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りちぎ
ふりがな文庫
“
律儀
(
りちぎ
)” の例文
(
脚
(
あし
)
早くて。とっても。)(
若
(
わか
)
いがら
律儀
(
りちぎ
)
だもな。)
嘉吉
(
かきち
)
はまたゆっくりくつろいでうすぐろいてんを
砕
(
くだ
)
いて
醤油
(
しょうゆ
)
につけて食った。
十六日
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
すんなりと、送って出た雪之丞を、あとにのこして、闇太郎、さも
律儀
(
りちぎ
)
な職人らしく、寒夜に、肩をすくめるようにして、出て行った。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
また女にへんに
律儀
(
りちぎ
)
な一面も持っていて、女たちは、それ
故
(
ゆえ
)
、少しも心配せずに田島に深くたよっているらしい様子。
グッド・バイ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
律儀
(
りちぎ
)
一方の利兵衛はくり返して頼んで帰った。こうなると、三社祭りなどは二の次にして、半七はまず山城屋の問題を研究しなければならなかった。
半七捕物帳:13 弁天娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
律儀
(
りちぎ
)
そうなHさんはそんな事を私に言ったが、こういうごく普通の信者に過ぎないような人にとっても、こちらで
他所者
(
よそもの
)
として冬を過しているうちには
木の十字架
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
と紺の
鯉口
(
こいぐち
)
に、おなじ幅広の前掛けした、
痩
(
や
)
せた、色のやや青黒い、陰気だが
律儀
(
りちぎ
)
らしい、まだ三十六七ぐらいな、五分刈りの男が丁寧に
襖際
(
ふすまぎわ
)
に
畏
(
かしこ
)
まった。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あれは忠義者でございます——もう十年以上もこの家に奉公して居りますが、珍らしい
律儀
(
りちぎ
)
もので」
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、呆れ顔から吐息をもらしていると、まず第一の挨拶が、きょう一日のお城の無事と、主君の消息を告げることであったので、
律儀
(
りちぎ
)
な又右衛門は、それに対して
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「お返しとはどういうお返しなんでしょう。いつからそんな
律儀
(
りちぎ
)
なお前様になったのでしょうねえ」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ただ
律儀
(
りちぎ
)
な太陽は私にかまわずだんだんに低くたれ下がって行って景色の変化があまりに急激になって来るので、いいかげんに切り上げてしまわなければならなかった。
写生紀行
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
仮の一夜の伴侶を求むるにも、男は必ずこの順序を
履
(
ふ
)
もうとしたことは、彼らにも不似合いな
律儀
(
りちぎ
)
さであった。こういう奇妙な慣習は突如として起こり得るものでない。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
あのお子が悪者の手にかかってお果てなされなければならない
破目
(
はめ
)
に
立到
(
たちいた
)
ったのを、色々苦心の末に、この山奥にお捨て申して、
律儀
(
りちぎ
)
な百姓の手に御養育いたさせたのだ。
三人の百姓
(新字新仮名)
/
秋田雨雀
(著)
きわめてだいたいの
輪郭
(
アウトライン
)
だけを申し上げるならば、この物語を話してくれた当の目撃者である主人公というのは当年五十五歳、いかにも
律儀
(
りちぎ
)
な田舎の商店の主人公にふさわしく
蒲団
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
しかも田舎にて昔なれば藩士の
律儀
(
りちぎ
)
なる者か、今なれば豪家の秘蔵息子にして、生来浮世の空気に触るること少なき者に限るが如し。これらの例をかぞうれば枚挙にいとまあらず。
経世の学、また講究すべし
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
わざわざ荷になるほど大きい
鑵入
(
かんいり
)
の菓子を、
御土産
(
おみやげ
)
だよと
断
(
ことわ
)
って、
鞄
(
かばん
)
