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卓
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つくゑ
ふりがな文庫
“
卓
(
つくゑ
)” の例文
紳士はそれを聞くと、黙つて婦人を連れて窓際の
小卓
(
こづくゑ
)
に案内した。
卓
(
つくゑ
)
の上には
真紅
(
まつか
)
な花が酒のやうな甘つたるい
香気
(
にほひ
)
を漂はしてゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
校長も、
年長
(
としうへ
)
の生徒に案内をさせる為に待たしてあるといふので、急いで靴を磨いて出懸けた。出懸ける時に甲田の
卓
(
つくゑ
)
の前へ来て
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
暫
(
しばら
)
く
立
(
た
)
ち
止
(
と
)
まつて
見
(
み
)
てゐるうちに、
石
(
いし
)
の
壁
(
かべ
)
に
沿
(
そ
)
うて
造
(
つく
)
り
附
(
つ
)
けてある
卓
(
つくゑ
)
の
上
(
うへ
)
で
大勢
(
おほぜい
)
の
僧
(
そう
)
が
飯
(
めし
)
や
菜
(
さい
)
や
汁
(
しる
)
を
鍋釜
(
なべかま
)
から
移
(
うつ
)
してゐるのが
見
(
み
)
えて
來
(
き
)
た。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
鞣革で張つた椅子で、脚は
卓
(
つくゑ
)
と同じやうに捩れて下の方が細くなつてゐる。その椅子に腰を掛けてゐるのが主人である。
十三時
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
我は側なる
卓
(
つくゑ
)
を指ざして、
報
(
むくい
)
せんと思ふ
方々
(
かた/″\
)
は、金錢にもせよ珠玉首飾の類にもせよ、此上に出し給へと云ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
ヤヲら振り返りつ「アハヽ村井さん、大分痛手を負ひましたナ、が、御安心なさい、此頃も
午餐
(
ひる
)
の
卓
(
つくゑ
)
で、主筆さんが社長さんと其の話して
居
(
を
)
られましたよ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
それに部屋とは云ふものの、中にはただ、穴だらけの、大きな
卓
(
つくゑ
)
が二つ三つ置いてあるきりだつた。
燃ゆる頬
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
ぱつと一段明るい
珈琲店
(
カフエ
)
の前に来たら、渦の中へ巻き込まれる様にその姿がすつと消えた。気がついたら、僕も大きな珈琲店の
角
(
すみ
)
の大理石の
卓
(
つくゑ
)
の前に腰をかけてゐた。
珈琲店より
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
此人の精神上の地平線は、自分が参事官の下級から上級まで
歴昇
(
へのぼ
)
つた地方庁と、
骨牌
(
かるた
)
遊びをする、緑色の切れの掛けてある
卓
(
つくゑ
)
を中心にした倶楽部との外に出でない。一切の事物が平穏に経過して行く。
板ばさみ
(新字旧仮名)
/
オイゲン・チリコフ
(著)
水薬
(
すゐやく
)
の
汚
(
し
)
みし
卓
(
つくゑ
)
に
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
忠一といふ、今度尋常科の三年に進んだ校長の長男が、用もないのに
怖々
(
おづおづ
)
しながら入つて来て、甘える
様
(
やう
)
の
姿態
(
しな
)
をして健の
卓
(
つくゑ
)
に
倚掛
(
よりかか
)
つた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
旅の事をば猶明朝かたらふべし。夫人先づ起ちて我等は
卓
(
つくゑ
)
を離れ、我は始て夫人の手に接吻することを得たり。公子は今夜書を作りてをぢに寄せ、我がために地をなさんと云ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
松本は
拳
(
こぶし
)
を固めて
卓
(
つくゑ
)
を打ちつ「実に
怪
(
け
)
しからん奴だ、其事は僕も
予
(
あらかじ
)
め行徳君に注意したことがあつたが、行徳君は
無雑作
(
むざふさ
)
に打ち消して
仕舞
(
しま
)
つた——八ツ裂きにしても此の
怨
(
うらみ
)
は
霽
(
は
)
れない」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
石炭をば
早
(
は
)
や積み果てつ。中等室の
卓
(
つくゑ
)
のほとりはいと静にて、
熾熱燈
(
しねつとう
)
の光の晴れがましきも
徒
(
いたづら
)
なり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る
骨牌
(
カルタ
)
仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは余
一人
(
ひとり
)
のみなれば。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
職員四人分の
卓
(
つくゑ
)
や椅子、書類入の戸棚などを並べて、さらでだに狭くなつてゐる室は、其等の
人数
(
にんず
)
に
埋
(
うづ
)
められて、
身動
(
みじろ
)
ぎも出来ぬ程である。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
卓
(
つくゑ
)
には
柑子
(
かうじ
)
無花果
(
いちじゆく
)
など
堆
(
うづたか
)
く積み上げたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
『来ないのは来ないでせうなア。』と、校長は
独語
(
ひとりごと
)
の様に意味のないことを言つて、
卓
(
つくゑ
)
の上の
手焙
(
てあぶり
)
の火を、煙管で
突
(
つつ
)
いてゐる。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
間もなく福富は
先刻
(
さつき
)
の葉書を持つて来て甲田の
卓
(
つくゑ
)
に置いて、『
年老
(
としと
)
つた人は同情がありませんね。』
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『少ししか持つてませんよ。』と言ひ乍ら、
橄欖色
(
オリイブいろ
)
のレース糸で編んだ金入を帯の間から出して、
卓
(
つくゑ
)
の上に逆さまにした。一円紙幣が二枚と五十銭銀貨一枚と、外に少し許り細かいのがあつた。
葉書
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
卓
常用漢字
中学
部首:⼗
8画
“卓”を含む語句
卓子
食卓
卓子掛
円卓
円卓子
洋卓
小卓
卓布
食卓布
書物卓
小卓子
卓上
贄卓
卓越
石卓
麻雀卓
茶卓子
卓上演説
大卓
卓子台
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