“やまみち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
山路57.1%
山道23.5%
山径17.3%
山途2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
峠越とうげごえの此の山路やまみちや、以前も旧道ふるみちで、余り道中の無かつたところを、汽車が通じてからは、ほとん廃駅はいえきに成つて、いのししおおかみも又戻つたと言はれる。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
だんだん山道やまみちのぼって、もりけ、たにえて、とうとうおくおく山奥やまおくまで行きました。山の上はしんとして、とりのさわぐおともしません。
姨捨山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
その日も彼は女を背負って峠のあちら側の山径やまみちを登ったのでした。その日も幸せで一ぱいでしたが、今日の幸せはさらに豊かなものでした。
桜の森の満開の下 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
馬が少し早くなると(早くするのだ)逃亡者はでんぐり返って、そのまま石ころだらけの山途やまみちを引きずられた。半纒はんてんが破れて、額やほおから血が出ていた。その血が土にまみれて、どす黒くなっている。
人を殺す犬 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)