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たちふさ
ふりがな文庫
“
立塞
(
たちふさ
)” の例文
「滅相な。」と帳場を
背負
(
しょ
)
って、
立塞
(
たちふさ
)
がる
体
(
てい
)
に腰を掛けた。いや、この時まで、紺の
鯉口
(
こいぐち
)
に手首を
縮
(
すく
)
めて、
案山子
(
かかし
)
のごとく立ったりける。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そんなにいじめなくっても、と云おうとしたとき、うしろから来て追いぬいた浪人者が、おみやの前に
立塞
(
たちふさ
)
がったのである。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
素早く認めて、退屈男がずかずかと歩みよったかと見えましたが、ぬうっとその前に
立塞
(
たちふさ
)
がると、むしろ気味のわるい太い声で呼びかけました。
旗本退屈男:02 第二話 続旗本退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
私は
丁度
(
ちょうど
)
其処
(
そこ
)
を通り
掛
(
かかっ
)
て、驚いたとも驚くまいとも、
先
(
ま
)
ず表に
立塞
(
たちふさ
)
がって物も言わずに戸を
打締
(
ぶちし
)
めて、
夫
(
そ
)
れからそろ/\その家来殿に話したことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
二人は気味わる/\
路
(
みち
)
の中ばまで参ると、一
叢
(
むら
)
茂る杉林の蔭より出てまいる者を
透
(
すか
)
して見れば、面部を包みたる二人の
男
(
おのこ
)
、いきなり源次郎の前へ
立塞
(
たちふさ
)
がり
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
しまいには壮士みたいな奴が五六人、大手を拡げて行手に
立塞
(
たちふさ
)
がったりするようになったので、
流石
(
さすが
)
の断髪、男装令嬢も門外へ一歩も出られなくなってしまった。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
正面へ
立塞
(
たちふさ
)
がったのは銭形平次でした。この時平次は二十八歳、生れながらの精気五体に
充
(
み
)
ち充ちて、非凡の使い手岩根半蔵の前に
莞爾
(
かんじ
)
としておくれる色もありません。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
街灯の
灯
(
ひ
)
も
点
(
とも
)
つてゐない真ツ暗がりに、Kは自分の鼻先に
脊
(
せ
)
のひよろ高い男が
立塞
(
たちふさ
)
がつてゐるのを見たので、
酔
(
よ
)
つ
払
(
ぱらひ
)
がよくするやうにKは丁寧に帽子を取つてお辞儀をしたが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そこへ事務員らしい黒い男が飛び出して来て、大手を拡げて道の真ン中に
立塞
(
たちふさ
)
がった。
白妖
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
(彦三郎は無埋に振切つて行かうとするを、六郎兵衞は留める。おかんはうろ/\しながら權三を手招ぎし、なんとかしろと云ふ。權三ももう堪らなくなつて進み出で、彦三郎の前に
立塞
(
たちふさ
)
がる。)
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
Kは大股に歩いてBの前に
立塞
(
たちふさ
)
がった。
扉
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
急先鋒
(
きゅうせんぽう
)
の屠犬児、玄関へ乱入する、前面を
立塞
(
たちふさ
)
ぎて喰留むるは護衛の門番、「
退
(
すさ
)
れ、推参な!」というをも聞かず、無二無三に
推込
(
おしこ
)
めば
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
妙見堂は町はずれから五、六町いった山側にあるのだが、そのちょっと手前までいったとき、二人の男があらわれて、わたくしの前に
立塞
(
たちふさ
)
がった。
やぶからし
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
せせら笑う佐々波金十郎の前へ、どこから現れたか、光川左門太、押っ取り刀で
立塞
(
たちふさ
)
がりました。
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私の
寝室
(
へや
)
の入口一パイに
立塞
(
たちふさ
)
がって、二人の談判に耳を傾けていたが……むろんデッキ野郎の癖に、わざわざ親方の私の処へ押しかけて来る兼の利いた風な態度を憎んで
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と云うより早く、
遠見
(
とおみ
)
に張って居りました門弟
一人
(
いちにん
)
、一筋道に
立塞
(
たちふさ
)
がり
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかしそのとき、稽古着のままの平手がとびだして来、六尺棒を持って、その侍の前に
立塞
(
たちふさ
)
がった。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
摩耶われを見棄てざりしと、いそいそと立ったりし、肩に手をかけ、下に
居
(
お
)
らせて、女は前に
立塞
(
たちふさ
)
がりぬ。やがて近づく渠等の眼より、うたてきわれをば
庇
(
かば
)
いしなりけり。
清心庵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
行く手に
立塞
(
たちふさ
)
がつたのは、何時の間にやら其處に來て居たガラツ八の八五郎だつたのです。
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その一
刹那
(
せつな
)
、私は印度人の前に大手を拡げて
立塞
(
たちふさ
)
がった。……と思う間もなく
背後
(
うしろ
)
の
扉
(
ドア
)
から飛出したらしい、黄色いワンピースを着たアダリーが私の前に重なり合って突立った。
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と熊の前に
立塞
(
たちふさ
)
