“鬱散”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うっさん66.7%
うつさん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新女優のはは川上貞奴とならずに堅気かたぎな家の細君であって、時折の芝居見物に鬱散うっさんする身となっていたかも知れない。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
いまは大方に快癒かいゆ鬱散うっさんのそとあるきも出来候との事、御安心下されたく候趣、さて、ここに一昨夕、大夕立これあり、孫八老、みぎり某所墓地近くを通りかかり候折から、天地晦冥かいめい
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何の用意もないが、ご病後の鬱散うつさんじに、という軽い意味で、誘いには、御舎弟も共にとあったが、その師泰もろやす
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしもの事があっても困るが、日ごろの鬱散うつさんじに、あの子も、何か楽しみが無うてはなるまい。と言って、あれもおのれを忘れ、家を忘れ、名を忘れるほどの馬鹿でもあるまいし——
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)