鬱散うっさん)” の例文
新女優のはは川上貞奴とならずに堅気かたぎな家の細君であって、時折の芝居見物に鬱散うっさんする身となっていたかも知れない。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
いまは大方に快癒かいゆ鬱散うっさんのそとあるきも出来候との事、御安心下されたく候趣、さて、ここに一昨夕、大夕立これあり、孫八老、みぎり某所墓地近くを通りかかり候折から、天地晦冥かいめい
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
平生の苦労鬱散うっさんの為めに夫婦子供相伴うて物見遊山ものみゆさんも妨なきことならん。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人生五十年の旅路の鬱散うっさんには、かかる人生観、世界観の必要を感じ、相対的世界にありてすらも、かくのごとき愉快ある以上は、絶対的世界すなわち真正の理想世界の愉快はいかばかりならんかと
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)