トップ
>
雜巾
>
ざふきん
ふりがな文庫
“
雜巾
(
ざふきん
)” の例文
新字:
雑巾
「褒められるほどの心掛けでもありせんが、今朝もちよいと丁寧に
雜巾
(
ざふきん
)
を掛け過ぎて、この通りまだ板仕切も椽側も濡れて居ります」
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
細
(
ほそ
)
い
針
(
はり
)
ほどな
侏儒
(
いつすんぼふし
)
が、
一
(
ひと
)
つ/\、と、
歩行
(
ある
)
き
出
(
だ
)
しさうな
氣勢
(
けはひ
)
がある。
吃驚
(
びつくり
)
して、
煮湯
(
にえゆ
)
で
雜巾
(
ざふきん
)
を
絞
(
しぼ
)
つて、よく
拭
(
ぬぐ
)
つて、
先
(
ま
)
づ
退治
(
たいぢ
)
た。
くさびら
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
午過
(
ひるすぎ
)
に
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て
見
(
み
)
ると、
御米
(
およね
)
は
金盥
(
かなだらひ
)
の
中
(
なか
)
に
雜巾
(
ざふきん
)
を
浸
(
つ
)
けて、六
疊
(
でふ
)
の
鏡臺
(
きやうだい
)
の
傍
(
そば
)
に
置
(
お
)
いてゐた。
其上
(
そのうへ
)
の
所
(
ところ
)
丈
(
だけ
)
天井
(
てんじやう
)
の
色
(
いろ
)
が
變
(
かは
)
つて、
時々
(
とき/″\
)
雫
(
しづく
)
が
落
(
お
)
ちて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
祖母さんを御覽なさい、支店長の母親でありながら袖口の擦り切れた着物を着て、この寒さにも自分で
雜巾
(
ざふきん
)
掛けなんぞしてゐるぢやありませんか。
孫だち
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
すれば、かうなってしまうた
上
(
うへ
)
は、あの
若殿
(
わかとの
)
へ
嫁入
(
よめい
)
らッしゃるが
最
(
いっ
)
ち
良
(
よ
)
い
分別
(
ふんべつ
)
ぢゃ。おゝ、ほんに
可憐
(
かはいら
)
しいお
方
(
かた
)
。
彼方
(
あなた
)
に
比
(
くら
)
べてはロミオどのは
雜巾
(
ざふきん
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
自分の家の玄關の
沓脱
(
くつぬぎ
)
のある『タタキ』を、毎朝、自分で、
雜巾
(
ざふきん
)
がけをする、そのかはり、そこからはいかなる人でも
出
(
で
)
はひりをさせない、といふやうな事を、私は、誰からとなく、聞いた。
「鱧の皮 他五篇」解説
(旧字旧仮名)
/
宇野浩二
(著)
「聲を掛けても返事はないし、少し心配になりましたので、ザツと入口の
雜巾
(
ざふきん
)
で足を拭いて、濡れてボトボト
雫
(
しづく
)
の垂れるまゝ、奧へ入つて見ると——」
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
いつぞや、
同國
(
どうこく
)
の
人
(
ひと
)
の
許
(
もと
)
にて、
何
(
なに
)
かの
話
(
はなし
)
の
時
(
とき
)
、
鉢前
(
はちまへ
)
のバケツにあり
合
(
あは
)
せたる
雜巾
(
ざふきん
)
をさして、
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
、
金澤
(
かなざは
)
で
何
(
な
)
んと
言
(
い
)
つたか
覺
(
おぼ
)
えてゐるかと
問
(
と
)
ふ。
忘
(
わす
)
れたり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
は
赤
(
あか
)
い
手
(
て
)
を
無言
(
むごん
)
の
儘
(
まゝ
)
働
(
はた
)
らかしながら、
馬尻
(
ばけつ
)
の
中
(
なか
)
で
雜巾
(
ざふきん
)
を
絞
(
しぼ
)
つて
障子
(
しやうじ
)
の
棧
(
さん
)
を
拭
(
ふ
)
き
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
血を
雜巾
(
ざふきん
)
か何かにひたして、
二合半
(
こなから
)
坂の春日邸下になすつたり、石垣を熊手か何かで引つかいて、あわよくば春日邦之助を無實の罪に
陷
(
おとしい
)
れ、自分は何時までもきれいなお孃さんと
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小六
(
ころく
)
は
實際
(
じつさい
)
こんな
用
(
よう
)
をするのを、
内心
(
ないしん
)
では
大
(
おほ
)
いに
輕蔑
(
けいべつ
)
してゐた。ことに
昨今
(
さくこん
)
自分
(
じぶん
)
が
已
(
や
)
むなく
置
(
お
)
かれた
境遇
(
きやうぐう
)
からして、
此際
(
このさい
)
多少
(
たせう
)
自己
(
じこ
)
を
侮辱
(
ぶじよく
)
してゐるかの
觀
(
くわん
)
を
抱
(
いだ
)
いて
雜巾
(
ざふきん
)
を
手
(
て
)
にしてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「たうとう垂れ流しやがつた。仕樣のねえ野郎だ、——お靜、
雜巾
(
ざふきん
)
だよ」
銭形平次捕物控:194 小便組貞女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「往來の血も——翌る朝、見に參りましたが、ほんのおまじなひ程で、それも
雜巾
(
ざふきん
)
でなすつたやうになつて居りました。こゝで人が突き殺されたのなら、あんなバカなことがあるものでせうか——それに」
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雜
部首:⾫
18画
巾
常用漢字
中学
部首:⼱
3画
“雜巾”で始まる語句
雜巾掛