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邁進
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まいしん
ふりがな文庫
“
邁進
(
まいしん
)” の例文
きのう
迄
(
まで
)
の僕とは、ちがうのだ。自信を
以
(
もっ
)
て
邁進
(
まいしん
)
しよう。
一日
(
いちにち
)
の
労苦
(
ろうく
)
は、
一日
(
いちにち
)
にて
足
(
た
)
れり。きょうは、なんだか、そんな気持だ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
他
(
ひと
)
から頼まれて男より
邁進
(
まいしん
)
する場合もあった。しかしそれは眼前に手で触れられるだけの
明瞭
(
めいりょう
)
な或物を
捉
(
つら
)
まえた時に限っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
而して燕王の豪傑の心を
攬
(
と
)
る
所以
(
ゆえん
)
のもの、実に王の
此
(
こ
)
の勇往
邁進
(
まいしん
)
、
艱危
(
かんき
)
を冒して
肯
(
あえ
)
て避けざるの
雄風
(
ゆうふう
)
にあらずんばあらざる也。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
けっして誤ることのないのは何事もなさない者ばかりである。生きたる真理のほうへ
邁進
(
まいしん
)
する
誤謬
(
ごびゅう
)
は、死んだ真理よりもいっそう
豊饒
(
ほうじょう
)
である。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
文壇
(
ぶんだん
)
の
論陣
(
ろんぢん
)
今や
輕
(
けい
)
佻
亂雜
(
らんざつ
)
卑
(
ひ
)
小に
流
(
なが
)
れて、
飽
(
あく
)
までも
所信
(
しよしん
)
に
邁進
(
まいしん
)
する
堂
(
どう
)
々たる
論客
(
きやく
)
なきを
思
(
おも
)
ふ時、
泡鳴
(
ほうめい
)
さんのさうした
追憶
(
ついおく
)
も
私
(
わたし
)
には
深
(
ふか
)
い懷しさである。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
かえって日本においてより外国での方が名声は
嘖々
(
さくさく
)
としている。進取
邁進
(
まいしん
)
した彼女のあとにつづいたものは一人もない。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
今にも
踏
(
ふ
)
んで巻きつかれるのだと観念し、絶望の勇気を振うて
死物狂
(
しにものぐるい
)
に
邁進
(
まいしん
)
したが、到頭直接接触の経験だけは免れた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
故に本来の人間性に矛盾した功利主義の排除こそ、はじめて子供たちをして正義に
邁進
(
まいしん
)
し、高邁な人たらしめる素地をつくることができるのである。
日本的童話の提唱
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
古往今来、あらゆる英雄豪傑は皆、
豪
(
えら
)
い者になろうと志を立ててから、その志に向って勇往
邁進
(
まいしん
)
したに相違ない。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
必死の兵六百余人がいのちを振りかざして、一角の突破に
邁進
(
まいしん
)
して来れば、その約四倍はある光忠の軍といえど、水も漏らさぬ包囲はなかなか保し難い。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とにかく一意直往
邁進
(
まいしん
)
すべきである。ひとよりいい商品を安く売ることだ。こうすれば金は自然にもうかる。金はもうからないのではなく、人がもうけないのだ。
私の履歴書:――放浪の末、段ボールを思いつく
(新字新仮名)
/
井上貞治郎
、
日本経済新聞社
(著)
自分らは先生を押し立て、先生を守って、神の国建設の事業に
邁進
(
まいしん
)
するのだ。先生、これからです。今、殺されるなどということをお考えになってはいけません。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
私どもは永遠の不朽の生命を深く信ずることによって、あくまでわれらに課せられた世界的使命たる、平和な文化国家の創造のために
邁進
(
まいしん
)
したいと思うのであります。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
親類を怒らせ、父母を泣かせて君が決然として哲学の門に
邁進
(
まいしん
)
したとき、私の心は勇ましく躍り立った。月日の立つのは早いものだ。君が
向陵
(
こうりょう
)
の人となってから、小一年になるではないか。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
諸君はこの新時代の新人として世に立つべく、大いに勇往
邁進
(
まいしん
)
すべきである。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
新子は、美沢と
交際
(
つきあ
)
ってから一年以上になるが、その間に美沢の欠点も美点も、すっかりのみ込んでいた。美沢が芸術至上で、自分の芸の完成にどんどん
邁進
(
まいしん
)
して行くところは好きだった。
貞操問答
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
かかる力に駆られて
邁進
(
まいしん
)
