心靜こゝろしづ)” の例文
新字:心静
聞夫婦は増々ます/\よろこ心靜こゝろしづかに逗留とうりういたしけるうち早くも十日程立疵口もやゝ平癒へいゆして身體も大丈夫になりければ最早江戸表へ出立せんと申に亭主八五郎は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もう何事なにごとおもひますまいおもひますまいとて頭巾づきんうへからみゝおさへていそあし五六歩ごろつぽかけいだせば、むね動悸どうきのいつしかえて、心靜こゝろしづかにえていろなきくちびるにはひやゝかなるみさへうかかびぬ。
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
學院がくゐんつかはして子弟していともなはしむれば、なるがゆゑ同窓どうさうはづかしめらる。さら街西がいせい僧院そうゐんりてひと心靜こゝろしづかにしよましむるに、ることわづかじゆんなるに、和尚をしやうのために狂暴きやうばううつたへらる。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ますにわたかぜさだかにきこえぬさて追手おつてにもあらざりけりおたか支度したく調とゝのひしか取亂とりみださんはのちまでのはぢなるべし心靜こゝろしづかにといましめることばふるひぬいたましゝ可惜あたら青年せいねんはなといはゞつぼみえだいまおこらん夜半よは狂風きやうふう
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)