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ものみゆさん
ふりがな文庫
“
物見遊山
(
ものみゆさん
)” の例文
物見遊山
(
ものみゆさん
)
と
申
(
もう
)
してもそれは
至
(
いた
)
って
単純
(
たんじゅん
)
なもので、
普通
(
ふつう
)
はお
花見
(
はなみ
)
、
汐干狩
(
しおひがり
)
、
神社仏閣詣
(
じんじゃぶっかくもう
)
で……そんな
事
(
こと
)
は
只今
(
ただいま
)
と
大
(
たい
)
した
相違
(
そうい
)
もないでしょうが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
老婦人の多く集る諸種の会合はあっても、それは凡て
物見遊山
(
ものみゆさん
)
の変形で、老婦人同志の
奢侈
(
しゃし
)
と自慢の競進場たるに過ぎない。
姑と嫁について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
母親は、
物見遊山
(
ものみゆさん
)
にも行かず、着ものも買わない代りに月々の店の売上げ額から、自分だけの月がけ貯金をしていた。
鮨
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それは昔から江戸名所に関する案内記狂歌集絵本の
類
(
たぐい
)
の
夥
(
おびただ
)
しく
出板
(
しゅっぱん
)
されたのを見ても容易に推量する事が出来る。太平の世の武士町人は
物見遊山
(
ものみゆさん
)
を好んだ。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
つれて
物見遊山
(
ものみゆさん
)
に出かけていくという風でそういう
贅沢
(
ぜいたく
)
は自由に出来たのだそうにござりますからはたから見ればまことに気楽な境涯なのでござりまして
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
遊びに往ったといっても、それは
物見遊山
(
ものみゆさん
)
のためでなく、漂白して往ったもののように思われる。ところで、この魏土地に女主人で
袁
(
えん
)
を姓とする豪家があった。
碧玉の環飾
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
かくて十年、家附きの娘は気兼もなく、娘時代と同様、
物見遊山
(
ものみゆさん
)
に過していたが、
傾
(
かたむ
)
く時にはさしもの家も一たまりもなく、
僅
(
わず
)
かの
手違
(
てちが
)
いから没落してしまった。
明治美人伝
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
珍
(
めづ
)
らしく
家内中
(
うちゞう
)
との
觸
(
ふ
)
れに
成
(
なり
)
けり、
此
(
この
)
お
供
(
とも
)
を
嬉
(
うれ
)
しがるは
平常
(
つね
)
のこと、
父母
(
ちゝはゝ
)
なき
後
(
のち
)
は
唯
(
たゞ
)
一人の
大切
(
たいせつ
)
な
人
(
ひと
)
が、
病
(
やま
)
ひの
床
(
とこ
)
に
見舞
(
みま
)
ふ
事
(
こと
)
もせで、
物見遊山
(
ものみゆさん
)
に
歩
(
ある
)
くべき
身
(
み
)
ならず
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それにしても母に連れられて
物見遊山
(
ものみゆさん
)
に出歩いた享楽の日も、やがて終末を告げねばならなくなった。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
それで、やっぱり家にばかり、引込んでいるから、退屈をするのだろうと思って、その頃五ツか六ツになった娘を連れて、よく
物見遊山
(
ものみゆさん
)
に出かけるようになったのです。
ある恋の話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「然うさ。
物見遊山
(
ものみゆさん
)
の好きな方じゃないからな。病気にでも追い立てられなければ出掛けないよ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
良人が
物見遊山
(
ものみゆさん
)
は嫌いの性分で、休みの日には家にいるので、彼女もやはりそうしていた。
可愛い女
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
芝居や吉原に
打興
(
うちきょう
)
じようとする者、向島へ渡るものは枯草の情趣を味うとか、草木を愛して見ようとか、遠乗りに行楽しようとか、いずれもただ
物見遊山
(
ものみゆさん
)
するもののみであった。
亡び行く江戸趣味
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
さすがに
峡
(
かひ
)
と申すだけの事はありて、中々難渋な山道に候へども一同皆々元気にて、名所古蹟などを
訪
(
とぶ
)
らひつつ
物見遊山
(
ものみゆさん
)
のやうな心持にて旅をつづけ居り候、また人事にも面白き事多く
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
花時以外の
物見遊山
(
ものみゆさん
)
、春は亀戸の梅、天神の藤、四つ目の
牡丹
(
ぼたん
)
、夏は
入谷
(
いりや
)
の朝顔、堀切の菖蒲、
不忍
(
しのばず
)
の蓮、大久保の
躑躅
(
つつじ
)
、秋は
団子坂
(
だんござか
)
の菊、滝野川の紅葉、百花園の秋草、冬は枯野に雪見
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
平生の苦労
鬱散
(
うっさん
)
の為めに夫婦子供相伴うて
物見遊山
(
ものみゆさん
)
も妨なきことならん。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
世を忘れ人を離れて
父子
(
おやこ
)
ただ二人
名残
(
なごり
)
の遊びをなす今日このごろは、せめて小供の昔にかえりて、
物見遊山
(
ものみゆさん
)
もわれから進み、やがて消ゆべき
空蝉
(
うつせみ
)
の身には要なき
唐
(
から
)
織り物も、末は
妹
(
いもと
)
に
紀念
(
かたみ
)
の品と
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
何だか
暢気
(
のんき
)
な
物見遊山
(
ものみゆさん
)
にでも出掛ける様な、
併
(
しか
)
し心のどこかの隅には、今こうしているのは実は夢であって、夢のあちら側にもう一つの本当の世界が待っているのだという意識が、
蟠
(
わだかま
)
っている様な
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
おとめを二百円の
身
(
み
)
の
代金
(
しろきん
)
をだして、月三十円かの手当をやり、
物見遊山
(
ものみゆさん
)
にも連れ廻り、着ものもかってあてがった——後のことは分らないが、はじめの支出を書いた日記を、錦子に開いて見せて
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
今度
(
こんど
)
はその
時分
(
じぶん
)
の
物見遊山
(
ものみゆさん
)
のお
話
(
はなし
)
なりといたしましょうか。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
遊
常用漢字
小3
部首:⾡
12画
山
常用漢字
小1
部首:⼭
3画
“物見”で始まる語句
物見
物見櫓
物見高
物見車
物見台
物見松
物見隊
物見頭
物見行楽