しゃ)” の例文
せっかく、さい大臣の生辰綱しょうしんこう輸送の大役を果たしえても、後日、しゃの口からそんな讒訴ざんそ堂上どうじょうの耳に入れられたらすべては水の泡だろう。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先生は予がこのこうともないしをふか感謝かんしゃせらるるといえども、予の先生にうところ、かえってだいにしておおいしゃせざるべからざるものあり。
かれは、いえかえってから、だまっているうしが、なんでもよくわかっていることをさとって、こころから自分じぶんわるかったことをうししゃしたといいます。
ある男と牛の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しゃ蕪村、謝寅、謝長庚、謝春星など言へる、門弟にも高几董こうきとう阮道立げんどうりゅうなどある、この一事にても彼らが徂徠派の影響を受けしことあきらかなり。
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
僕は、そんなものを飲んでは恥だと思い、その厚意だけをしゃして、盃を卓子テーブルの上に置いた。そして博士の顔を探した。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ふたりが去ったあとで矢野は隣室へしゃした。隣室の法学生もおもしろい男で
廃める (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
かれは涼風のきたるごとに念仏して、心ひそかに学生の好意をしゃしたりき。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は我々の質問に対し懇切こんせつによく説明してくれたとしゃする。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
花謝人絶踪 はなしゃひとあとちて
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
老いの涙を垂らしていうしゃ執事の言に、嘘があろうとは思えない。怒髪どはつ天をく、とはまさにこれを耳にしたときの彼の形相といってよい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乙吉は幾度も係官の前に迷惑をかけたことをしゃし、屍体は持参じさん棺桶かんおけおさめ所持品は風呂敷ふろしきに包んで帰りかけた。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
安藤はってから三日めに、くるまを用意して自身じしんむかえにきた。花前は安藤のいうことをこばまなかった。いよいよ家をでるときには主人にも、ややひととおりのあいさつをして、厚意こういしゃした。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
暫遅春花謝 しばらおそ春花しゅんかしゃせん
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もう一名の付添い人、執事のしゃといえど、こんどの旅では楊志にむかって一切不満も愚痴も言いだせるものではなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
烏啼はそういって、探偵袋猫々に向って合掌がっしょうした。彼の両眼は義弟の更生こうせいしゃする涙にうるんでいた。
全能ぜんのう全力ぜんりょく正当せいとうにつくしてみて、それでもやぶれれば、まことに是非ぜひのないわけだ。男らしく、一とうの人の前へでて、つみしゃするよりほかにみちはない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かるくその厚意こういしゃしたうえで、れいの宿泊所問題につき、じぶんたちはロロー殿下とともに起きふしするのがいいと思うから、いっしょに地下室に入れてもらいたいと、その用件をのべた。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
伊那丸以下いなまるいかのひとびとは、あのそうどうのあったばんから、御岳みたけの一しゃ謹慎きんしんして、神前しんぜんをけがしたつみしゃすために、かわるがわる垢離堂こりどうの前で水垢離みずごりをとった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、房枝はニーナの好意をしゃしたが、そのとき気がついて
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ちと思うことがあるから、きょうは終日、たれにも会いたくない。そちは、なるべく門にいて、客をしゃす役にあたれ、もし、たって訪問を強請きょうせいするものが来たら、この詩を示してやれ」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれはなつかしくそれをながめ、また、秀吉ひでよしの好意をしゃさずにもいられない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
官兵衛は心からそれにしゃしたものの
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
広大恩徳しゃしがたし
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)