するジャン・クリストフは、ついにいかなる境地にたどりつくであろうか。フランス国外に逃亡した彼は、スイスにおいて、自分の恩人の妻と不思議な恋におちいった。
ジャン・クリストフ:01 序
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
未来の世界的王国の建設に向かって
邁進
(
まいしん
)
するローマの軍隊にすぎません。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
わざと
空
(
から
)
気合いを一つ投げて、直後! 泰軒めがけて
邁進
(
まいしん
)
すると同時に
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この超速航空機の設計については、五十嵐博士でなくては処理し得ない部分が非常に多かったが、それにも拘らず、学者達は万難を排して、五十嵐博士の遺業の完成に
邁進
(
まいしん
)
することを誓い合った。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
写生々々と技を練るに従って、その技も心と共に向上してゆくものであることを思えば、俳句を作るは
唯
(
ただ
)
写生という一路に
邁進
(
まいしん
)
すればよい。何物にも
囚
(
とら
)
われることなく唯
一途
(
いちず
)
に写生に邁進すればよい。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
笑われるといやだから、というよりは、なんだかもうこれからは、兄さんにあまり頼らず、すべて僕の直感で、独往
邁進
(
まいしん
)
したくなっていたのだ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ただ、吉水を仆せばよいのだ。吉水を仆せば、岡崎などは、そのついでに自滅する。もうくだらぬ暇つぶしはやめて、目的へ
邁進
(
まいしん
)
することこそ肝要である
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは一言にして云えば、民族
悉
(
ことごと
)
くが振るいたって、一つの目的に向かって
邁進
(
まいしん
)
しなければ到底駄目である。
現下に於ける童話の使命
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
第一にあなたがたは自分の個性が発展できるような場所に尻を落ちつけべく、自分とぴたりと合った仕事を発見するまで
邁進
(
まいしん
)
しなければ一生の不幸であると。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私どもは和衷協同の精神をもって、互いに愛しあい、
労
(
いた
)
わりあい、助け合って、すみやかにわが民族の理想である、平和な、文化国家の創造に
邁進
(
まいしん
)
すべきであります。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
自ら土に親しんで実生活に
邁進
(
まいしん
)
されるのはまことに頼もしい限りです。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
青春の道に
熟
(
う
)
れている毒の木の実、一度その甘き毒に触れ、飽くなき歓楽の陶酔に溺れてしまった春日新九郎は、あれ程までに
邁進
(
まいしん
)
して来た大願も、千浪が真心も
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
家庭の平和も大切ではあるが、理想に
邁進
(
まいしん
)
している男子にとっては、もっともっと外部に対しても強くならなければならぬ。きょう、学校へ行って、つくづくその事を痛感した。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
そうしてその緊張の極度はどこかで破裂するにきまっていた。破裂すれば、自分で自分の見識をぶち
壊
(
こわ
)
すのと同じ結果に
陥
(
おち
)
いるのは明暸であった。不幸な彼女はこの矛盾に気がつかずに
邁進
(
まいしん
)
した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
新九郎は初めて名師に会った感謝に
充
(
み
)
ち、修行の一道に
邁進
(
まいしん
)
したが、何せよ格式の高い将軍家の指南道場、新九郎のような末輩は、時たま試合の
陪観
(
ばいかん
)
を許されるの他
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのかわり理想とするところへは独往
邁進
(
まいしん
)
、着々と無言で進んでいる巨歩のあとが
窺
(
うかが
)
える。そのもっとも偉なのは、
上洛
(
じょうらく
)
朝拝の臣礼を、彼のみは怠らずにいることである。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
謙信はすでに、迷いなく、ここへ
邁進
(
まいしん
)
して来つつあるのに信玄は、事態の直前に、味方の布陣を
更
(
か
)
えなければならないという必要に——つまり
後手
(
ごて
)
に立たされてしまったのである。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わが大蜀の軍備はただその目的のために
邁進
(
まいしん
)
して来たものといっても過言ではない。朕、いま傾国の兵をあげ、昔日の盟を果たさんことを、あえて関羽の霊に告ぐ。汝ら、それを努めよ
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“邁進”の意味
《名詞》
邁進(まいしん)
勇み立って進むこと。
(出典:Wiktionary)
邁
漢検1級
部首:⾡
16画
進
常用漢字
小3
部首:⾡
11画
“邁”で始まる語句
邁往
邁
邁遍