がり、両手を合せて拝んで居りまする。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うしろから足ばやに追いぬいた三人の黒い人影が、いきなり彼のゆくてに
立塞
(
たちふさ
)
がったのである。
野分
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それくらいのことは心得た後棒の若い者、
息杖
(
いきづえ
)
を取って花嫁の駕籠の前に
立塞
(
たちふさ
)
がりましたが、相手はその出鼻を
挫
(
くじ
)
くように、横合から飛出して、胸のあたりをドンと突きました。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
標本らしいものが一パイに並んだ
硝子
(
ガラス
)
戸棚の行列が
立塞
(
たちふさ
)
がっているが、反対に東側の半分の床は、薄いホコリを冠った一面のリノリウム張りになっていて、その中央に幅四五尺
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と
立塞
(
たちふさ
)
がるように、しかも、
遁
(
にが
)
すまいとするように、
框
(
かまち
)
一杯にはだかるのである。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ぼくもいちどやられました、道を歩いていたらいきなり
立塞
(
たちふさ
)
がって、あの拳骨を突き出してみせながら云うんです、頭がおかしいとは知ってましたがね、驚きましたよ」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それくらいのことは心得た後棒の若い者、
息杖
(
いきづえ
)
を取って花嫁の駕籠の前に
立塞
(
たちふさ
)
がりましたが、相手はその出鼻を
挫
(
くじ
)
くように、横合から飛出して、胸のあたりをドンと突きました。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
正面の頑丈な木の
扉
(
ドア
)
に、小児の頭ぐらいの
真鍮鋲
(
しんちゅうびょう
)
を一面に打ち並べた倉庫のような石造洋館が
立塞
(
たちふさ
)
がっている。残りの三方は巨大なコンクリート建築の一端で正方形に囲まれている。
冥土行進曲
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
とお道さんが、その前に
立塞
(
たちふさ
)
がった。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ぼくもいちどやられました、道を歩いていたらいきなり
立塞
(
たちふさ
)
がって、あの
拳骨
(
げんこつ
)
を突き出してみせながら云うんです、頭がおかしいとは知ってましたがね、驚きましたよ」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ヒラリと身を
翻
(
ひるがえ
)
したお滝、平次の袖の下を潜るように先へ
立塞
(
たちふさ
)
がって大手を拡げます。粋な潰し島田、
縮緬
(
ちりめん
)
の
花見衣
(
はなみぎ
)
、少し斜に構えて両手を開いたポーズは、銭形平次の眼にも型になっておりました。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
三好が白い歯を
剥出
(
むきだ
)
して笑い笑い又野の前に
立塞
(
たちふさ
)
がった。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と六郎右衛門が叫ぶより疾く、宇女が身を飜えして図書の前へ
立塞
(
たちふさ
)
がった……続けざまに二の矢、三の矢、四の矢、ふつふつと飛んでくる矢の、二本までが宇女の袖を貫いた。
三十二刻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
平次は飛鳥のごとく駆け抜けて、二人の前へ
立塞
(
たちふさ
)
がりました。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
馬上の一人がひらりと馬を下り、鞭を片手にづかづかとおゆきの前へ
立塞
(
たちふさ
)
がった。
峠の手毬唄
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
がつづく平次は、その前に
立塞
(
たちふさ
)
がっていたのです。
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
なおも側へ寄って急きたてようとすると、下僕が血相を変えて
立塞
(
たちふさ
)
がった。
武道宵節句
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
行手へ
立塞
(
たちふさ
)
がって大手を拡げたものがあるのです。
銭形平次捕物控:056 地獄から来た男
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
立塞
(
たちふさ
)
がる半太郎の鼻先へ、一人が白刃を突きつけながら喚いた。
無頼は討たず
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
が續く平次は、其前に
立塞
(
たちふさ
)
がつて居たのです。
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「おい」と助三郎が前へ
立塞
(
たちふさ
)
がった、「いまの言葉を取消せ」
末っ子
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
堺藤兵衛大手を拡げて
立塞
(
たちふさ
)
がりましたが
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
泰二郎は前へ
立塞
(
たちふさ
)
がった、彼は自分が抑えられなかった。
月の松山
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
八五郎は大手を拡げて
立塞
(
たちふさ
)
がりました。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と行手へ
立塞
(
たちふさ
)
がった。足をとめた侍が
だだら団兵衛
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
塞
常用漢字
中学
部首:⼟
13画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立出
立竦
立籠
立留