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はずゑ
「どうしたえ、
口寄一つやつて
見ねえかえ」
大勢の
中から
切り
出したものがあつた。
葦の
葉末が
微風にも
靡けられる
樣に
此一
語の
爲に
皆ぞよ/\と
復騷いだ。
群集の
中にはおつぎも
交つて
居た。
若草ながら
曠野一面、
渺々として
果しなく、
霞を
分けてしろ/″\と、
亥中の
月は、さし
上つたが、
葉末を
吹かるゝ
我ばかり、
狐の
提灯も
見えないで、
時々むら
雲のはら/\と
掛るやうに