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鹿毛
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かげ
ふりがな文庫
“
鹿毛
(
かげ
)” の例文
卯月の銀毛のような尾が、真ッ直ぐに風を曳いて、五郎左衛門の
鹿毛
(
かげ
)
のそばを、勢いよく駈け抜けて、前へ出たので、五郎左は
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鹿毛
(
かげ
)
、
連銭葦毛
(
れんせんあしげ
)
などの話のあるところ、黒んぼが駱駝にのつて沙漠をゆくところなど一枚二枚と読んでもう終りにちかい元寇の章まできた。
銀の匙
(新字旧仮名)
/
中勘助
(著)
また
殿
(
しんがり
)
で敵に向いなさるなら、
鹿毛
(
かげ
)
か、
葦毛
(
あしげ
)
か、月毛か、栗毛か、馬の太く
逞
(
たくま
)
しきに
騎
(
の
)
った大将を打ち取りなされよ。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
あっしだって
馬子
(
まご
)
を
脅
(
おど
)
かして、同じ
鹿毛
(
かげ
)
馬を仕立てさせ砂利を詰めた千両箱を
背負
(
しょ
)
わせて、天神下の角でアッという間に入れ替えるぐらいの芸当はやりますよ
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
自宅
(
うち
)
の
鹿毛
(
かげ
)
と青にその方の好きなあの
金覆輪
(
きんぷくりん
)
の鞍置いて飛ばすれば、続く追っ手は当藩には
居
(
お
)
らぬ筈じゃ。
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
鹿毛
(
かげ
)
なる駒の二歳位なるが、ひとり
忽然
(
こつぜん
)
として現はれ、我も驚き、彼も驚く風情なかなかに興多く候。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そこに来ては寝ころんでいた
秣
(
まぐさ
)
の中から、むくむくと起きあがると、平七は、
曳
(
ひ
)
き出した
鹿毛
(
かげ
)
にひらりと乗った有朋のさきへ立って、なんのこともない顔を馬と並べ乍ら
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
一昨年
(
をととし
)
のこと、例のフォマ・グリゴーリエヸッチがディカーニカからやつて来て、たうとう新らしい馬車と
鹿毛
(
かげ
)
の牝馬もろとも、
崩穴
(
がけ
)
へ落つこちてしまつたといふ始末でな
ディカーニカ近郷夜話 前篇:02 はしがき
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
黄金
(
こがね
)
作りの武田
菱
(
びし
)
の
前立
(
まえだて
)
打ったる兜をいただき、黒糸に緋を打ちまぜて
縅
(
おど
)
した鎧を着、紺地の
母衣
(
ほろ
)
に金にて経文を書いたのを負い、
鹿毛
(
かげ
)
の馬に
跨
(
またが
)
り采配を振って激励したが
川中島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
秩父の速がひき出した馬は、つやつやとした
鹿毛
(
かげ
)
のけなみもうつくしい、たくましいもので、鬼カゲと呼ばれてゐる名馬でした。ほかの四人の馬も、それぞれすぐれた馬ばかりでした。
鬼カゲさま
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
女はまだ
何
(
なん
)
にも言わぬ。
床
(
とこ
)
に
懸
(
か
)
けた
容斎
(
ようさい
)
の、小松に
交
(
まじ
)
る
稚子髷
(
ちごまげ
)
の、
太刀持
(
たちもち
)
こそ、
昔
(
むか
)
しから
長閑
(
のどか
)
である。
狩衣
(
かりぎぬ
)
に、
鹿毛
(
かげ
)
なる
駒
(
こま
)
の
主人
(
あるじ
)
は、事なきに
慣
(
な
)
れし
殿上人
(
てんじょうびと
)
の常か、動く
景色
(
けしき
)
も見えぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三位入道の嫡子
伊豆守仲綱
(
いずのかみなかつな
)
は
木
(
こ
)
の
下
(
した
)
と名づけられた
鹿毛
(
かげ
)
の名馬を持っていた。
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「
鹿毛
(
かげ
)
を放すことにいたしましょう」
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
畠山重忠にも、秩父
鹿毛
(
かげ
)
とか、
大黒人
(
おおくろひと
)
とか、
妻高
(
めたか
)
