金庫きんこ)” の例文
こうして、ほうぼうの金庫きんこ銭箱ぜひばこからいあがってきた金貨のゆくえを知ったら、村の人たちは、いまよりもっとおどろいたにちがいない。
にんむすめらは、当時とうじのようにわらいもせずに、いずれも心配しんぱいそうなかおつきをしていました。やがて父親ちちおやは、なにかいって金庫きんこほうゆびさしました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
金庫きんこ書庫しよこ土藏どぞうにはおの/\おほきさに相應そうおうする器物きぶつたとへば土藏どぞうならばばけつ)にみづくこと。これは内部ないぶ貴重品きちようひん蒸燒むしやきになるのをふせぐためである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
みねなかかせし今朝けさとはかはりてちゝかほいろいかにとばかり、折々をり/\やる尻目しりめおそろし、ちゝしづかに金庫きんこちしがやがて五十ゑんたば一つて、これは貴樣きさまるではなし
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これはふたつとも、わたしのいちばん大事だいじ道具どうぐのはいっている大戸棚おおとだなのかぎだ。これはふだん使わない金銀の皿を入れた戸棚のかぎだ。これは金貨きんかと銀貨をいっぱい入れた金庫きんこのかぎだ。
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
金庫きんこあし車止くるまどめをたしかにしてくこと。地震ぢしんのとき金庫きんこうごし、とびらがしまらなくなつたれいおほい。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
するといちばん年上としうえむすめが、その金庫きんこほうあるいていって、そのとびらをけました。そしてなかから、たくさんの金貨きんかったはこを、父親ちちおやのねているまくらもとにってきました。
青い時計台 (新字新仮名) / 小川未明(著)
村の銀行ぎんこう金庫きんこからも、ちょうど片手かたてでつかめるほどの金貨きんかと、紙できちんといた貨幣かへいとが、ふいに空中くうちゅういあがり、おどろく行員こういんをしりに、ふわふわとんで銀行ぎんこうをでてゆき
郵便爲替いうびんかはせにて證書面しようしよめんのとほりおおくり申候へども、りずば上杉うへすぎさまにて御立おたてかへをねがひ、諸事しよじ清潔きれいにして御歸おかへりなさるべく、かねゆへぢをおきなされては金庫きんこばんをいたす我等われらが申わけなく候
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)