なき)” の例文
そうすれば、きっと日輪にちりんわたしたちの先祖せんぞ怠慢たいまんをおゆるしくださるでしょう。そして、わたしは、うつくしいつばさと、また、あなたのようないいなきごえとをさずかってきます。
紅すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
物のわけをもしらぬ者ども、小肘こひぢつかんで引立ひつたて、車一両に二三人づゝ引のせ奉るさへに、若君姫君の御事さま、さても/\といはぬ者なく、其身の事は不申、見物の貴賤もどつなき
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
つれのもの七人こゝかしこにありて木をりてたりしに、山々にひゞくほどの大こゑしてねこなきしゆゑ、人々おそれおのゝきみな小屋にあつまり、手に/\をのをかまへみゝをすましてきけば
御存ごぞんわたしが歸鴈きがんきとふは我身わがみながら何故なぜらねどはなやま曉月夜あかつきづきよさては春雨はるさめ夜半よはとこなきぎるこゑわかれがしみ/″\とにしみてかなしいやうさびしいやうなまたあきちぎりを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なき聲高く牛舍より引き出されて牧場に、 575
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
さて翌年の十月鶴二羽かの農人のうにんが家のにはちかくまひくだり、稲二けいおとし一こゑづゝなきて飛さりけり。主人あるじひろひとりて見るにそのたけ六尺にあまり、も是につれて長く、の一えだに稲四五百粒あり。
垣根かきねの朝顔やう/\小さく咲きて、昨日今日がくれに一花ひとはなみゆるも、そのはじめの事おもはれて哀れなるに、松虫すゞ虫いつしかなきよわりて、朝日まちとりて竈馬こほろぎ果敢はかなげに声する、小溝こみぞはし
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
さて翌年の十月鶴二羽かの農人のうにんが家のにはちかくまひくだり、稲二けいおとし一こゑづゝなきて飛さりけり。主人あるじひろひとりて見るにそのたけ六尺にあまり、も是につれて長く、の一えだに稲四五百粒あり。
そのこゑちかくにありときけば又とほくになき、とほしときけばちかし。