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身悶
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みもだえ
ふりがな文庫
“
身悶
(
みもだえ
)” の例文
遂
(
つひ
)
に倒れし宮は再び
起
(
た
)
つべき力も失せて、唯声を
頼
(
たのみ
)
に彼の名を呼ぶのみ。
漸
(
やうや
)
く
朧
(
おぼろ
)
になれる貫一の影が一散に岡を登るが見えぬ。宮は
身悶
(
みもだえ
)
して
猶
(
なほ
)
呼続けつ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
白墨狂士は何とかしけむ、そのままどたどたと足を挙げて、苦痛に堪えざる
身悶
(
みもだえ
)
して、
呻吟
(
うめ
)
く声
吠
(
ほ
)
ゆるがごとし。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ま、ま、お前さん何でございます、手荒なことを。」と
婆
(
ばば
)
は居合腰に伸上って、
袂
(
たもと
)
を取って分けようとするのを、
身悶
(
みもだえ
)
して振払い、振向いて
屹
(
きっ
)
と見て
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
帯緊
(
おびし
)
めながら女はその
端
(
はし
)
を振りて
身悶
(
みもだえ
)
せるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「おお、おお、苦しいから
白魚
(
しらお
)
のような手を
掴
(
つか
)
み、足をぶるぶる。」と五助は自分で
身悶
(
みもだえ
)
して
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
身悶
(
みもだえ
)
して宮の
縋
(
すが
)
るを
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
(
否
(
いえ
)
ぢやあござんせぬ、それ、それ、お
法衣
(
ころも
)
の
袖
(
そで
)
に
浸
(
ひた
)
るではありませんか、)といふと
突然
(
いきなり
)
背後
(
うしろ
)
から
帯
(
おび
)
に
手
(
て
)
をかけて、
身悶
(
みもだえ
)
をして
縮
(
ちゞ
)
むのを、
邪慳
(
じやけん
)
らしくすつぱり
脱
(
ぬ
)
いで
取
(
と
)
つた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
よじって伸ばす白い
咽喉
(
のど
)
が、
傷々
(
いたいた
)
しく伸びて、
蒼褪
(
あおざ
)
める頬の色が見る見るうちに、その咽喉へ
隈
(
くま
)
を薄く
浸
(
にじ
)
ませて、
身悶
(
みもだえ
)
をするたびに、
踏処
(
ふみどころ
)
のない、つぼまった
蹴出
(
けだし
)
が乱れました。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(いえじゃあござんせぬ、それ、それ、お
法衣
(
ころも
)
の
袖
(
そで
)
が
浸
(
ひた
)
るではありませんか、)というと
突然
(
いきなり
)
背後
(
うしろ
)
から帯に手をかけて、
身悶
(
みもだえ
)
をして縮むのを、
邪慳
(
じゃけん
)
らしくすっぱり
脱
(
ぬ
)
いで取った。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
沼
(
ぬま
)
の
縁
(
ふち
)
へ
追迫
(
おひせま
)
られる、と
足
(
あし
)
の
甲
(
かふ
)
へ
這上
(
はひあが
)
る
三俵法師
(
さんだらぼふし
)
に、わな/\
身悶
(
みもだえ
)
する
白
(
しろ
)
い
足
(
あし
)
が、あの、
釣竿
(
つりざを
)
を
持
(
も
)
つた三
人
(
にん
)
の
手
(
て
)
のやうに、ちら/\と
宙
(
ちう
)
に
浮
(
う
)
いたが、するりと
音
(
おと
)
して、
帶
(
おび
)
が
辷
(
すべ
)
ると
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
といって、愛吉は椅子に
懸
(
かか
)
りながら
身悶
(
みもだえ
)
をして見せた、金之助はやけに
頤
(
あご
)
を
撫
(
な
)
でて
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と微笑を
泛
(
うか
)
べて
串戯
(
じょうだん
)
らしく、
身悶
(
みもだえ
)
をして迫りながら、桂木の
瞳
(
ひとみ
)
は
据
(
すわ
)
つた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
八口
(
やつくち
)
を
洩
(
も
)
る
紅
(
くれない
)
に、腕の白さのちらめくのを、振って
揉
(
も
)
んで
身悶
(
みもだえ
)
する。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蝶吉が
身悶
(
みもだえ
)
するのを、
主婦
(
おかみ
)
は構わず
擽
(
くすぐ
)
ったが、
吃驚
(
びっくり
)
して肩を抱いた。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
厭
(
いや
)
だ、厭だ。」と、しやにむに
身悶
(
みもだえ
)
して、
声高
(
こわだか
)
になると
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
不意
(
ふい
)
を
打
(
う
)
たれたやうに
叫
(
さけ
)
んで
身悶
(
みもだえ
)
をしたのは
婦人
(
をんな
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
悶
漢検準1級
部首:⼼
12画
“身”で始まる語句
身体
身
身上
身装
身扮
身體
身動
身長
身代
身分