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其者
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そのもの
ふりがな文庫
“
其者
(
そのもの
)” の例文
いわゆる道徳の義務とか法則とかいうのは、義務或は法則
其者
(
そのもの
)
に価値があるのではなく、かえって大なる要求に基づいて起るのである。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
此場所に於て、此時に於て、人はたゞ「生存」
其者
(
そのもの
)
の、自然の一呼吸の中に托されてをることを感ずるばかりである。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
付られては其分に
差置
(
さしおか
)
れずと云は
道理
(
もつとも
)
なり番頭久兵衞とか
云
(
いふ
)
奴
(
やつ
)
こそ
怪
(
あや
)
しき
曲者
(
くせもの
)
其者
(
そのもの
)
を
嚴敷
(
きびしく
)
吟味
(
ぎんみ
)
せば文右衞門殿の
證
(
あか
)
りは立に相違なし是長八貴樣
案内
(
あんない
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
新夫婦
其者
(
そのもの
)
には何のめでたきことあらむや、渠等が雷同してめでたしといふは、社会のためにめでたきのみ。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
悪は物
其者
(
そのもの
)
に於て悪なのではない。実在体系の矛盾衝突より起るのである。罪悪は宇宙形成の一要素である。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
一ト
言
(
こと
)
心
(
こゝろ
)
に
染
(
そ
)
まる
事
(
こと
)
のあれば
跡先
(
あとさき
)
も
無
(
な
)
く
其者
(
そのもの
)
可愛
(
かわ
)
ゆう、
車夫
(
しやふ
)
の
茂助
(
もすけ
)
が
一人子
(
ひとりこ
)
の
與太郎
(
よたらう
)
に、
此新年
(
このはる
)
旦那
(
だんな
)
さま
召
(
めし
)
おろしの
斜子
(
なゝこ
)
の
羽織
(
はをり
)
を
遣
(
つか
)
はされしも
深
(
ふか
)
くの
理由
(
わけ
)
は
無
(
な
)
き
事
(
こと
)
なり
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
始
(
はじめ
)
は
出奔
(
しゅっぽん
)
せしと思ひしに、
其者
(
そのもの
)
の諸器
褞袍
(
おんぽう
)
も残りあれば、それとも言はれずと
沙汰
(
さた
)
せしが、
一月
(
ひとつき
)
ばかりありて立帰れり。
津軽
(
つがる
)
を残らず一見して、
委
(
くわ
)
しきこと言ふばかり無し。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
然
(
しか
)
し
俺
(
おれ
)
は
有害
(
いうがい
)
な
事
(
こと
)
に
務
(
つと
)
めてると
云
(
い
)
ふものだ、
自分
(
じぶん
)
の
欺
(
あざむ
)
いてゐる
人間
(
にんげん
)
から
給料
(
きふれう
)
を
貪
(
むさぼ
)
つてゐる、
不正直
(
ふしやうぢき
)
だ、
然
(
け
)
れども
俺
(
おれ
)
其者
(
そのもの
)
は
至
(
いた
)
つて
微々
(
びゞ
)
たるもので、
社會
(
しやくわい
)
の
必然
(
ひつぜん
)
の
惡
(
あく
)
の一
分子
(
ぶんし
)
に
過
(
す
)
ぎぬ、
總
(
すべ
)
て
町
(
まち
)
や
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
勿論『風景論』
其者
(
そのもの
)
から大なる影響を受けたことは言う迄もない。
木曽駒と甲斐駒
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
主観客観とは一の事実を考察する見方の相違である、精神物体の区別もこの見方より生ずるのであって、事実
其者
(
そのもの
)
の区別でない。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
然
(
しか
)
るに
御家來
(
ごけらい
)
に
天晴
(
あつぱれ
)
器量人
(
きりやうじん
)
候
(
さふらふ
)
とな、
祝着
(
しふぢやく
)
申
(
まを
)
す。さて
其者
(
そのもの
)
を
取立
(
とりた
)
つるに
就
(
つ
)
きて、
御懸念
(
ごけねん
)
のほども
至極致
(
しごくいた
)
せり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
糺
(
たゞ
)
さるべきやと申さるゝに段右衞門
假令
(
たとへ
)
如何樣
(
いかやう
)
の證據御座候共其儀は一向に覺え
無之
(
これなく
)
候と
云張
(
いひはる
)
にぞ然らば汝ぢ其三五郎と申者
知人
(
しるびと
)
にては無やと有に段右衞門
其者
(
そのもの
)
は私し儀以前幸手宿に住居の
砌
(
みぎ
)
り
知己人
(
しりびと
)
には御座れ共別に
恨
(
うら
)
みもなき事ゆゑ殺すべき
謂
(
いは
)
れ更に御座なく候と申立るにより大岡殿
重
(
かさ
)
ねて其三五郎
妻
(
つま
)
の
文
(
ふみ
)
と申者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかしこの理想の統一作用と材料
其者
(
そのもの
)
を支配する物理化学の法則とは自ら別範囲に属し、決して相犯すはずのものではない。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
云ならば二三年以前に出て
何所
(
いづこ
)
に
住居
(
すまひ
)
いたせしぞと
尋問
(
たづね
)
られしかば庄兵衞は何處迄も
云張
(
いひはる
)
了見
(
れうけん
)
にてハイ國者の所に
居
(
を
)
りしと云にその所は何所にて名は何と云やと
尋問
(
たづね
)
られしに淺草
邊
(
へん
)
なりしが其の淺草は
駒形
(
こまがた
)
にて名は兵右衞門と申すとかシテ其の兵右衞門は只だいま以つて其の所ろに住居
致
(
いた
)
すやと問
詰
(
つめ
)
られしに庄兵衞ヘイ
其者
(
そのもの
)
當時は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
カントがいった如く、物には皆値段がある、独り人間は値段以上である、目的
其者
(
そのもの
)
である。いかに貴重なる物でも、そはただ人間の手段として貴いのである。
我が子の死
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
其
漢検準1級
部首:⼋
8画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“其者”で始まる語句
其者儀