狂氣きやうき)” の例文
新字:狂気
聞て狂氣きやうきの如くかなしみしかども又詮方せんかたも非ざれば無念ながらも甲斐かひなき日をぞ送りける其長庵は心の内の悦び大方ならずなほ種々さま/″\と辯舌を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なにわすてて、狂氣きやうきごとく、その音信おとづれてくと、おりうちやう爾時そのとき……。あはれ、草木くさきも、婦人をんなも、靈魂たましひ姿すがたがあるのか。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此樣こんつても其方そちらへの義理ぎりばかりおもつてなさけないことる、多少たせう教育けういくさづけてあるに狂氣きやうきするといふは如何いかにもはづかしいこと
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「何としたことか! 何といふ妄想まうざうが、私を襲つたのだらう? 何といふ嬉しい狂氣きやうきになつたのだらう?」
神樣かみさま佛樣ほとけさま奧樣おくさま日出雄樣ひでをさま御身おんみをおたすください。』とさけんだまゝ狂氣きやうきごとくにはしつた。
狂氣きやうきするほどなつかしく
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
聞れ吉兵衞其方は狂氣きやうきにても致したるや取留とりとめもなきこと而已のみやつかな然ながら千太郎は久八と兄弟なりとは如何の譯にて右樣の儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はなしを——或時あるときとんさんと一所いつしよえたことのある志賀しがさんがいて、西洋せいやう小説せうせつに、狂氣きやうきごと鉛筆えんぴつけづ奇人きじんがあつて、をんなのとはかぎらない
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
狂氣きやうきのやうにさはいでる。
君が狂氣きやうきのしをらしや。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
あはれ何時迄いつまで狂氣きやうきでも有まじ其内には正氣しやうきに成るべしとてつれ歸り是も隱居所いんきよじよへ入置つかはせしに追々おひ/\正氣に相成あひなりければ又々以前の如く産婦さんぷ取揚とりあげ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
普請小屋ふしんごや材木納屋ざいもくなやまへさけらず、與吉よきち狂氣きやうきごと大聲おほごゑで、このまへをもよばはつて歩行あるいたのである。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)