に現れてゐるが、しかも人間に姿を見せない。芸術家が創作に対する態度も、またくの如くなるべきである。」
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
すべての猛獣の習性として、胃の中の餌物えものが完全に消化するまで、おそらく彼はそのポーズで永遠に眠りつづけて居るのだらう。赤道直下の白昼まひる。風もなく音もない。万象ばんしようの死に絶えた沈黙しじまの時。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)