山鹿毛とか、評判な名馬があるので、さだめし
選
(
よ
)
りに選って、競い立って行ったにちがいない。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
案内してくれたのは、裏の大きな厩、五六頭の馬の中に交じって、一きわ美しい、
鹿毛
(
かげ
)
を親方は指します。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「これじゃ! てまえのこの
鹿毛
(
かげ
)
にて参れとのご
諚
(
じょう
)
じゃ!」
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
穀物、
獣皮
(
じゅうひ
)
、
漆
(
うるし
)
、織物などあらゆる物と物が交易されていた。馬市も立っている。
鹿毛
(
かげ
)
、栗、月毛、黒などが何十頭も
馬繋
(
うまつな
)
ぎに首をならべていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
案内してくれたのは、裏の大きな厩、五六頭の馬の中に
交
(
まじ
)
つて、一きは美しい、
鹿毛
(
かげ
)
を親方は指します。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
また、さきのおととし、
鳥羽
(
とば
)
の
院
(
いん
)
と、
待賢門院
(
たいけんもんいん
)
さまも、お臨みで、
神泉苑
(
しんせんえん
)
の競べ馬に、
下毛野
(
しもつけ
)
の兼近が、見事な勝をとったのも、たしか、四白の
鹿毛
(
かげ
)
であったわ
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
江島屋の馬鹿息子へ、あの娘をやる位なら、あつしだつて
馬子
(
まご
)
を
脅
(
おど
)
かして、同じ
鹿毛
(
かげ
)
馬を仕立てさせ砂利を詰めた千兩箱を脊負はせて、天神下の角でアツといふ間に入れ換へる位の藝當はやりますよ
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お馬は、乗換の
鹿毛
(
かげ
)
まで、賤ヶ嶽の
岨道
(
そばみち
)
に、お捨て遊ばして来ましたので、これには曳いて参りませぬ」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
茶盌
(
ちゃわん
)
を売って、名馬を
購
(
あがな
)
う、そちの心がけは、大いによいが、聞けば、馬場において、殿の卯月を追い抜き、君公から後に、そちの
鹿毛
(
かげ
)
をくれいと、お望み遊ばしたものを
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
源氏重代の
紺
(
こん
)
おどし「源太ヶ
産衣
(
うぶぎ
)
」の具足をよろい、
髯切
(
ひげきり
)
の太刀を横たえ、
逞
(
たくま
)
しい
鹿毛
(
かげ
)
の鞍にあるために、一かどらしくは見られるが、何といっても、まだ十三歳であった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
間もなく
輿
(
こし
)
、
駕籠
(
かご
)
の行列につづいて、武者ぶりよい男が、二、三頭の
鹿毛
(
かげ
)
や
葦毛
(
あしげ
)
の駒を曳いて出て行った。武者たちは長門守の顔を見ると馬の口輪を片手に、辞儀して通った。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四白というのは、
鹿毛
(
かげ
)
、
栗毛
(
くりげ
)
をとわず、馬の四つ脚の
蹄
(
ひづめ
)
から脛に、そろって、白い毛なみを持っている特徴をいうのである。ごくまれにしかないが、あれば、
不吉
(
ふきつ
)
だと、むかしからいわれている。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
金槌
(
かなづち
)
」と名のある有名な
鹿毛
(
かげ
)
だ。信雄は、それに
跨
(
また
)
がるや
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると、彼方から一頭の
逞
(
たくま
)
しい
鹿毛
(
かげ
)
を飛ばして
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“鹿毛”の解説
鹿毛(かげ、en: Bay、la: badius、zh: 棗)は、馬の毛色のひとつ。一般に茶褐色の毛を持つ馬のこと、またはその状態そのものを指す。家畜馬、野生馬問わず、最も一般的に見られる毛色である。広義では黒鹿毛、青鹿毛を含むが、この記事では狭義の鹿毛のみを扱う。
(出典:Wikipedia)
鹿
常用漢字
小4
部首:⿅
11画
毛
常用漢字
小2
部首:⽑
4画
“鹿”で始まる語句
鹿
鹿爪
鹿島
鹿角
鹿鳴館
鹿垣
鹿子
鹿沼
鹿島灘
鹿砦