相見あひみ)” の例文
見識けんしき迂闊うくわつ同根也どうこんなり源平げんぺい桃也もゝなり馬鹿ばかのする事なり。文明ぶんめいぜにのかゝらぬもの、腹のふくるゝものを求めてまざる事と相見あひみ申候まうしそろ。(十四日)
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
枕をも得挙えあげざりし病人の今かくすこやかに起きて、常に来ては親く慰められし人のかたくなにも強かりしを、むなし燼余じんよの断骨に相見あひみて、弔ふことばだにあらざらんとは
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
又々あらたあらた立直たてなほ奉行所ぶぎやうしよへ申上て昨夜さくや御成門へいたづら仕りしが南無阿彌陀佛なむあみだぶつと書しは淨土宗じやうどしうのともがらねたみしと相見あひみえ申候如何計申べしや何卒なにとぞ公儀こうぎ威光ゐくわう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
われはおん身のララなるを知る。昔はおん身とペスツムに相見あひみ、カプリに相見き。今この短き生涯にありて、幸にまた相見ながら、いかでか名告なのりあはで止むべき。我はおん身を愛す。
ついては、それあだか黄道吉辰くわうだうきつしんなれば、そろつて方々かた/″\婿君むこぎみにおむかまをすとふ。あせつめたくしてひとりづゝゆめさむ。くるをちて、相見あひみくちはするに、三人さんにんおなじうしていさゝかことなることなし。
甲冑堂 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やがて自害じがいいたしたと相見あひみえまする。
相見あひみそめしは、初夏はつなつ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
一生又相見あひみじと誓へるその人の顔の、おのれながめたりし色はく失せて、たれゆゑ今のべつえんなるも、なほ形のみは変らずして、にかの宮にして宮ならぬ宮と
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
榮燿ええうくらすやに相見あひみさふらふ、さるにても下男げなん下女げぢよどもの主人しゆじんあしざまにまをし、蔭言かげごとまをさぬいへとてはさらになく、また親子おやこ夫婦ふうふ相親あひしたしみ、上下しやうか和睦わぼくして家内かない波風なみかぜなく、平和へいわ目出度めでたきところはまれさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
互に憎し、口惜くちをしとしのぎを削る心のやいばを控へて、彼等は又相見あひみざるべしと念じつつ別れにけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)