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瓢
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ふくべ
ふりがな文庫
“
瓢
(
ふくべ
)” の例文
両側の山々には、春は桜、秋は紅葉が美しく、その季節には、
瓢
(
ふくべ
)
をさげた遊山客が、断崖の上の細道を、蟻の行列みたいに続くのだ。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
浪「貴方がお
誂
(
あつら
)
えだと申して
塵
(
ごみ
)
だらけの
瓢
(
ふくべ
)
を持ってまいりましたが、
彼
(
あれ
)
はお
花活
(
はないけ
)
に遊ばしましても余り
好
(
よ
)
い姿ではございません」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お重も、かまぼこも、
瓢
(
ふくべ
)
も、ちゃんともう用意ができているんだ。どこへ行くか知らねえが、今のうちに起きねえと犬に食わしちまいますぜ
右門捕物帖:28 お蘭しごきの秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
忽然
(
こつぜん
)
として現われ出でたのは、身のたけ数十
尋
(
ひろ
)
(一尋は六尺)もあろうかと思われる怪物で、手に一つの
瓢
(
ふくべ
)
をたずさえて庭先に突っ立った。
中国怪奇小説集:06 宣室志(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼を始め十人は、
籠手
(
こて
)
を枕に大地へ寝た。茂助は、もう水のない
瓢
(
ふくべ
)
を、手拭で巻いて、藤吉郎の枕にと、そっと主人の頭の下へ当てがった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
守
(
まも
)
る事
瓢
(
ふくべ
)
の如くと又口は
禍
(
わざは
)
ひの
門
(
かど
)
舌
(
した
)
は禍ひの
根
(
ね
)
と言る事
金言
(
きんげん
)
成
(
なる
)
かな瀬戸物屋忠兵衞
計
(
はか
)
らず八ヶ年
過去
(
すぎさり
)
たる事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
女の子は、老人の手から
瓢
(
ふくべ
)
を取って、ついこの下の沢に流るる清水を汲もうとて
山路
(
やまじ
)
をかけ下ります。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
小さな小さな二つの車輪、そいつを棒で
繋
(
つな
)
いだようなもので、
瓢
(
ふくべ
)
と云った方がよいかも知れない。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
渠はそのへんを泳いでいた魚類を五、六尾
手掴
(
てづか
)
みにしてむしゃむしゃ
頬張
(
ほおば
)
り、さて、腰に
提
(
さ
)
げた
瓢
(
ふくべ
)
の酒を
喇叭
(
らっぱ
)
飲みにした。
旨
(
うま
)
かった。ゴクリゴクリと渠は音を立てて飲んだ。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
蒲公英
(
たんぽぽ
)
の咲く
川堤
(
かわどて
)
に並んで腰を打ちかけ、お宮の
背後
(
うしろ
)
から揚る
雲雀
(
ひばり
)
の声を聞きながら、銀之丞が腰の
瓢
(
ふくべ
)
と盃を取出せば、千六は恥かしながら背負うて来た風呂敷包みの
割籠
(
わりご
)
を開いて
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「万右衛門、遠慮なくかさねろ」と七十郎は宿の者の話すのを聞きながして、
瓢
(
ふくべ
)
の酒を万右衛門にすすめた。かなりな大盃で、万右衛門は七兵衛の顔色をうかがいながら、むっつりと、黙って飲んだ。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
月夜よし二つ
瓢
(
ふくべ
)
の
青瓢
(
あをふくべ
)
あらへうふらへうと見つつおもしろ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
瓢
(
ふくべ
)
先生は、果たしてこの奇なる景観にうたれたとみえて、やがて
百獣店
(
ももんじだな
)
の一軒へ、ずッと寄って行ったかと思うと、その店先へ腰をおろした。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
後
(
あと
)
からギシ/″\やって参りまするから、
細路
(
ほそみち
)
ゆえ二人が
避
(
よ
)
ける、人足がよろけるとたんに丈助の持って居た蒔絵のしてある
瓢
(
ふくべ
)
へ、長持の棒ばなが当りましたから堪りません
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
瓢
(
ふくべ
)
の底まで飲み干してしまうと、いい気持で歩き出した。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
月夜よし二つ
瓢
(
ふくべ
)
の
青瓢
(
あをふくべ
)
あらへうふらへうと見つつおもしろ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
瓢
(
ふくべ
)
を投げ出して
縋
(
すが
)
りついたのは老人の
亡骸
(
なきがら
)
でした。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
水はもう
瓢
(
ふくべ
)
になかった。しかし
陽
(
ひ
)
出
(
い
)
づる雲の大海をながめながら
柏
(
かしわ
)
の葉でつつんだ
稗
(
ひえ
)
飯を喰う味は、生涯、忘れ得まいと思われるほど
美味
(
うま
)
かった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
軒の端や青き
瓢
(
ふくべ
)
にふる雨の雨あしほそくうちしぶきつつ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
瓢
(
ふくべ
)
を取り出して、水か、酒かを呑んで息をつぐ。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と、絶叫しながら、途中、敵の雑兵を斬って奪い取った槍の先へ、夜来、
携
(
たずさ
)
えて来た例の
瓢
(
ふくべ
)
をくくりつけたのを——塀越しに振り上げ振り上げしては呶鳴った。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
軒の端や青き
瓢
(
ふくべ
)
にふる雨の雨あしほそくうちしぶきつつ
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
瓢
(
ふくべ
)
の酒を立ち飲みしながら、彼は、
黄昏
(
たそが
)
れるのも忘れたように、山の奥へ奥へと
彷徨
(
さまよ
)
っていた。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宿
(
しゅく
)
へ入ると、
瓢
(
ふくべ
)
先生、左右に軒をつらねている名物屋を、しきりに
右顧
(
うこ
)
し
左眄
(
さべん
)
して、
干
(
ほ
)
し
岩魚
(
いわな
)
の味をたずね、
骨接薬
(
ほねつぎぐすり
)
の匂いをかぎ、
檜細工
(
ひのきざいく
)
や
干瓢屋
(
かんぴょうや
)
の軒さきにまで立ったが
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
突として、実に突として、
一彪
(
いっぴょう
)
の軍馬が、相国寺の門前にかたまったかと思うと、さらに、西、南、北から相流れ寄るものを、
千実
(
せんな
)
り
瓢
(
ふくべ
)
の下に集めて、忽ち都のただ中に、幾軍団もの勢揃いを起した。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今日は、
瓢
(
ふくべ
)
を
提
(
ひっさ
)
げ、大きな弁当を腰に
結
(
ゆ
)
いつけていた。
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、今日は、
瓢
(
ふくべ
)
に酒を持って来た」
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
瓢
漢検準1級
部首:⽠
17画
“瓢”を含む語句
瓢箪
瓢形
一瓢
瓢箪鯰
瓢箪形
瓢酒
瓢箪山
干瓢
青瓢箪
瓢箪池
瓢然
千瓢
瓢軽洒脱
酒瓢箪
瓢簟山
瓢逸
金瓢
瓢亭
瓢軽
乾瓢
...