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昆虫
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こんちゅう
ふりがな文庫
“
昆虫
(
こんちゅう
)” の例文
旧字:
昆蟲
臙脂虫
(
えんじむし
)
、油虫、
足長蜘蛛
(
あしながぐも
)
、二つの角のある尾を曲げて人をおびやかす黒い
昆虫
(
こんちゅう
)
の「鬼」。また物語にあるような怪物をも持っている。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
こおろぎや
蜘蛛
(
くも
)
や
蟻
(
あり
)
やその他名も知らない
昆虫
(
こんちゅう
)
の繁華な都が、虫の目から見たら天を摩するような緑色の
尖塔
(
せんとう
)
の林の下に発展していた。
芝刈り
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
よくするためには
蘡薁
(
えびづる
)
という
蔓草
(
つるくさ
)
の
茎
(
くき
)
の中に
巣食
(
すく
)
う
昆虫
(
こんちゅう
)
を捕って来て日に一
匹
(
ぴき
)
あるいは二匹
宛
(
ずつ
)
与えるかくのごとき手数を要する鳥を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
華車
(
きゃしゃ
)
な骨に石鹸玉のような薄い羽根を張った、身体の小さい
昆虫
(
こんちゅう
)
に、よくあんな高い音が出せるものだと、驚きながら見ていた。
城のある町にて
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
窓ガラスの外側で羽ばたきしてる
昆虫
(
こんちゅう
)
のように、コリーヌの面影が彼の心の外で飛び回っていたが、彼はそれを心の中にはいらせなかった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
さて私が前回に葉切り
蟻
(
あり
)
の話をしたのは、
昆虫
(
こんちゅう
)
社会にもなかなか経済の発達した者がいるという事を示さんがためであった。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
二十箇ほどのガス燈が小屋のあちこちにでたらめの間隔をおいて
吊
(
つる
)
され、夜の
昆虫
(
こんちゅう
)
どもがそれにひらひらからかっていた。
逆行
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
中年婦人はめがねのふちをつまんで、なにか珍しい
昆虫
(
こんちゅう
)
でもみつけたように、つくづくと春彦の顔を見まもり、あんたの田舎はどこかときいた。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
主な楽しみといえば、銃猟や
魚釣
(
さかなつ
)
り、あるいは
貝殻
(
かいがら
)
や
昆虫
(
こんちゅう
)
学の標本を捜しながら、なぎさを伝い桃金嬢の林のなかを通ってぶらつくことなどであった。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
既に歴史的自然によってそこに一つの課題が解かれたといい得ると共に(例えば
昆虫
(
こんちゅう
)
の眼ができたという如く)
絶対矛盾的自己同一
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
白い卵をかかえて、右往左往する
昆虫
(
こんちゅう
)
はそのまま人間の群集の混乱の姿だった。都市が崩壊し暗黒になってしまっている図が時々彼の夢には現れるのだった。
苦しく美しき夏
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
雨のため
傷
(
いた
)
められたに相異ないと、長雨のただ一つの
功徳
(
くどく
)
に農夫らのいい合った
昆虫
(
こんちゅう
)
も、すさまじい勢で発生した。
甘藍
(
キャベツ
)
のまわりにはえぞしろちょうが
夥
(
おびただ
)
しく飛び廻った。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
動物や
昆虫
(
こんちゅう
)
の保護色の原理を、色シャツの手早い取り替えという方法で応用したのである。ごく薄手のメリヤスだから、何枚重ねてもたいしてからだがふくらむわけではない。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
実に
不可思議千万
(
ふかしぎせんばん
)
なる
事相
(
じそう
)
にして、当時或る外人の評に、およそ生あるものはその死に
垂
(
なんな
)
んとして抵抗を試みざるはなし、
蠢爾
(
しゅんじ
)
たる
昆虫
(
こんちゅう
)
が百貫目の
鉄槌
(
てっつい
)
に
撃
(
う
)
たるるときにても
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
羊や
山羊
(
やぎ
)
や
蟹
(
かに
)
や
獅子
(
しし
)
や
昆虫
(
こんちゅう
)
のたぐいに
仮体
(
かたい
)
