ぐみ)” の例文
わたくしは遠江とおとうみ浜松はままつにご在城ざいじょうの、徳川家康とくがわいえやすさまのおんうちでお小姓こしょうとんぼぐみのひとり、万千代まんちよづきの星川余一ほしかわよいちというものでござります
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そんな事がわかるものか、俺は小泥棒を擧げに行つたんぢやねえ。十二ぐみ殘黨ざんたうが、何人來るか見に行つたんだ」
それからその輪を大きくして横に三つ日本の三つ輪と同じ様な形をこしらへた者もある。後ろに大きく一つ巻き上げたものもある。三つぐみのくるくる巻も少しはある。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
をとこ塵塚ちりづかさがす黒斑くろぶちの、ありてようなきものともゆべし、此界隈このかいわいわかしゆばるゝ町並まちなみ息子むすこ生意氣なまいきざかりの十七八より五にんぐみにんぐみこししやく八の伊達だてはなけれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「まあ、そんなところです。それから占部君うらべくんも秀才です。これは大株主の女婿です。矢っ張りそでぐみの名をはずかしめません。会長自身は好い加減なものですが、他の連中が秀才論の証明をしています」
秀才養子鑑 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
代助は固よりされる迄なにも考へずにゐる気であつた。び出されたら、ちゝ顔色かほいろと相談の上、又何とか即席に返事を拵らえる心ぐみであつた。代助はあながちちゝを馬鹿にする了見ではなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
署長しょちょうがうでぐみしてうなずいた。
出し公儀にても御詮議ごせんぎありし處更に請取うけとる人の出ることもなく一年ほどて後番人九助儀町役人共差添さしそへ町奉行所へまかり出べき旨差紙さしがみに付家主五人ぐみ名主同道にてまかり出けるは舊冬きうたう九助がひろひし金八十兩のこらず下し置れしにより九助始め町役人一同有難く頂戴ちやうだいして歸りことに九助はゆめかとばかり打悦うちよろこび居たりし處其夜子刻ねのこく頃廿四五の男番屋ばんや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これ、その日見物けんぶつのなかにまぎれこませておいた菊池半助配下はいか伊賀衆いがしゅう小具足こぐそく十手じってうでぞろい、変装へんそう百人ぐみの者たちであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
竹童はその声に、はじめてわれにかえったように、万千代のすがたと、あたりにれているとんぼぐみの少年たちを見まわした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)