“ふくべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フクベ
語句割合
64.3%
瓢箪17.9%
3.6%
3.6%
祝瓮3.6%
胡蘆3.6%
葫蘆3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
浪「貴方がおあつらえだと申してごみだらけのふくべを持ってまいりましたが、あれはお花活はないけに遊ばしましても余りい姿ではございません」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ちょうど紅葉もみじ時分で、王子おうじたきがわって瓢箪ふくべの酒を飲干して、紅葉を見にく者は、紅葉の枝へ瓢箪を附けて是をかつぎ、なりは黒木綿の紋付に小倉の襠高袴まちだかばかま穿いて
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あなたのふくべ」とお杉は云って、持っている瓠を見せた、「いつか預かったまま忘れていた瓠よ、お嬢さんのあがるおいしいお酒があるので、少し分けて持って来たんです」
そしてその腰掛で、ふくべに詰めて来た酒を飲んでいると、お杉があらわれたのだ。
私をあのふくべのような人間だと思ってもらっては困る。食用にもならず、ただぶらりとぶらさがっているあのふくべのような人間——どうして私がそんな無用な人間でいられよう。
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それに応じていそからは、長羅ながらを先駆に立てた一団が、花壇を突き破って宮殿の方へ突撃した。不弥の宮の群衆は、再びよいのように騒ぎ立った。松明は消えかかったまま酒盞うくは祝瓮ふくべと一緒に飛び廻った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
死者の口をもひらかしむべき胡蘆ふくべ水入みずいれ
見ると今、そこを渡ってくる驢馬ろばの上に、暖かそうな頭巾をかぶった老翁のすがたがある。身には狐の皮衣かわごろもをまとい、酒をいれた葫蘆ふくべを、お供の童子に持たせてくる。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)