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はか
ふりがな文庫
“
諮
(
はか
)” の例文
始終を聞き終った総統の
晁蓋
(
ちょうがい
)
は「こいつ、どこか見どころがある」と宋江や呉用に
諮
(
はか
)
って、ひとまず段の身柄は泊中にとめておいた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
即ち人民一般の意嚮に聴くという制限を受くべきや、または君側二、三者の意見に
諮
(
はか
)
るという制限を受くべきやというような問題に帰する。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
渋江氏は比良野
貞固
(
さだかた
)
に
諮
(
はか
)
って、伊沢氏から還された書籍の主なものを津軽家の倉庫にあずけた。そして毎年二度ずつ
虫干
(
むしぼし
)
をすることに定めた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
上は信玄から下は茶堂、身分の高下を取り去って、一堂に集めて
諮
(
はか
)
ってみても、
悪疫蔓延
(
あくえきまんえん
)
を取り締まるべき、何んらの名案も浮かばないのであった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
重職会議へ極めて内々のお
諮
(
はか
)
りがありました。
御生家
(
ごせいか
)
の九条公爵の御分家たる
良致
(
りょうち
)
男爵を選考するようにとの、それは夫人よりの直接の御相談なのでした。
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
と、いう談合が円陣を作った各村の青年である牛方によって唱和されると、これを飼主に
諮
(
はか
)
って承諾を受ける。そこで、番組が定まった印に、拍手が起こるのだ。
越後の闘牛
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
外交の事迫るや、その出来事を朝廷に奏聞せり、奏聞するは則ち勅裁を仰ぐの
漸
(
ぜん
)
なり。和戦の議を諸侯に
諮
(
はか
)
れり、諸侯に諮るは、諸侯に左右せらるるの
階梯
(
かいてい
)
なり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
田山白雲に
諮
(
はか
)
って適当な名乗りを選択してもらうはずでしたが、白雲を待ちきれないうちに船が出てしまったものだから、当分は無名丸——で置くことにしました。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私も胸中を打ちあけ、一同に対策を
諮
(
はか
)
ったところ、店員側は何よりもまず閉店時間を、これまでより二時間延長し、日曜日も平日の時間通り営業することを希望した。
一商人として:――所信と体験――
(新字新仮名)
/
相馬愛蔵
、
相馬黒光
(著)
天皇は、百済王の上表を
聴召
(
きこしめ
)
して、諸臣に勅して、仏教信仰の可否を
諮
(
はか
)
り給うた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
処が実際二度までも
莫迦
(
ばか
)
に安いレムブラントに遭遇した。一度は一
磅
(
ポンド
)
と云ふ
価
(
あたひ
)
の為に買はなかつたが、二度目には友人の Gogin に
諮
(
はか
)
つた上、とうとうそれを手に入れる事が出来た。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かりに適したところであるとしても、それをみんなに
諮
(
はか
)
らないで、文庫だけを先に運んでしまうのはどういうものだろうか。彼はそんなふうに考えて、急には返事が出来なかったのである。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
このたびも逸早く自首して刑の軽減を
諮
(
はか
)
るのが至当であろうも、いまや自由にたいする烈々たる執着があり、一日といえども
囹圄
(
れいご
)
の中で消日するに耐えられぬから、思い切って失踪することにした。
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
この際意を決して沖縄を処分せん事を幕府に
諮
(
はか
)
った事がありました。
琉球史の趨勢
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
と小林さんが帰りがけに団さんに
諮
(
はか
)
った。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
左右の老将や謀臣に
諮
(
はか
)
ることもしなかったし、それを通じて
下知
(
げち
)
する法もとらずに、彼自身、こう唐突に号令を出したのであった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし敬が果して、茶山の
誨
(
をし
)
へた如くに、蘭軒を視ること尊属に同じく、これに内事を
諮
(
はか
)
つたかは疑はしい。少くも此の如き証跡は一も存してゐない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
これに反して第二は議会で決定した事を更に人民に
諮
(
はか
)
るもので、洋語レフェレンダムと称するものである。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
籌子お
裏方
(
うらかた
)
より直接のお
諮
(
はか
)
りを受けまして、重職の人々は、九条良致男爵を、初めて選考の会議に上すようになりました。それまでは、子爵以上とのみ考えていたのです。
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
彼はその経済を以て、同僚に
諮
(
はか
)
れり、同僚みな否とせり。彼は重ねて老中、若年寄、寺社奉行、勘定奉行、長崎奉行、大目付、御目付等の大
評定
(
ひょうじょう
)
を開けり。衆議みなこれを否とせり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
一族十数家を集めて、妹夫婦の処置を、その意見に
諮
(
はか
)
ってみるとしたら、どんな結論が、そこに出るか。おそらくは、こうなろう。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これより
先
(
さき
)
保は弘前にある母を呼び迎えようとして、藩の当路者に
諮
(
はか
)
ること数次であった。しかし津軽
承昭
(
つぐてる
)
の知事たる間は、西館らが前説を固守して許さなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
愚おもえらく、営中の事は事大小となく、ことごとくこれに
諮
(
はか
)
らば、かならずよく行陣をして
和睦
(
わぼく
)
し、優劣をして、所を得しめん。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「廿六日。嘔止。熱少衰。夜与立夫議転方。」
転方
(
てんはう
)
は榛軒が自らこれを森枳園に
諮
(
はか
)
つたのであらう。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
前夜もう、客の口からこの事を知った朱富は、奥に隠れている兄の
朱貴
(
しゅき
)
に
諮
(
はか
)
って「どうしたものか?」と、まったく顔色も失っていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前年廃藩の
