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一粒種
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ひとつぶだね
ふりがな文庫
“
一粒種
(
ひとつぶだね
)” の例文
父親
(
ちちおや
)
は
相当
(
そうとう
)
高
(
たか
)
い
地位
(
ちい
)
の
大宮人
(
おおみやびと
)
で、
名
(
な
)
は
狭間信之
(
はざまのぶゆき
)
、
母親
(
ははおや
)
の
名
(
な
)
はたしか
光代
(
みつよ
)
、そして
雛子
(
ひなこ
)
は
夫婦
(
ふうふ
)
の
仲
(
なか
)
の
一粒種
(
ひとつぶだね
)
のいとし
児
(
こ
)
だったのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
文武天皇は妃も皇后もめとらず、宮子は実質上の皇后だったが、天皇は二十五で夭折した。首皇子即ち聖武天皇はその
一粒種
(
ひとつぶだね
)
であった。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
しかし……しかし
伊那丸
(
いなまる
)
さまは大せつな
甲斐源氏
(
かいげんじ
)
の
一粒種
(
ひとつぶだね
)
、あわれ八
幡
(
まん
)
、あわれ
軍
(
いくさ
)
の神々、力わかき民部の
采配
(
さいはい
)
に、
無辺
(
むへん
)
のお力をかしたまえ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ああ、小雪! 今こそ、房枝は、自分の本名が小雪であったことをはっきりと
悟
(
さと
)
ったのである。そして自分が、あのやさしい彦田道子夫人の
一粒種
(
ひとつぶだね
)
であることを知ったのであった。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
去年ちょうど今時分、秋のはじめが
初産
(
ういざん
)
で、お浜といえば
砂
(
いさご
)
さえ、
敷妙
(
しきたえ
)
の
一粒種
(
ひとつぶだね
)
。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
まことに申兼ねますが、
一粒種
(
ひとつぶだね
)
の伜一人を助けると覺召して、お願ひでございます
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
六部
(
ろくぶ
)
はそれから
行
(
い
)
く
道々
(
みちみち
)
も、
人身御供
(
ひとみごくう
)
に
上
(
あ
)
げられるかわいそうな
娘
(
むすめ
)
のことや、
大事
(
だいじ
)
な
一粒種
(
ひとつぶだね
)
を
取
(
と
)
られていく
両親
(
りょうしん
)
の
心
(
こころ
)
を
思
(
おも
)
いやって、
人知
(
ひとし
)
れず
涙
(
なみだ
)
をこぼしながら、やがて
村
(
むら
)
を出はずれました。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
思い設けぬ自分の
一粒種
(
ひとつぶだね
)
の登というものを見ると、今まで曾て経験しなかった、現在、血をわけた
親身
(
しんみ
)
というものの情愛を思い知ると共に、この子の母としてのお君という薄命な女のために
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
千代は絶えなんとする渋江氏の血統を僅に
繋
(
つな
)
ぐべき子で、あまつさえ
聡慧
(
そうけい
)
なので、父母はこれを
一粒種
(
ひとつぶだね
)
と称して
鍾愛
(
しょうあい
)
していると、十九歳になった安永六年の五月三日に、辞世の歌を詠んで死んだ。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
十九歳の美子姫は、侯爵の
一粒種
(
ひとつぶだね
)
、婦人雑誌、写真画報などで、姫の容姿に接したものは、その
名状
(
めいじょう
)
し
難
(
がた
)
きあどけなさ、不思議な魅力をたたえた、夢見る如きまなざしに、うっとりせぬ者はなかった。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
母
(
はは
)
の
名
(
な
)
は
袈裟代
(
けさよ
)
、これは
加納家
(
かのうけ
)
から
嫁
(
とつ
)
いでまいりました。
両親
(
りょうしん
)
の
間
(
あいだ
)
には
男
(
おとこ
)
の
児
(
こ
)
はなく、たった
一粒種
(
ひとつぶだね
)
の
女
(
おんな
)
の
児
(
こ
)
があったのみで、それが
私
(
わたくし
)
なのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
そして一
度
(
ど
)
矢
(
や
)
が
立
(
た
)
った
以上
(
いじょう
)
、たとえ
一粒種
(
ひとつぶだね
)
の
大事
(
だいじ
)
な
娘
(
むすめ
)
でも、
七日
(
なのか
)
のうちには
長持
(
ながもち
)
に
入
(
い
)
れて、
夜
(
よる
)
おそくお
社
(
やしろ
)
の
前
(
まえ
)
まで
担
(
かつ
)
いでいって、さし
上
(
あ
)
げるとすぐ、
後
(
あと
)
を
振
(
ふ
)
り
返
(
かえ
)
らずに
帰
(
かえ
)
って
来
(
こ
)
なければなりません。
しっぺい太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そうする
中
(
うち
)
にポックリと、
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にもかけ
換
(
がえ
)
のない、
一粒種
(
ひとつぶだね
)
の
愛児
(
あいじ
)
に
先立
(
さきだ
)
たれ、そのまま
私
(
わたくし
)
はフラフラと
気
(
き
)
がふれたようになって、
何
(
なん
)
の
前後
(
ぜんご
)
の
考
(
かんがえ
)
もなく、
懐剣
(
かいけん
)
で
喉
(
のど
)
を
突
(
つ
)
いて
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
粒
常用漢字
中学
部首:⽶
11画
種
常用漢字
小4
部首:⽲
14画
“一粒”で始まる語句
一粒
一粒金丹
一粒選
一粒子
一粒者