“太刀持”の読み方と例文
読み方割合
たちもち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女はまだなんにも言わぬ。とこけた容斎ようさいの、小松にまじ稚子髷ちごまげの、太刀持たちもちこそ、むかしから長閑のどかである。狩衣かりぎぬに、鹿毛かげなるこま主人あるじは、事なきにれし殿上人てんじょうびとの常か、動く景色けしきも見えぬ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
横からても、縦から視ても、きたない屑屋に相違あるまい。奉行は継上下つぎがみしも、御用箱、うしろに太刀持たちもち用人ようにん与力よりき同心徒どうしんであい、事も厳重に堂々と並んで、威儀を正して、ずらりと蝋燭ろうそくを入れた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)