“さんじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
讃辞33.3%
惨事16.7%
讃詞7.1%
三次7.1%
慘事7.1%
賛辞7.1%
三時4.8%
4.8%
三児2.4%
参事2.4%
山寺2.4%
山路2.4%
蚕事2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところで、そうした讃辞さんじは、次郎にとって大きな悦びであると共に、また強い束縛そくばくでもあった。彼はいつも人々の讃辞に耳をそばだてた。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
しかしそれだけに、それはまた流血の惨事さんじを間近に予想させる原因でもあった。「逆賊」と決定したものをそういつまでも放任するわけには行くまい。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
親類というものからも、出入でいりというものからも、お手柄でございましたという讃詞さんじと、張込んだ祝いものがくる。そこで、母の勢力が増して強くなった。
野火のび三次さんじは舌打をして居竦いすくまった。
暗がりの乙松 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
たゞみなとおくではかような大事變だいじへんおこしてゐるにかゝはらず數十町すうじつちよう沖合おきあひではまつたくそれに無關係むかんけいであつて當時とうじそこを航行中こう/\ちゆうであつた石油發動機船せきゆはつどうきせん海岸かいがんけるかゝる慘事さんじ
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それで話は多くそちらの方面へばかり延びて行った。しかし自分の著作について初見しょけんの人から賛辞さんじばかり受けているのは、ありがたいようではなはだこそばゆいものである。実をいうと私は辟易へきえきした。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
くだいてへば、夜逃よにげ得手えてでも、朝旅あさたび出來できない野郎やらうである。あけがた三時さんじきて、たきたての御飯ごはん掻込かつこんで、四時よじ東京驛とうきやうえきなどとはおもひもらない。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
昨夜さくやちらしおきたる苧幹をがら寸断ずた/\をれてあり、これひとさんじてのち諸神しよじんこゝにあつまりてをどり玉ふゆゑ、をがらをふみをり玉ふなりといひつたふ。
三児さんじはいちように振り返って母と笑いあうのである。自分は胸に動悸どうきするまで、この光景に深く感を引いた。
奈々子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
伏見戦争のあとで直ぐ、朝命てうめいを蒙つて征討将軍のみや随従ずゐしうし北陸道の鎮撫に出掛けたと云ふ手紙や、一時還俗げんぞくして岩手県の参事さんじを拝命したと云ふ報知しらせは、其の時々とき/″\に来たが、すこしの仕送しおくりも無いので
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
花晨かしん可なり、月夕げっせき可なり、午烟ごえん可なり、夜雨やう可なり、いづれの時か俳句ならざらん。山寺さんじ可なり、漁村可なり、広野可なり、谿流けいりゅう可なり、いづれの処か俳句ならざらん。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
和歌山県の日高郡、殊に山路さんじと称する山中の村々では、スズメといえば我々のホオジロ(画眉鳥)のことで、うぐいすをホケジロといい、雀は即ちイタクラと呼んでいた。
蚕事さんじ試験場の少し手前を右へ折れた路次でやっと目的の家をさがしあてるまでに三十分はたっぷりかかった。
夏の夜の冒険 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)