“福井(ふくゐ)” の例文
で其(そ)の望(のぞみ)を煽(あふ)るために、最(も)う福井(ふくゐ)あたりから酒(さけ)さへ飮(の)んだのでありますが、醉(よ)ひもしなければ、心(こゝろ)も定(きま)らないのでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
安井(やすゐ)は其後(そのご)一枚(まい)の端書(はがき)さへ寄(よ)こさなかつたのである。宗助(そうすけ)は安井(やすゐ)の郷里(きやうり)の福井(ふくゐ)へ向(む)けて手紙(てがみ)を出(だ)して見(み)た。けれども返事(へんじ)は遂(つひ)に來(こ)なかつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
と記(しる)して、一車(いつしや)の税銀(ぜいぎん)、一(いつ)ヶ月(げつ)八匁(はちもんめ)宛(づゝ)なりと載(の)せてある。勿論(もちろん)、金澤(かなざは)、福井(ふくゐ)などでは、俵藤太(たはらとうだ)も、頼光(らいくわう)、瀧夜叉姫(たきやしやひめ)も、まだ見(み)た事(こと)もなかつたらう。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
安井(やすゐ)は一先(ひとまづ)郷里(きやうり)の福井(ふくゐ)へ歸(かへ)つて、夫(それ)から横濱(よこはま)へ行(ゆ)く積(つも)りだから、もし其時(そのとき)には手紙(てがみ)を出(だ)して通知(つうち)をしやう、さうして成(な)るべくなら一所(いつしよ)の汽車(きしや)で京都(きやうと)へ下(くだ)らう、もし時間(じかん)が許(ゆる)すなら
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さて、取(と)るものも取(と)りあへず福井(ふくゐ)の市(まち)を出發(しゆつぱつ)した。これが鎭守府(ちんじゆふ)の病院(びやうゐん)に、夫(をつと)を見舞(みま)ふ首途(かどで)であつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おなじ年(とし)、冬(ふゆ)のはじめ、霜(しも)に緋葉(もみぢ)の散(ち)る道(みち)を、爽(さわやか)に故郷(こきやう)から引返(ひつかへ)して、再(ふたゝ)び上京(じやうきやう)したのでありますが、福井(ふくゐ)までには及(およ)びません、私(わたし)の故郷(こきやう)からは其(それ)から七里(り)さきの
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
柏崎海軍少尉(かしはざきかいぐんせうゐ)の夫人(ふじん)に、民子(たみこ)といつて、一昨年(いつさくねん)故郷(ふるさと)なる、福井(ふくゐ)で結婚(けつこん)の式(しき)をあげて、佐世保(させぼ)に移住(うつりす)んだのが、今度(こんど)少尉(せうゐ)が出征(しゆつせい)に就(つ)き、親里(おやざと)の福井(ふくゐ)に歸(かへ)り、神佛(しんぶつ)を祈(いの)り、影膳(かげぜん)据(す)ゑつつ座(ざ)にある如(ごと)く
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)