詔
(
みことのり
)
が出て、承昭は東京におることになり、県政もまた
頗
(
すこぶ
)
る
革
(
あらた
)
まったので、保はまた当路者に
諮
(
はか
)
った。当路者は
復
(
また
)
五百の東京に
入
(
い
)
ることを阻止しようとはしなかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
かを思い余って、これを老臣たちに
諮
(
はか
)
り、老臣たちは、彼の意中をすでに
酌
(
く
)
んで、家中の衆議に懸けるまでもなく申し渡したのであった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天正十八年八月に家康は江戸に入つて、用水の
匱
(
とぼ
)
しきを憂へ、忠行に
諮
(
はか
)
つた。忠行乃ち仁治中北条泰時の故智を襲いで、多摩川の水を引くことを策した。今の多摩川上水が是である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
北国から帰るとすぐ、また菊亭
晴季
(
はるすえ
)
と
諮
(
はか
)
って、
豊臣
(
とよとみ
)
という
新姓氏
(
しんせいし
)
をたて、朝廷に
請
(
こ
)
うて、以後、豊臣秀吉と称することになった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後藤は香以の帰京を聞いて、先輩としてこれを饗せむと思い立ち、木場の岡田
竜吟
(
りゅうぎん
)
と云うものに
諮
(
はか
)
り、香以が昔の取巻、芳年、梅年、紫玉、竺仙等を駆り集め、香以を新橋の料理屋に招いた。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
愚おもえらく、宮中のこと、事大小となくことごとく以てこれに
諮
(
はか
)
り、しかる後施行せば必ずよく
闕漏
(
けつろう
)
を
裨補
(
ひほ
)
して広益するところあらん。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
官兵衛は常に陣中に在る竹中半兵衛重治に
諮
(
はか
)
った。戦陣のことについては半兵衛こそ遥かに自分以上の知識とかたく信じていたからである。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「こう敗軍をかさねたのも、ご辺の
義弟
(
おとうと
)
たる関羽が敵の中にあるため。……なんとか、そこにご辺として、思慮はあるまいか」と、
諮
(
はか
)
った。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いやそのことは、一存でまいらぬ。南の左近将監にも
諮
(
はか
)
って、のちほど解かせる。かならず解かせよう。
暫時
(
ざんじ
)
、待たれよ」
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そちもまた、いささか
儂
(
み
)
の心を
汲
(
く
)
み誤っているのではないか。いや、そもそもから、事は、そちにも
諮
(
はか
)
るべきであったろう。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
供奉
(
ぐぶ
)
のためには、なお幾そうもの大船を、先ごろから出雲沖に待機させてある——という吉致の口上だった。それも忠顕から帝へ
諮
(
はか
)
られた。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とはいえ、このことは、誰にも
諮
(
はか
)
らず、黙ってでもと、母子の思案は、とうに去年の秋から、きまっていたものではある。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
羽柴秀長は、藤堂高虎に
諮
(
はか
)
って、もう敵方も参ったであろうと、
能弁
(
のうべん
)
な一臣下を、使いとして、敵の
一拠点
(
いちきょてん
)
、丸山の陣へ
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わしの連れてきた
眷族
(
けんぞく
)
の中には、年頃の娘も大勢いる。ひとつ余興として
彼女
(
あれ
)
たちに踊らせ、その後で酌をさせようではないか」と、
諮
(
はか
)
った。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや、その何れにするかを、
諮
(
はか
)
っているのではない。自分の信念を、諸将にも、自分と同じ熱意まで信念させるために、云っているのであった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「曹操すら恐れて帰った。いま玄徳は蜀境に動いている。この時をおかず荊州へ進もうではないか」と、群臣に
諮
(
はか
)
った。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仲時は
天来
(
てんらい
)
の声を
享
(
う
)
けたように、すぐ飛んで帰ろうとした。一刻もはやく、時益と
諮
(
はか
)
って、その事を行おうと、とっさに、思い立ったからだった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(——急に、魏公が、あなたと
夏侯惇
(
かこうじゅん
)
のおふたりに内々密議を
諮
(
はか
)
りたいとのお旨である。すぐ府堂までお越しありたい)
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、義経の直臣たちは、先ごろ
諮
(
はか
)
り合って、鎌倉殿へ嘆願書をさし出していた。義経に対して何とぞ一日もはやく官途のご推挙を給わるようにと。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「燭が燈ったら、一同これへ寄れ。ただ今、敵方におる新介から、かような書面が届いたに依って、改めて
諮
(
はか
)
りたい」
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
にもかかわらず、このたびの出陣以後には、まだ
曾
(
かつ
)
て一度も、この元老の献言にも耳を
仮
(
か
)
したためしがない。また、特に
諮
(
はか
)
ろうともしないのであった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「楊松のいったとおりだ」と、いよいよ楊松を信頼して、何事も彼に
諮
(
はか
)
ったが、もう
南鄭
(
なんてい
)
も落城し、漢中市街は、曹軍の
鉄環
(
てっかん
)
につつまれんとしていた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
秀吉はこれを官兵衛に
諮
(
はか
)
ったが、官兵衛にも、名案はない。なぜならばその前日、家臣の吉田六郎太夫とそこを視察して、至難を知っていたからである。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は彼で、秀吉と
諮
(
はか
)
って、何か深謀を抱いてこれへ来たにちがいないが、人数も連れず、唯一人でこれへ帰って来たこそ、正に、絶好な機会というもの。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……実は、後になって、その辺がふと案じられて来たので、急に、まいちどその方どもに
諮
(
はか
)
ってみるわけじゃが
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
諮
常用漢字
中学
部首:⾔
16画
“諮”を含む語句
諮詢
諮問
相諮
諮諏