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明地
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あきち
ふりがな文庫
“
明地
(
あきち
)” の例文
園生は、一重の垣を隔てて、畑造りたる裏町の
明地
(
あきち
)
に接し、
李
(
すもも
)
の木、ぐみの木、柿の木など、五六本の
樹立
(
こだち
)
あり。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その頃
小金井
(
こがねい
)
は
東片町
(
ひがしかたまち
)
に住んでいました。始めは
弓町
(
ゆみちょう
)
でしたが、家主が、「
明地
(
あきち
)
があるから」といって建ててくれたのです。弓町では二棟借りていました。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
その枝は四百一尺の
周囲
(
まわり
)
の
明地
(
あきち
)
をグルリと覆ふてゐる。一二二九年に此の木はもう余程年とつてゐた。其の時代の著述家に『大きなリンデン』と云はれてゐた。
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
或は車なんどを曳いて
普
(
あまね
)
く府下を横行なし、所々にて救助を得たる所の米麦又は
甘藷
(
さつまいも
)
の
類
(
たぐひ
)
を
件
(
くだん
)
の車に積み、もて帰りて便宜の
明地
(
あきち
)
に大釜を据ゑ白粥を焚きなどするを
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
嘉永板の
切絵図
(
きりえず
)
には金剛寺の裏手多福院に接する処
明地
(
あきち
)
の下を示して鶯谷とはしるしたり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
そこは林に囲まれた小さな
明地
(
あきち
)
で、小猿は緑の草の上を、
列
(
なら
)
んでだんだんゆるやかに、三べんばかり
廻
(
まわ
)
ってから、楢夫のそばへやって来ました。大将が鼻をちぢめて云いました。
さるのこしかけ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
先方
(
せんぱう
)
では
貴顕
(
きけん
)
のお
客様
(
きやくさま
)
ですから
丁寧
(
ていねい
)
の
取扱
(
とりあつか
)
ひでございましてお
上
(
かみ
)
の
方
(
かた
)
はお
二階
(
にかい
)
或
(
あるひ
)
は
奥座敷
(
おくざしき
)
といふので
私
(
わたくし
)
は
次
(
つぎ
)
の
室
(
ま
)
のお荷物の中の
少々
(
せう/\
)
ばかりの
明地
(
あきち
)
へ
寐
(
ね
)
かして
頂
(
いたゞ
)
く事に
相
(
あひ
)
なりました。
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
明地
(
あきち
)
のなかに植ゑた黄色や、赤の小さい瑪瑙のやうなのや、また大きな柿のやうなトマトを親しげに見まもりながら、またいつもの鶏が来てその實をつゝきはしないかと心をくばった。
雛鳥の夢
(新字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
母屋の方に廻つて見たが、元より不知案内の身の、何う為る事も出来ぬので、
寧
(
むし
)
ろ
足手纏
(
あしてまと
)
ひに為らぬ方が得策と、
其儘
(
そのまゝ
)
土蔵の前の
明地
(
あきち
)
に引返して、
只々
(
たゞ/\
)
その成行を傍観して居た。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
霜月の
酉
(
とり
)
には論なく門前の
明地
(
あきち
)
に
簪
(
かんざし
)
の店を開き、御新造に手拭ひかぶらせて縁喜の
宜
(
い
)
いのをと呼ばせる趣向、はじめは耻かしき事に思ひけれど、軒ならび素人の
手業
(
てわざ
)
にて
莫大
(
ばくだい
)
の
儲
(
もう
)
けと聞くに
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
爰に
運
(
はこ
)
び小西屋には裏手の
明地
(
あきち
)
へ更に武左衞門が
隱居所
(
いんきよじよ
)
を
營
(
いとな
)
み
普請
(
ふしん
)
出來
(
しゆつたい
)
の其の上は爰より
嫁入
(
よめいり
)
をさせんと計りぬ然るに大岡忠相ぬしは町奉行の身を
持
(
もち
)
て之が
𫥇人
(
なかうど
)
に立んと言しは元益等が
恨
(
うらみ
)
を
含
(
ふくま
)
んを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
饑饉年が来るから用心しなさいと言って、その晩、夜どおし
触書
(
ふれがき
)
をつくって諸方へ廻して、皆の者に勧めることには、
明地
(
あきち
)
や
空地
(
くうち
)
は勿論のこと、
木棉
(
わた
)
を植えた畑をつぶしてもいいから
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
中風
(
ちゅうぶ
)
でお悩みなすってから、動くことも出来なくおなりで、
家
(
うち
)
は広し、四方は
明地
(
あきち
)
で、穴のような処に住んでたもんだから、火事なんぞの心配はないのだけれど、
盗賊
(
どろぼう
)
にでも入られたら
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
霜月
(
しもつき
)
の
酉
(
とり
)
には
論
(
ろん
)
なく
門前
(
もんぜん
)
の
明地
(
あきち
)
に
簪
(
かんざし
)
の
店
(
みせ
)
を
開
(
ひら
)
き、
御新造
(
ごしんぞ
)
に
手拭
(
てぬぐ
)
ひかぶらせて
縁喜
(
ゑんぎ
)
の
宜
(
い
)
いのをと
呼
(
よ
)
ばせる
趣向
(
しゆこう
)
、はじめは
恥
(
はづ
)
かしき
事
(
こと
)
に
思
(
おも
)
ひけれど、
軒
(
のき
)
ならび
素人
(
しろうと
)
の
手業
(
てわざ
)
にて
莫大
(
ばくだい
)
の
儲
(
もう
)
けと
聞
(
き
)
くに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そしてもう森の中の
明地
(
あきち
)
に来ました。
よく利く薬とえらい薬
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“明地(
空地
)”の解説
空地または空き地(あきち)は、農地や宅地などの利用目的がなく放置された状態にある土地である。特に一般人が自由に使えるような状態になっている土地を指す。漢字表記では「明地、明き地」と表記する場合もある。また、法律用語としては「くうち」と読み、建築物の存在しない広場・公園・緑地・造成地・道路・駐車場などを指す。
(出典:Wikipedia)
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“明地”で始まる語句
明地闕国