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山径
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やまみち
ふりがな文庫
“
山径
(
やまみち
)” の例文
一条
(
ひとすぢ
)
の
山径
(
やまみち
)
草深くして、
昨夕
(
ゆうべ
)
の露なほ
葉上
(
はのうへ
)
にのこり、
褰
(
かゝ
)
ぐる
裳
(
もすそ
)
も
湿
(
ぬ
)
れがちに、
峡々
(
はざま/\
)
を越えて行けば、
昔遊
(
むかしあそび
)
の跡歴々として尋ぬべし。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
その日も彼は女を背負って峠のあちら側の
山径
(
やまみち
)
を登ったのでした。その日も幸せで一ぱいでしたが、今日の幸せはさらに豊かなものでした。
桜の森の満開の下
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
『郡村誌』は利根川の西岸から小烏帽子岳の麓を繞って越後への
山径
(
やまみち
)
があって、謙信馬返し岩というのがあると記している。
利根川水源地の山々
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
あのときは
籐
(
とう
)
のステッキにすがるようにして、宿屋の裏の
山径
(
やまみち
)
などへ散歩に行くと、一日
毎
(
ごと
)
に、そこいらを
埋
(
うず
)
めている落葉の量が増える一方で
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
行手の
嶮
(
けわ
)
しい
山径
(
やまみち
)
を越えなければならないかと思うと、急に背中の荷物が重味を増して来て、
稍々
(
やや
)
ともすると荘重な華麗な声調を要する筈の唱歌が震えて絶え入りそうになったが
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
貸馬に乗って、ある高原を横断した時、視界の悪い
山径
(
やまみち
)
から、突然ひらけた場所に出た。そこは右側が草山になり、左側は低く谷底となり、盆地がひろがり、彼方に小さな湖が見える。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
そこで、その村の者は、監獄へ行くか、餓えるかという二つの道のどちらかを取るようにしいられた。小倉の生まれた村の
小径
(
こみち
)
とも、谷川ともわからない
山径
(
やまみち
)
は、監獄の方へ続いていた。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
此
嶺
(
たふげ
)
うちこし四里
山径
(
やまみち
)
隆崛
(
りうくつ
)
して
数武
(
すぶ
)
も
平坦
(
へいたん
)
の路を
践
(
ふま
)
ず
浅貝
(
あさかひ
)
といふ
駅
(
えき
)
に
宿
(
やど
)
り
猶
(
なほ
)
○
二居嶺
(
ふたゐたふげ
)
(二リ半)を
越
(
こえ
)
て
三俣
(
みつまた
)
といふ
山駅
(
さんえき
)
に宿し、
芝原嶺
(
しばはらたふげ
)
を下り
湯沢
(
ゆさは
)
に
抵
(
いたら
)
んとする
途
(
みち
)
にて
遙
(
はるか
)
に
一楹
(
いちえい
)
の
茶店
(
さてん
)
を見る。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
当然
閑院宮
(
かんいんのみや
)
別邸前の
山径
(
やまみち
)
を辿ることになり、同時に、小田原城の下を通るトンネルから汽車のでてくる線路に沿うて歩くことになるのである。
復員殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
そうして私は自分の気持をそのどちらにも片づけることが出来ずに、自分で自分を持て余しながら、かれこれ一時間近くもその
山径
(
やまみち
)
をさまよっていた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
旅人の行きなやむてふ小仏の峰に近きところより右に折れて、数里の
山径
(
やまみち
)
もむかしにあらで
腕車
(
わんしや
)
のかけ声すさまじく、月のなき桑野原、七年の夢を
現
(
うつゝ
)
にくりかへして
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
此
嶺
(
たふげ
)
うちこし四里
山径
(
やまみち
)
隆崛
(
りうくつ
)
して
数武
(
すぶ
)
も
平坦
(
へいたん
)
の路を
践
(
ふま
)
ず
浅貝
(
あさかひ
)
といふ
駅
(
えき
)
に
宿
(
やど
)
り
猶
(
なほ
)
○
二居嶺
(
ふたゐたふげ
)
(二リ半)を
越
(
こえ
)
て
三俣
(
みつまた
)
といふ
山駅
(
さんえき
)
に宿し、
芝原嶺
(
しばはらたふげ
)
を下り
湯沢
(
ゆさは
)
に
抵
(
いたら
)
んとする
途
(
みち
)
にて
遙
(
はるか
)
に
一楹
(
いちえい
)
の
茶店
(
さてん
)
を見る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
石巻から出発して
渡波
(
ワタノハ
)
港、ここが牡鹿半島の南側のノドクビに当るところだ。自動車は
山径
(
やまみち
)
を湾にそうてグルグルと迂回しつつ半島を南下する。
安吾の新日本地理:03 伊達政宗の城へ乗込む――仙台の巻――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
実際私自身にもこんな風に私たちの歩いている
山径
(
やまみち
)
の見当がちょっと付きかねていたのだけれど、私はわざとそれを
冗談
(
じょうだん
)
のように言い
紛
(
まぎ
)
らわせていたのだった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
このあたりの名寺なる東禅寺は境広く、樹古く、陰欝として
深山
(
しんざん
)
に入るの
思
(
おもひ
)
あらしむ。この境内に一条の
山径
(
やまみち
)
あり、
高輪
(
たかなわ
)
より二本榎に通ず、近きを
択
(
えら
)
むもの、こゝを往還することゝなれり。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
信長は京都、堺を見物していたが、雨降りの払暁、にわかに出立、昼夜兼行二十七里の
山径
(
やまみち
)
をブッとばして帰城した。この理由も、家来の誰にも分らない。
織田信長
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「どうしてこんなに変っちゃったんだろうなあ。あんなに私に何もかも任せ切っていたように見えたのに……」と私は考えあぐねたような
恰好
(
かっこう
)
で、だんだん裸根のごろごろし出して来た狭い
山径
(
やまみち
)
を
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
彼の家は更にそこから七里ほどバスで
山径
(
やまみち
)
を走らねばならぬ。然しともかくこの田舎町は彼の村から最も近い都会であり、村人の買い物は
概
(
おおむ
)
ねこの町を利用し、間に合せる。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
急いで
山径
(
やまみち
)
を下りはじめた。
風立ちぬ
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
禅僧のたどたどしい足どりがそれでも十間ぐらいの距離まで旅人に近づいた時のことだが、旅人は
九十九折
(
つづらおり
)
の
山径
(
やまみち
)
のとある曲路にさしかかった。一方は山の岩肌、一方は谷だ。
禅僧
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
鉱石を駅まで十里の
山径
(
やまみち
)
を運びださなきゃならないのさ。その運賃で赤字なのだ。鉱石をきりだしてるのは海岸なんだぜ。港をつくりゃ、もうかるのさ。大きな港じゃないんだ。
街はふるさと
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
径
常用漢字
小4
部首:⼻
8画
“山”で始まる語句
山
山家
山路
山羊
山茶花
山間
山中
山谷
山毛欅
山車