たは)” の例文
旧字:
唱へながら引かれしとぞ此時お熊のたるより世の婦女子ふぢよしぢやうは不義のしまなりとてきらひしはたはれ事の樣なれども貞操ていさうこゝろともいふべし然るを近來ちかごろ其事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たはわざなせそ」は、たわわざをするな、巫山戯ふざけたまねをするな、というので、「うちしなりてぞ妹は、たはれてありける」(巻九・一七三八)の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
菊枝 何とたはけた事をいふ人ぢや。妾はさきから、まことか、真かと聞いておぢやつたのに。おとましいことぢや。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
と小林氏の子息に私語さゝやき申しさふらふ。光るにたはぶるると覚えて心もうれしくさふらひき。この港に許嫁いひなづけを見給ふ三人みたりの花嫁の君の顔のぞき見ずやと云ふ人のありしはたれさふらひけん。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ぢやうさまはそれほどまでに雪三せつざうちからおぼしめしてか、それとも一のおたはむれか、御本心ごほんしんおほけられたしとむるを、糸子いとこホヽとわらひて松野まつのひざかるきつ、たはむれかとはだけあさ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
併し、「たはわざなそ」という句は、悪い調子を持っていて慈心じしんが無い。とげとげしくて増上ぞうじょう気配けはいがあるから、そこに行くと家持の歌の方は一段と大きくつ気品がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
聞者哉きくものかな其趣そのおもむきならば汝は立派な好男子也いゝをとこなり併しながら忠兵衞妻は餘程よほど好者ものずきなりとたはふれられしかば長庵眞顏まがほにていやさ世には相縁あひえん奇縁きえんと申事も御座候と申けるは如何にも不敵々々ふて/\しき曲者なり越前守殿如何に忠兵衞長庵の申立而已のみにては胡亂うろんなり先月中旬ちうじゆんころ其方がつま富儀とみぎ長庵と密通みつつうの場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いざどもたはわざな天地あめつちかためしくにぞやまと島根しまねは 〔巻二十・四四八七〕 藤原仲麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)