の中へ入れてくれたのは、
昔気質
(
むかしかたぎ
)
の
律儀
(
りちぎ
)
からではあるが、その奥にもう一つ実際的の用件を
控
(
ひか
)
えているからであった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
埋めて行心の正直
律儀
(
りちぎ
)
者昔しも今も町家には
例
(
ため
)
し少なき忠義なり是皆村井長庵が
惡業
(
あくげふ
)
の爲所にして西も東も知らぬ若者の千太郎を
欺
(
あざむ
)
き多くの人に難儀を掛ること
人面
(
にんめん
)
獸心
(
じうしん
)
の
曲者
(
くせもの
)
なり長庵が惡事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
七兵衛はお松の説明のあとをついで、やはり
律儀
(
りちぎ
)
な百姓の
口調
(
くちょう
)
で
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ここに
桑盛次郎右衛門
(
くわもりじろうえもん
)
とて、隣町の裕福な質屋の
若旦那
(
わかだんな
)
、
醜男
(
ぶおとこ
)
ではないけれども、鼻が大きく
目尻
(
めじり
)
の垂れ下った何のへんてつも無い
律儀
(
りちぎ
)
そうな
鬚男
(
ひげおとこ
)
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
與曾平
(
よそべい
)
は、
三十年餘
(
みそとせあま
)
りも
律儀
(
りちぎ
)
に
事
(
つか
)
へて、
飼殺
(
かひごろし
)
のやうにして
置
(
お
)
く
者
(
もの
)
の
氣質
(
きだて
)
は
知
(
し
)
れたり、
今
(
いま
)
の
世
(
よ
)
の
道中
(
だうちう
)
に、
雲助
(
くもすけ
)
、
白波
(
しらなみ
)
の
恐
(
おそ
)
れなんど、あるべくも
思
(
おも
)
はれねば、
力
(
ちから
)
はなくても
怪
(
け
)
しうはあらず
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、家中でも云われるくらいに、
律儀
(
りちぎ
)
一方で、家運をもりかえした人物なのだ。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尋
(
たづ
)
ぬるに武州
埼玉郡
(
さいたまごほり
)
幸手宿
(
さつてじゆく
)
に
豪富
(
がうふ
)
の聞え高き
穀物
(
こくもつ
)
問屋
(
とんや
)
にて
穀屋
(
こくや
)
平兵衞と言者あり家内三十餘人の
暮
(
くら
)
しなるが此平兵衞は
正直
(
しやうぢき
)
律儀
(
りちぎ
)
の
生質
(
うまれつき
)
にて
情深
(
なさけぶか
)
き者なれば人を
憐
(
あはれ
)
み
助
(
たすく
)
ることの多きゆゑ人
皆
(
みな
)
其徳
(
そのとく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
江戸中の大きな
鍛冶屋
(
かじや
)
たちに、鉄砲造りを仰せつけるとき、その検分の役に廻されたそのそばに、
何時
(
いつ
)
もついていた家の父親——
衣笠貞之進
(
きぬがさていのしん
)
というのだが、
律儀
(
りちぎ
)
の根性から、これも一生懸命になって
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
いわゆる
唐制
(
とうせい
)
採択という意識した大改革以外にも、さまで人を驚かさざりし色々の省略と追加があったことが、そんなはずはないという
律儀
(
りちぎ
)
な断定を超越して、次々と注意せずにはいられなくなった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
と声をかけて、
律儀
(
りちぎ
)
そうに腰をかがめた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
其許
(
そこもと
)
のように、
律儀
(
りちぎ
)
一方、堅い一方で、人間をたたき込むのも、考えものじゃて
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前にも言ったように、田島は女に対して
律儀
(
りちぎ
)
な一面も持っていて、いまだ女に、自分が独身だなどとウソをついた事が無い。田舎に妻子を疎開させてあるという事は、はじめから皆に打明けてある。
グッド・バイ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
“律儀”の意味
《名詞》
律儀(りちぎ)
義理がたいこと。実直。
(出典:Wiktionary)
律
常用漢字
小6
部首:⼻
9画
儀
常用漢字
中学
部首:⼈
15画
“律儀”で始まる語句
律儀者