“ぐみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:グミ
語句割合
茱萸78.0%
10.2%
胡頽子8.5%
菜萸1.7%
萸黄1.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
重陽の節に山に登り、菊の花または茱萸ぐみの実をんで詩をつくることは、唐詩を学んだ日本の文人が、江戸時代から好んでなした所である。
十九の秋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いやしくも父兄が信頼して、子弟の教育をゆだねる学校の分として、おんな小児こどもや、茱萸ぐみぐらいの事で、臨時休業は沙汰さたの限りだ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夏になるとその子をおぶって、野川のふちにある茱萸ぐみの実などを摘んで食べていたりした自分の姿もおもい出せるのであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
気になるのは唇が貝の蓋のように薄く、茱萸ぐみのように赤いこと、焚火に照らされておりながら、その顔色が蒼味を持って白く、気味悪いほどだということである。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
で、小松や満天星どうだん茱萸ぐみや、はぜ野茨のいばらなどで、丘のように盛り上がっている、藪の蔭に身をかくしながら、
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
竹童はその声に、はじめてわれにかえったように、万千代のすがたと、あたりにれているとんぼぐみの少年たちを見まわした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そんな事がわかるものか、俺は小泥棒を擧げに行つたんぢやねえ。十二ぐみ殘黨ざんたうが、何人來るか見に行つたんだ」
此界隈このかいわいわかしゆばるゝ町並まちなみ息子むすこ生意氣なまいきざかりの十七八より五にんぐみにんぐみ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
というと、とんぼぐみの中でも一番チビなお小姓余一、にわとりの死んだのを、竹のさきにかけて、万千代の手へわたした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
び出されたら、ちゝ顔色かほいろと相談の上、又何とか即席に返事を拵らえる心ぐみであつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
頼母のいる位置から、十数間離れた、胡頽子ぐみと野茨とのくさむらの横に、戸板が置いてあり、そこから、お浦が、獣のように這いながら、頼母の方へ、近づきつつあった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
胡頽子ぐみの灌木が行手を遮り、それを彼が迂廻まわった時、巣籠っていた山鳩が、光に驚いて眼を覚ました。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
胡頽子ぐみの樹の下で、お雪は腰をかがめて、冷い水を手にすくった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わが心いまだ落ちゐぬにくれなゐの胡頽子ぐみあきなふ夏さりにけり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
藪蚊やぶか彼等かれらけたあかあしはりして、しりがたはら胡頽子ぐみやううてふくれても、彼等かれらはちくりと刺戟しげきあたへられたときあわてゝはたとたゝくのみでげようともらぬかほである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
船から見て、おおよその見当はつけていたが、草木のともしいことはおどろくばかり、木と名のつくものは、国方くにがたで、菜萸ぐみといっているものの一尺ほどの細木、草はといえば、かやよし山菅やますげが少々、渚に近いところに鋸芝のこぎりしばがひとつまみほど生えているだけであった。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
わたくしはこの恩をしも唖で済ますのは忍びなくて、地蔵堂のまわりの野地を探し、寂しいけれども冬でも白い漏斗形の花をつけている苗代なわしろ萸黄ぐみの枝をひと束ほどに折り集め、材木店の勝手口にそっと置いて来ました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)