して、山河に飛散していたもろもろの星が、すっかりめいめいの意味をもって、ちゃあんとそれぞれ天空の位置にはめ込まれていた。
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
大
(
おお
)
きい、きれいなちょうだな。
小鳥
(
ことり
)
ぐらいあるかしらん。
弟
(
おとうと
)
が
見
(
み
)
つけたら、きっとつかまえてしまうだろう、
今年
(
ことし
)
の
夏
(
なつ
)
は、すばらしい
昆虫
(
こんちゅう
)
の
標本
(
ひょうほん
)
をつくるのだといっていたから。
黒いちょうとお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それはゼンマイ仕掛けの人形とはちがい、どう見ても
昆虫
(
こんちゅう
)
のような生きものに思えた。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
まっ暗なので、彼はまだ夢を見ているのかと思ったが、手探りで電燈のスイッチを
捻
(
ひね
)
ると、巨大な
昆虫
(
こんちゅう
)
のうずくまったように、緑のペンキで塗ったトラックが眼の前に浮かび上った。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
人間どもはどっさり御飯をつめ込んで、昼寝の夢をむさぼっていましたし、小鳥も鳴りをひそめていますし、
昆虫
(
こんちゅう
)
たちもたいていは日ざしを避けて、どこかへもぐり込んでいたほどでした。
夢がたり
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
草も木も
昆虫
(
こんちゅう
)
も、多数の生物は、空中に
渦巻
(
うずま
)
きのぼる生命の大火炎のひらめく言葉であった。すべてが喜びに叫んでいた。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
足下に草の間に見いださるる
昆虫
(
こんちゅう
)
を見てはその庭を愛し、頭の上に木の枝の間に見らるる星をながめてその庭を愛した。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかし、結局人間でも
昆虫
(
こんちゅう
)
でも植物でも、そうして死ぬることによって自分の生命を未来に延長させているのである。
沓掛より
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
専門の博物学者にはあらざれども、
昆虫
(
こんちゅう
)
の生活状態を研究することに特別の趣味を有しいたる人にて、この人が初めてこの葉切り蟻が
菌
(
きのこ
)
を培養しつつあることを発見したのである。
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
「この三角岳メトロポリスには、われわれ木のほかに、
昆虫
(
こんちゅう
)
、鳥、小さい
獣
(
けもの
)
、石などにも、人間と同じように考えたり、お話をうけたまわったり、ご返事できる者が、たくさんいるのですよ」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
昆虫
(
こんちゅう
)
も貞節でなければものの役には立たぬと見えて、後妻を
娶
(
めと
)
ったり再嫁したやつは、薬になる資格さえ無いというわけである。けれども、それを捜すのに、自分はそんなに骨を折らなくてすんだ。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ことに
昆虫
(
こんちゅう
)
学者として、その
蒐集
(
しゅうしゅう
)
と著述とが知られている。
黄金虫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
うっかりすると目を突きそうである。また雑草の林立した廃園を思わせる。
蟻
(
あり
)
のような人間、
昆虫
(
こんちゅう
)
のような自動車が生命の営みにせわしそうである。
銀座アルプス
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そこの緑の楽しい影のうちでは、汚れに染まぬ数多の声が静かに人の魂に向かって語っており、小鳥の
囀
(
さえず
)
りで足りないところは
昆虫
(
こんちゅう
)
の羽音が補っていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
ただ、
昆虫
(
こんちゅう
)
や青虫など、たえず森をかじって破壊する無数の生物の、神秘な
蠢動
(
しゅんどう
)
の音が聞えるばかりだった——決してやむことのない規則正しい死の
息吹
(
いぶ
)
きである。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ある学者の説によると、動物界が進化の途中で二派に分かれ、一方は外皮にかたいキチン質を備えた
昆虫
(
こんちゅう
)
になり、その最も進歩したものが蜂や
蟻
(
あり
)
である。
簔虫と蜘蛛
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
歯朶
(
しだ
)
、毛蕊花、
毒人参
(
どくにんじん
)
、
鋸草
(
のこぎりそう
)
、じきたりす、丈高い雑草、淡緑のラシャのような広い葉がある斑点のついた大きな植物、
