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吾家
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わがや
ふりがな文庫
“
吾家
(
わがや
)” の例文
それから追捕を避けつつ千辛万苦する事数箇月、やっと一ヶ年振りの十一月の何日かに都に着くと
蹌踉
(
そうろう
)
として
吾家
(
わがや
)
の門を潜った。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今宵
(
こよひ
)
、
家例
(
かれい
)
に
因
(
よ
)
り、
宴會
(
えんくわい
)
を
催
(
もよふ
)
しまして、
日頃
(
ひごろ
)
別懇
(
べっこん
)
の
方々
(
かた/″\
)
を
多勢
(
おほぜい
)
客人
(
まろうど
)
に
招
(
まね
)
きましたが、
貴下
(
こなた
)
が
其
(
その
)
組
(
くみ
)
に
加
(
くは
)
はらせらるゝは一
段
(
だん
)
と
吾家
(
わがや
)
の
面目
(
めんもく
)
にござる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
台町の
吾家
(
わがや
)
に着いたのは十時頃であったろう。門前に黒塗の車が待っていて、狭い
格子
(
こうし
)
の
隙
(
すき
)
から女の笑い声が
洩
(
も
)
れる。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この道を
吾家
(
わがや
)
まで戻るのには、凡そ小半里も歩かなければならなかつた。——山も丘も、林も、一面に月の光りを浴びて、雪の景色のやうでもあつた。
センチメンタル・ドライヴ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
吾家
(
わがや
)
へ帰るべきを忘れたのを
怨
(
うら
)
んだも好いが、相手の女が稲荷様の
禰宜
(
ねぎ
)
の女というので、杉村ならば帰ったろうにと云ったのは、冷視と
蔑視
(
べっし
)
とを兼ねて
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
野
(
の
)
こそは
吾家
(
わがや
)
、また
墓
(
はか
)
と
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
この
夜半
(
やはん
)
の世界から犬の遠吠を引き去ると動いているものは一つもない。
吾家
(
わがや
)
が海の底へ沈んだと思うくらい静かになる。静まらぬは吾心のみである。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
少々余談に亘りますが、男性の中でも夫と名付くる種類の
中
(
うち
)
には、どうかすると
吾家
(
わがや
)
に帰って来るたんびに、初めから怒鳴り込んで来るのがあります。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は、その歌を酷く快く聞いてから、すご/\と
吾家
(
わがや
)
に戻つたのである。すると細君が、彼を汚らはしい者のやうに爪弾いた。細君が、故もない嫉妬をした。
小川の流れ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
関
(
かま
)
わず
置
(
おけ
)
ば当世
時花
(
はや
)
らぬ恋の病になるは必定、
如何
(
どう
)
にかして助けてやりたいが、ハテ難物じゃ、それとも
寧
(
いっそ
)
、
経帷子
(
きょうかたびら
)
で
吾家
(
わがや
)
を
出立
(
しゅったつ
)
するようにならぬ内
追払
(
おっぱら
)
おうか、さりとては忍び難し
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
困
(
くるし
)
められ、
憎
(
にく
)
まれて、
何
(
なん
)
の
罪
(
つみ
)
もなうて
殺
(
ころ
)
されてしまうたのぢゃ! あさましい
惡日
(
あくにち
)
め、
何
(
なん
)
で
汝
(
おのれ
)
は
吾家
(
わがや
)
へは
來
(
き
)
をったぞ、
此
(
この
)
めでたい
式
(
しき
)
を
殺
(
ころ
)
さうとて、
此
(
この
)
めでたい
式
(
しき
)
を
殺
(
ころ
)
さうとて! おゝ、
女
(
むすめ
)
よ! おゝ
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
僕は、戯曲を朗読するかのやうに幾つかの声の調子で吾れと自ら受け渡しをしながら、浮れ、浮れて、松林を抜けて、丘を超えて一散に
吾家
(
わがや
)
を目ざして歩き出した。
センチメンタル・ドライヴ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
浩さんは
松樹山
(
しょうじゅざん
)
の
塹壕
(
ざんごう
)
からまだ
上
(
あが
)
って来ないがその紀念の遺髪は
遥
(
はる
)
かの海を渡って駒込の
寂光院
(
じゃっこういん
)
に埋葬された。ここへ行って御参りをしてきようと
西片町
(
にしかたまち
)
の
吾家
(
わがや
)
を出る。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御不審こそ
理
(
ことわり
)
なれ。
彼
(
か
)
の初花楼の主人
甚十郎兵衛
(
じんじろべゑ
)
と申す者。
吾家
(
わがや
)
には切支丹を信ずる者一人も候はずとて、役人衆に思はしき袖の下を遣はざりしより、
彼
(
か
)
の様なる意地悪き仕向けを受けたるものに候。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
吾家
(
わがや
)
を指して立帰った。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
余はほとんど
崖
(
がけ
)
と共に
崩
(
くず
)
れる
吾家
(
わがや
)
の光景と、
茅
(
ち
)
が
崎
(
さき
)
で海に押し流されつつある吾子供らを、夢に見ようとした。雨のしたたか降る前に余は
妻
(
さい
)
に宛てて手紙を出しておいた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
音楽会の帰りの馬車や車は
最前
(
さいぜん
)
から
絡繹
(
らくえき
)
として二人を後ろから追い越して夕暮を
吾家
(
わがや
)
へ急ぐ。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どこをどう
歩行
(
ある
)
いたとも知らず流星のごとく
吾家
(
わがや
)
へ飛び込んだのは十二時近くであろう。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
来
(
きた
)
るに
来所
(
らいしょ
)
なく去るに
去所
(
きょしょ
)
を知らずと
云
(
い
)
うと
禅語
(
ぜんご
)
めくが、余はどの路を通って「塔」に着したかまたいかなる町を横ぎって
吾家
(
わがや
)
に帰ったかいまだに判然しない。どう考えても思い出せぬ。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼らは驀地に進み了して
曠如
(
こうじょ
)
と
吾家
(
わがや
)
に帰り来りたる英霊漢である。天上を行き
天下
(
てんげ
)
を行き、行き尽してやまざる
底
(
てい
)
の
気魄
(
きはく
)
が吾人の尊敬に
価
(
あたい
)
せざる以上は
八荒
(
はっこう
)
の
中
(
うち
)
に尊敬すべきものは
微塵
(
みじん
)
ほどもない。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
吾
漢検準1級
部首:⼝
7画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“吾家”で始まる語句
吾家貌