力任ちからまか)” の例文
古木こぼくやうみにくうでのばして、鐵車てつしやおり引握ひきつかみ、力任ちからまかせにくるま引倒ひきたほさんとするのである。猛犬稻妻まうけんいなづま猛然まうぜんとしてそのいた。
お前が匕首あひくちで突いたのは、忠義な下女のお常だ。振袖の下へ鎖帷子くさりかたびらを着せて置いたので、力任ちからまかせでした匕首も、五分とは斬らなかつたよ
んなかみぢや、またすぐやぶけますね」とひながら、小六ころくいた小口こぐちを一しやくほどかして、二三力任ちからまかせにらした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いぬゐはう垣根かきねそばとき内儀かみさんは、垣根かきねつちいたところ力任ちからまかせにぼり/\とやぶつた。おつぎも兩手りやうてけてやぶつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これとつてウームと力任ちからまかせにやぶるとザラ/\/\とたのが古金こきん彼此かれこれ五六十りやうもあらうかとおもはれるほど、金
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
六所様にはけい六尺の上もある大太鼓おおだいこが一個、中太鼓が幾個いくつかある。若いたくましい両腕が、撥と名づくる棍棒で力任ちからまかせに打つ音は、四里を隔てゝ鼕々とうとうと遠雷の如くひびくのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
四人よにんまでたふしたが、だい番目ばんめにのつそりとあらはれて露西亞ロシヤ陸軍士官りくぐんしくわんけ六しやくちか阿修羅王あしゆらわうれたるやうなをとこ力任ちからまかせにわたくし兩腕りよううでにぎつて一振ひとふりばさんずいきほひ