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禁裡
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きんり
ふりがな文庫
“
禁裡
(
きんり
)” の例文
信長の父信秀が、伊勢の
神垣
(
かみがき
)
へ
御仕
(
みつか
)
えしたり、
禁裡
(
きんり
)
への奉仕につとめたのも、要するに、こういう田野の人々と同じ心のものだった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わたくし
)
はもと
京
(
きょう
)
の
生
(
うま
)
れ、
父
(
ちち
)
は
粟屋左兵衞
(
あわやさひょうえ
)
と
申
(
もう
)
して
禁裡
(
きんり
)
に
仕
(
つか
)
えたものでございます。
私
(
わたくし
)
の
名
(
な
)
は
佐和子
(
さわこ
)
、二十五
歳
(
さい
)
で
現世
(
げんせ
)
を
去
(
さ
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
今さらあの制度を復活するとなると、当時幕府を代表して京都の方に
禁裡
(
きんり
)
守衛総督摂海
防禦
(
ぼうぎょ
)
指揮の重職にある慶喜の面目を踏みつぶすにもひとしい。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼の幼きや
土塊
(
どかい
)
を以て
宮闕
(
きゅうけつ
)
の状を
為
(
つく
)
り、曰く、これ織田信長が
禁裡
(
きんり
)
の荒廃を修繕したるに
擬
(
ぎ
)
するなりと。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
密勅があって以来、
禁裡
(
きんり
)
付きの下房どのと、国許にあるわれら同志とのあいだで、絶えず情報の交換があり、それについての急を要する合議が繰り返されていたのです。
失蝶記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
それでも
禁裡
(
きんり
)
に由緒ある本格の神楽師ならば、こうして浮浪の
大神楽
(
だいかぐら
)
みたように、軽々しくは通るまい。そうかといって、大神楽師にしては、この連中、品格があり過ぎる。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いいえいいえそれに妾の良人は、
禁裡
(
きんり
)
様方のお味方で、忠義なお方なのでございます」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
どんな紫もこの
紫根
(
しこん
)
の色より
気高
(
けだか
)
くはあり得ないでしょう。
禁裡
(
きんり
)
の色となっているのは自然なことのように感じます。惜しい
哉
(
かな
)
、色を出しにくかったり、日光に弱かったりする恨みはあります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
(
倭節用集
(
やまとせつようしゅう
)
、京師俟野通尚簒補)万人がそれを認めていた。天皇の名称は、「
禁裡
(
きんり
)
」、「
内裏
(
だいり
)
」、「
御門
(
みかど
)
」などとも、いわれている。それは「主権者ではないこと」を、はっきり示した文字である。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
兵馬
倥偬
(
こうそう
)
の中に、武人として、伊勢神宮を修理したり、
禁裡
(
きんり
)
の
築土
(
ついじ
)
の荒れたのをなげいて、御料を献じたりしていた人に、信長の父信秀がある。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
禁裡
(
きんり
)
守衛総督
摂海防禦
(
せっかいぼうぎょ
)
指揮の重職にあって、公武一和を念とし、時代の
趨勢
(
すうせい
)
をも見る目を持ったこの人は、何事にも江戸を主にするほど
偏頗
(
へんぱ
)
でない。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
……先年
竹内式部
(
たけのうちしきぶ
)
と申す処士が、
王覇
(
おうは
)
の説を唱えまして、
禁裡
(
きんり
)
様方の
威福
(
いふく
)
を計りましたところ、さっそく幕府方におかれましては、竹内様をはじめとして、徳大寺大納言様やその他の公卿衆に
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
夜は、
朝山日乗
(
あさやまにちじょう
)
、島田弥右衛門など、
禁裡
(
きんり
)
の造営に当っている奉行たちを呼びよせ、その
竣工
(
しゅんこう
)
の模様を聞きとって
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はい、
禁裡
(
きんり
)
様にござります」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一学
(
いちがく
)
もおなじようにすすぎをおえ、
神殿
(
しんでん
)
の
龕
(
がん
)
にみ
灯
(
あかし
)
をともした。ふとみると、そこに
禁裡
(
きんり
)
のみ
印
(
しるし
)
のある
状筥
(
じょうばこ
)
がうやうやしく三ぼうの上にのせられてある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いま、
禁裡
(
きんり
)
の楽寮に、
鼓
(
つづみ
)
