不作ふさく)” の例文
こめ不作ふさくのときは、こめあたいがるように、くわのあたいがって、ひろいくわばたけ所有しょゆうしている、信吉しんきち叔父おじさんは、おおいによろこんでいました。
銀河の下の町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それどころかもっと長い間うるさくつきまとうて居る不作ふさくと、それにともなった身を切る様な不景気が此等みじめな村々を今一層はげしい生活難に陥れた。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
番兵殿ばんぺいどの手前てまへをもう一らうへおもどしを願ひます。—余程よほど不作ふさくと見えまする。それたお話がございます。
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
さだめし山口やまぐち百年ひやくねん不作ふさくだとでもひやうして、つまたるもの風上かざかみへもかれぬをんなはれましてしやう。
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
我々われわれ地方ちほう不作ふさくなのはピンぬまなどをからしてしまったからだ、非常ひじょう乱暴らんぼうをしたものだとか、などとって、ほとんひとにはくちかせぬ、そうしてその相間あいまには高笑たかわらいと、仰山ぎょうさん身振みぶり
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「それは、一にちはやくおくにへおかえりなさいまし、まだ、おくにのほうが、どんなにらしきがいいかしれません。今年ことしは、こちらは不作ふさくこまっています。」と、あるひとは、おとこにいいました。
おかしいまちがい (新字新仮名) / 小川未明(著)
みな盜人ぬすびとのやうな奴等計やつらばかりだとか、乘馬じようばけば一にちに百ヴエルスタもばせて、其上そのうへ愉快ゆくわいかんじられるとか、我々われ/\地方ちはう不作ふさくなのはピンぬまなどをからしてしまつたからだ、非常ひじやう亂暴らんばうをしたものだとか
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あんなをんなかゝアにすると三年の不作ふさくだ。
いえ貧乏びんぼうなのに、不作ふさくがつづいて、ますます一は、くるしい生活せいかつおくっているので、きよは、毎月まいつきもらうお給金きゅうきんのうちから、幾何いくらかをおくって、おやたすけているのですが、それでもりないとみえて
北風にたこは上がる (新字新仮名) / 小川未明(著)