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脊丈
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せたけ
ふりがな文庫
“
脊丈
(
せたけ
)” の例文
大きな顔に大きな目鼻がついて、頬の
辺
(
あたり
)
に太い
皺
(
しわ
)
が刻まれていた。俗にいう一寸法師だった。大人の癖に子供の
脊丈
(
せたけ
)
しかなかった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
並
(
なみ
)
の大きさの、しかも、すらりとした
脊丈
(
せたけ
)
になって、しょんぼりした肩の処へ、こう、
頤
(
おとがい
)
をつけて、
熟
(
じっ
)
と客人の方を見向いた、その美しさ!
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
想ふにこの女子まだ十五ばかりなるべけれど、
脊丈
(
せたけ
)
伸びて
恰好
(
かつかう
)
なれば、
行酒女神
(
ヘエベ
)
の像の粉本とせんも似つかはしかるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
誠太郎は
此春
(
このはる
)
から中学校へ行き
出
(
だ
)
した。すると急に
脊丈
(
せたけ
)
が
延
(
の
)
びて
来
(
く
)
る様に思はれた。もう一二年すると声が
変
(
かは
)
る。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ハムレット、ここへお
坐
(
すわ
)
りなさい。厭なら、そのままでいい。わしも立って話しましょう。ハムレット、大きくなったね。もう、わしと
脊丈
(
せたけ
)
が同じくらいだ。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
嫩葉
(
わかば
)
の
萌
(
も
)
え出る木々の
梢
(
こずえ
)
や、草の
蘇
(
よみが
)
える黒土から、
咽
(
むせ
)
ぶような
瘟気
(
いきれ
)
を発散し、寒さに
怯
(
おび
)
えがちの銀子も、何となし
脊丈
(
せたけ
)
が伸びるような
歓
(
よろこ
)
びを感ずるのであった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
学校の体格検査によると
脊丈
(
せたけ
)
が一年のうちに二寸五分伸びたさうです。幼いものは皆育つて行きます。
身代り
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
ぐんぐん
脊丈
(
せたけ
)
は伸びて行くのに、古い着残りしかないので、形の整わないのはもとよりのことでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
その偶人は頭と胴と手足の三つに分けて、箱に入れてあったが、合わせると五尺二三寸の
脊丈
(
せたけ
)
になるのであった。金五郎はその時から狂人のようになって、夜も昼も暴れまわった。
偶人物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
不審
(
ふしん
)
といはゞ
不審
(
ふしん
)
もたつべきながら
子故
(
こゆゑ
)
にくらきは
親
(
おや
)
の
眼鏡
(
めがね
)
運平
(
うんぺい
)
が
邪智
(
じやち
)
ふかき
心
(
こゝろ
)
にも
娘
(
むすめ
)
は
何時
(
いつ
)
も
無邪氣
(
むじやき
)
の
子供
(
こども
)
伸
(
の
)
びしは
脊丈
(
せたけ
)
ばかりと
思
(
おも
)
ふか
若
(
も
)
しやの
掛念
(
けねん
)
少
(
すこ
)
しもなくハテ
中
(
なか
)
の
好
(
よ
)
かりしは
昔
(
むかし
)
のことなり
今
(
いま
)
の
芳之助
(
よしのすけ
)
に
何
(
なに
)
として
愛想
(
あいそ
)
の
盡
(
つき
)
ぬものがあらうか
娘
(
むすめ
)
はまして
孝心
(
かうしん
)
ふかし
親
(
おや
)
の
命令
(
いひつけ
)
ること
背
(
そむ
)
く
筈
(
はず
)
なし
心配無用
(
しんぱいむよう
)
と
勘藏
(
かんざう
)
が
注意
(
ちゆうい
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「おくんな。」と
言
(
い
)
つて、
藪
(
やぶ
)
の
下
(
した
)
をちよこ/\と
出
(
で
)
た、
九
(
こゝの
)
ツばかりの
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
。
脊丈
(
せたけ
)
より
横幅
(
よこはゞ
)
の
方
(
はう
)
が
廣
(
ひろ
)
いほどな、
提革鞄
(
さげかばん
)
の
古
(
ふる
)
いのを、
幾處
(
いくところ
)
も
結目
(
むすびめ
)
を
拵
(
こしら
)
へて
肩
(
かた
)
から
斜
(
なゝ
)
めに
脊負
(
せお
)
うてゐる。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
松子さんも、この一年のうちにめつきり
脊丈
(
せたけ
)
が伸び、お昼寝して起きても、もう泣くやうなことはありませんでした。お母さんの乳も飲まなくなりました。三郎さんも大きくなりました。
身代り
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
すると急に
脊丈
(
せたけ
)
が延びて来る様に思われた。もう一二年すると声が変る。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いったいに、弟妹たちは、この兄を甘く見ている。なめている
風
(
ふう
)
がある。長女は、二十六歳。いまだ嫁がず、鉄道省に通勤している。フランス語が、かなりよくできた。
脊丈
(
せたけ
)
が、五尺三寸あった。
愛と美について
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
一度胸を
伸
(
のば
)
して
後
(
うしろ
)
へ
反
(
そ
)
るやうにした今の様子で見れば、
瘠
(
や
)
せさらぼうた
脊丈
(
せたけ
)
、此の
齢
(
よわい
)
にしては
些
(
ち
)
と高過ぎる位なもの、すツくと立つたら、五六本
細
(
ほそ
)
いのがある
背戸
(
せど
)
の
榛
(
はん
)
の
樹立
(
こだち
)
の
他
(
ほか
)
に
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
脊
常用漢字
中学
部首:⾁
10画
丈
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
“脊丈”で始まる語句
脊丈恰好