を打つ吏員を欠いておると聞く。——近日、朝賀のご酒宴が殿上で行われるから、その折、禰衡をもちいて鼓を打たそうではないか。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「とはいえ、本能寺や二条の火の粉は、
禁裡
(
きんり
)
の
御苑
(
ぎょえん
)
にふりそそいだであろう。恐れ多いことではある」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いえいえ。
禁裡
(
きんり
)
御普請
(
ごふしん
)
の落成を拝し、その後、怠りがちの政務を
視
(
み
)
、かたがた御機嫌をお伺いに」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何よりもまた
禁裡
(
きんり
)
の
瑞気
(
ずいき
)
や堂上たちのよろこびが民心に
映
(
うつ
)
った。その民衆は口をあわせていう。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前田玄以は、京都の
所司代
(
しょしだい
)
をかね、
禁裡
(
きんり
)
、寺社の一切を奉行し、洛中洛外の諸事を裁判する。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わが朝でも、平安の頃よりは、
禁裡
(
きんり
)
殿上といわず、四民の家々でも、菊を見て心を楽しませ、菊酒を酌んで体を養う。またこの日、高きに登れば、幸いありといい
慣
(
なら
)
わしておる。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刀のぬぐいや
研
(
とぎ
)
をいたして、
禁裡
(
きんり
)
の
御剣
(
ぎょけん
)
まで承っておりまするが——常々師の光悦が申すことには——由来、日本の刀は、人を斬り、人を害すために鍛えられてあるのではない。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たまたま
禁裡
(
きんり
)
への参内でふと会っても、どことなくよそよそしい佐々木にすぎない。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……
禁裡
(
きんり
)
のうち、たれの申すところも、ほぼそのようなことにござりまして」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
汴城
(
べんじょう
)
城下、花の都。冬ながら宋朝文化
爛漫
(
らんまん
)
な千
街
(
がい
)
万戸
(
ばんこ
)
は、人の騒音と賑わいで、
彩霞
(
さいか
)
、煙るばかりであった。
禁裡
(
きんり
)
の森やら
凌烱閣
(
りょうけいかく
)
の
瑠璃瓦
(
るりがわら
)
は、八省四十八街のその
遠方此方
(
おちこち
)
にのぞまれる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御所の日常が——
禁裡
(
きんり
)
の
後宮
(
こうきゅう
)
生活というものが——まったく儀式化され、
粉飾化
(
ふんしょくか
)
され、そこに生きるものは、ただ、美しくて作法のよい人形のようでしかなかったので、二人は、野の土へ
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まず宮門に
乱
(
らん
)
の
平定
(
へいてい
)
を報告した後、庶民には善を施し、社寺には
供養
(
くよう
)
をすすめ、道路橋梁の工事を見たり、荒れすたれた
禁裡
(
きんり
)
の諸門をつくろうなど、さながら家の中心になってよく働く子が
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あいにく今日は、御用のため
禁裡
(
きんり
)
へ召されており、くれぐれ、よろしくと申しつかってまいりました。鎌倉入りの目ざましいおはたらきには、一同驚嘆申しあげており、また陣中では千寿王を
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もう、食物のある所は、寺院と、公卿と、
禁裡
(
きんり
)
しかないと、いい騒がれた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時に、建安の四年八月朔日、朝賀の酒宴は、
禁裡
(
きんり
)
の省台にひらかれた。曹操ももちろん、参内し、雲上の諸卿、朝門の百官、さては相府の諸大将など、綺羅星のごとく
賓客
(
ひんきゃく
)
の座につらなっていた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上京内裏
(
かみぎょうだいり
)
の東から南への馬場八町には、若草の色もまだ浅く、
柵
(
さく
)
のところどころの八尺柱は、
緋毛氈
(
ひもうせん
)
でつつまれていた。そして、
禁裡
(
きんり
)
東之御門外のあたりに、
御出御
(
ごしゅつぎょ
)
をあおぐ
行宮
(
あんぐう
)
は建てられてあった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六波羅
(
ろくはら
)
所属、
禁裡
(
きんり
)
大番役
(
おおばんやく
)
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
禁裡
(
きんり
)
の修築である。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
禁
常用漢字
小5
部首:⽰
13画
裡
漢検準1級
部首:⾐
12画
“禁裡”で始まる語句
禁裡仙洞
禁裡大番