呼吸こきう)” の例文
まぶたぢて、ひとみちる光線を謝絶して、静かにはなあな丈で呼吸こきうしてゐるうちに、枕元まくらもとはなが、次第にゆめほうへ、さわぐ意識をいて行く。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たゞういふはなしときは、あま遺物ゐぶつないときで、土器どきかほでも貝層かひさうからやうものなら、呼吸こきうをするのさへわすれるくらゐ
くもうごとき二人ふたりかたちおほきくつた。じつとするとき渠等かれら姿すがたちひさくつた。——飛騨ひだやまのあたりは、土地とち呼吸こきうをするのかもわからぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
をつと簑笠みのかさを吹とられ、つま帽子ばうしふきちぎられ、かみも吹みだされ、咄嗟あはやといふ眼口めくち襟袖えりそではさら也、すそへも雪を吹いれ、全身ぜんしんこゞえ呼吸こきうせま半身はんしんすでに雪にめられしが
たゞぼく心配しんぱいでならぬは家内かない——だ。ことほうべにしたようになつて呼吸こきうせわしくなる。ぼくこれるのがじつつらい。先生せんせい家内かないおなやまいのものが挑動いらだとき呼吸こきうきいことがあるかネ。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
たか呼吸こきう響音きやうをん
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)