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一匹
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いつぴき
ふりがな文庫
“
一匹
(
いつぴき
)” の例文
仮初
(
かりそめ
)
にも
一匹
(
いつぴき
)
の男子たる者が、
金銭
(
かね
)
の為に
見易
(
みか
)
へられたかと思へば、その無念といふものは、私は
一
(
い
)
……一生忘れられんです。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
床几
(
しやうぎ
)
の
下
(
した
)
に
俵
(
たはら
)
を
敷
(
し
)
けるに、
犬
(
いぬ
)
の
子
(
こ
)
一匹
(
いつぴき
)
、
其日
(
そのひ
)
の
朝
(
あさ
)
より
目
(
め
)
の
見
(
み
)
ゆるものの
由
(
よし
)
、
漸
(
やつ
)
と
食
(
しよく
)
づきましたとて、
老年
(
としより
)
の
餘念
(
よねん
)
もなげなり。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
蝋燭
(
ろふそく
)
の火を
下
(
さ
)
げて身を
屈
(
かゞ
)
めた
途端
(
とたん
)
に、
根太板
(
ねだいた
)
の上の或物は
一匹
(
いつぴき
)
の白い
蛇
(
へび
)
に成つて、するすると
朽
(
く
)
ち
重
(
かさな
)
つた
畳
(
たヽみ
)
を
越
(
こ
)
えて
消
(
き
)
え去つた。
刹那
(
せつな
)
、貢さんは
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
いささかの黄金の木の実のいさかいにけだもの
一匹
(
いつぴき
)
斃れたるかな
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
金魚
(
きんぎよ
)
を
一匹
(
いつぴき
)
突
(
つ
)
き
殺
(
ころ
)
す。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
▼ もっと見る
……
馴染
(
なじみ
)
なる
雀
(
すゞめ
)
ばかりで
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けた。
金魚
(
きんぎよ
)
を
買
(
か
)
つた
小兒
(
こども
)
のやうに、
乘
(
の
)
しかゝつて、
踞
(
しやが
)
んで
見
(
み
)
ると、
逃
(
に
)
げたぞ!
畜生
(
ちくしやう
)
、
唯
(
たゞ
)
の
一匹
(
いつぴき
)
も、
影
(
かげ
)
も
形
(
かたち
)
もなかつた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宮、おのれ、おのれ姦婦、やい! 貴様のな、心変をしたばかりに間貫一の男
一匹
(
いつぴき
)
はな、失望の極発狂して、大事の一生を誤つて
了
(
しま
)
ふのだ。学問も何ももう
廃
(
やめ
)
だ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
先刻
(
さつき
)
、もしも、
二階
(
にかい
)
の
欄干
(
らんかん
)
で、
思
(
おも
)
ひがけず
目
(
め
)
に
着
(
つ
)
いた
唯
(
たゞ
)
一匹
(
いつぴき
)
がないとすると、
私
(
わたし
)
は
此
(
こ
)
の
幾千萬
(
いくせんまん
)
とも
數
(
すう
)
の
知
(
し
)
れない
赤蜻蛉
(
あかとんぼ
)
のすべてを、
全體
(
ぜんたい
)
を、まるで
知
(
し
)
らないで
了
(
しま
)
つたであらう。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
向
(
むか
)
うの
山
(
やま
)
に
灯
(
ひ
)
が
見
(
み
)
えて、
暮
(
く
)
れせまる
谿河
(
たにがは
)
に、なきしきる
河鹿
(
かじか
)
の
聲
(
こゑ
)
。——
一匹
(
いつぴき
)
らしいが、
山
(
やま
)
を
貫
(
つらぬ
)
き、
屋
(
をく
)
を
衝
(
つ
)
いて、
谺
(
こだま
)
に
響
(
ひゞ
)
くばかりである。
嘗
(
かつ
)
て、
卯
(
う
)
の
花
(
はな
)
の
瀬
(
せ
)
を
流
(
なが
)
す
時
(
とき
)
、
箱根
(
はこね
)
で
思
(
おも
)
ふまゝ、
此
(
こ
)
の
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いた。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“一匹”の意味
《名詞》
動物などが1頭であること。「匹」を参照。
人が集団や組織などに所属せず一人であること。
反物の長さ、古くは四丈(約12m)、のちにだんだん伸びて、現在では幅九寸五分(30cm弱)の反物鯨尺六丈(約22.8m)を一匹とする。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
匹
常用漢字
中学
部首:⼖
4画
“一匹”で始まる語句
一匹夫
一匹婦