蜥蜴
(
とかげ
)
、
甲虫
(
かぶとむし
)
、足の早い
臆病
(
おくびょう
)
な
昆虫
(
こんちゅう
)
など、様々なものを呼び集め
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
もしや
昆虫
(
こんちゅう
)
かあるいは鳥類の群れが飛び立つ音ではないかと思ってみたが、しかしそれは夜半の事だというし
怪異考
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
戦争のないうちはわれわれは文明人であるが戦争が始まると、たちまちにしてわれわれは野蛮人になり、獣になり鳥になり魚になりまた
昆虫
(
こんちゅう
)
になるのである。
からすうりの花と蛾
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
昆虫
(
こんちゅう
)
や鳥獣でない二十世紀の科学的文明国民の愛国心の発露にはもう少しちがった、もう少し合理的な様式があってしかるべきではないかと思う次第である。
天災と国防
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
科学者がある物質を強い電場や磁場に置いてみたり、ある
昆虫
(
こんちゅう
)
を真空や高圧の中にいれてみたりする。
映画雑感(Ⅱ)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「
昆虫
(
こんちゅう
)
の生活」という書物を読んだ時に、
地蜂
(
じばち
)
のあるものが蜘蛛を攻撃して、その毒針を正確に蜘蛛の胸の一局部に刺し通してこれを
麻痺
(
まひ
)
させるという記事があった。
簔虫と蜘蛛
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
たとえば
昆虫
(
こんちゅう
)
の生活といったようなものは人間の義理人情とはなんの関係もないことである。「植物社会学」の教科書の記事は、人間の社会生活と一糸の連絡もない。
科学と文学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
猿
(
さる
)
や鳥などが、その食料とするいろいろの
昆虫
(
こんちゅう
)
の種類によって著しい好ききらいがあって、その見分けをある程度までは視覚によってつけるらしいということが知られている。
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
昆虫
(
こんちゅう
)
の標本を集めたり
植物腊葉
(
しょくぶつさくよう
)
を作ったり、ビールびんで水素を発生させ「歌う炎」を作ろうとして誤って爆発させたり、幻燈器械や電池を作りそこなったりしていたのである。
科学と文学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
しかしあらゆる現代科学の極致を尽くした器械でも、人間はおろか動物や
昆虫
(
こんちゅう
)
の感官に備えられた機構に比べては、まるで話にもならない粗末千万なものであるからおかしいのである。
試験管
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
昆虫
(
こんちゅう
)
の研究者が蝶や
蟻
(
あり
)
でも研究するように、この小略奪者たちの習性を研究する目的でいろいろの実験をしてみればきっとおもしろくまた有益だろうと思うが、自分にそれほどの暇も熱心もない。
路傍の草
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
不毛の地に最初の草の種が芽を出すと、それが
昆虫
(
こんちゅう
)
を呼び、昆虫が鳥を呼び、その鳥の
糞粒
(
ふんりゅう
)
が新しい植物の種子を輸入する、そこにいろいろの獣類が移住を始めて次第に一つの「社会」が現出する。
日本人の自然観
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
今
鋏
(
はさみ
)
のさきから飛び出す
昆虫
(
こんちゅう
)
の群れをながめていた瞬間に、突然ある一つの考えが脳裏にひらめいた。それは別段に珍しい考えでもなかったが、その時にはそれが唯一の真理であるように思われた。
芝刈り
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
まだ小学校に
通
(
かよ
)
ったころ、
昆虫
(
こんちゅう
)
を集める事が友だち仲間ではやった。
花物語
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“昆虫”の解説
昆虫(こんちゅう、insect)は、六脚亜門の昆虫綱(学名: Insecta)に分類される節足動物の総称である。昆虫類とも総称されるが、これを昆虫と内顎類を含んだ六脚類の意味で使うこともある。
かつては全ての六脚類が昆虫に含められていたが、分類体系が見直され、現在は内顎類(内顎綱)の分類群(トビムシ、カマアシムシ、コムシ)が除外される。この記事ではこれら内顎類にも触れる。
(出典:Wikipedia)
昆
常用漢字
中学
部首:⽇
8画
虫
常用漢字
小1
部首:⾍
6画
“昆虫”で始まる語句
昆虫学
昆虫記
昆虫標本
昆虫生活
昆虫生態学者