葉末はずゑ)” の例文
葉末はずゑにおくつゆほどもらずわらふてらすはるもまだかぜさむき二月なかうめんと夕暮ゆふぐれ摩利支天まりしてん縁日ゑんにちつらぬるそであたゝかげに。
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
のう、瀧口殿、葉末はずゑの露とも消えずして今まで立ちつくせるも、わらは赤心まごゝろ打明けて、許すとの御身が一言ひとこと聞かんが爲め、夢と見給ふ昔ならば
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
若草わかくさながら廣野ひろの一面いちめん渺茫べうばうとしてはてしなく、かすみけてしろ/″\と天中そらつきはさしのぼつたが、葉末はずゑかるゝわればかり、きつね提灯ちやうちんえないで
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「どうしたえ、口寄くちよせひとつやつてねえかえ」大勢おほぜいうちからしたものがあつた。あし葉末はずゑ微風びふうにもなびけられるやうこのためみなぞよ/\とまたさわいだ。群集ぐんしふうちにはおつぎもまじつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
葉末はずゑの色のめぬ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
若草わかくさながら曠野ひろの一面いちめん渺々べう/\としてはてしなく、かすみけてしろ/″\と、亥中ゐなかつきは、さしのぼつたが、葉末はずゑかるゝわればかり、きつね提灯ちやうちんえないで、時々とき/″\むらくものはら/\とかゝるやうに
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
秋萩あきはぎ葉末はずゑに置ける露のごと、あだなれども、中に寫せる月影はまどかなる望とも見られぬべく、今の憂身うきみをつらしとかこてども、戀せぬ前の越方こしかたは何を樂みに暮らしけんと思へば、涙は此身の命なりけり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
葉末はずゑ電燈でんとうしづくする。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)