“しょうけい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
憧憬41.4%
捷径22.9%
上卿4.3%
小憩4.3%
惝怳4.3%
小径2.9%
少卿2.9%
勝景1.4%
尚敬1.4%
尚絅1.4%
(他:9)12.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして彼女の心のなかの憧憬しょうけいが、あふれるようになった時、悲哀が彼女を涙ぐませる程にいつか一ぱいになってしまってた。
咲いてゆく花 (新字新仮名) / 素木しづ(著)
けれども、妙にこの像面では鼻の円みと調和していて、それが、とろけ去るような処女の憧憬しょうけいを現わしていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
彼は世渡りの道に裏と表の二条ふたすじあるを見ぬきて、いかなる場合にも捷径しょうけいをとりて進まんことを誓いぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
金博士をくどくには、いつの時代にあっても燻製料理によるのが捷径しょうけいだという鉄則を、ルス嬢もはずさない。
或る時、霊公がちょうにいて、上卿しょうけい孔寧こうねい儀行父ぎこうほとに戯れ、チラリと其の衵服はだぎを見せた。
妖氛録 (新字新仮名) / 中島敦(著)
いまや将門謀叛の沙汰は、確定的なものとされて、あとはただ、東国の大謀叛人を、どうして討ち平げるかが、朝議の重大問題として、上卿しょうけいたちの悩みであったに過ぎなかった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひるごろ茨木いばらきに着き、小憩しょうけいのあいだに、秀吉は諸方の情報を聞きあつめ、また前進をつづけ、茨木と高槻たかつきの中間、富田とんだに陣営をさだめた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けれど秀吉の気持は、唐突を知って、ほんの小憩しょうけいを求めに立ち寄ったに過ぎないのであるから、従者の弁当を調ととのえさせ、自分も湯漬の馳走になって、一碗の茶をきっし終ると、
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういう風景をながめていると、病弱な樗牛の心の中には、永遠なるものに対する惝怳しょうけい汪然おうぜんとしてわいてくる。
樗牛の事 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この国民的腐敗を目撃した後も、なお且支那を愛し得るものは、頽唐を極めたセンジュアリストか、浅薄なる支那趣味の惝怳しょうけい者であろう。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ここで渇したるのどを清水にうるおし、物凄き山中を行くと、深林の中に人が歩るいたらしい小径しょうけいがある。
しかしこれは山間の小径しょうけいで秋草が道をおおっているので行軍に難渋した。
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
棭斎ののち懐之かいしあざな少卿しょうけい、通称は三平さんぺいいだ。抽斎の家族は父允成、妻徳、嫡男恒善つねよし、長女いと、次男優善の五人になった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
少卿しょうけいよ、多年の苦しみはいかばかりだったか。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
遠山桜あるあたりは、公園のうちにても、眺望ちょうぼう勝景しょうけい第一と呼ばれたる処に候へば、かたの如き巨大なる怪獣の腹の下、あしツある間をすかして
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
すると政府の方では、来々年尚敬しょうけい王の冊封さっぽう冠船かんせん)があるので財政上都合が悪いから延期されてはどうかといって御婦人方の再考を求められたところが、御婦人方の側では、来々年冊封があるとすればその御願のためにもやはり年内に挙行した方がよいではないかとそれ相応の理窟を述べてきた。
ユタの歴史的研究 (新字新仮名) / 伊波普猷(著)
春沂ののち春澳しゅんいく、名は尚絅しょうけいいだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
後年かくも万人に愛され、没後憧憶しょうけいと愛着の花輪で飾られたチャイコフスキーが、そのスタートの悪さはなんということであろう。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
「僕もどんな物だか分からないが、きのう柴田承桂しょうけいさんに逢って、これまで世話になった人だから、今度の一件を話したら、先生の書いた洋行案内をくれたよ」
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
敵の心胆を寒からしむるが何よりの捷計しょうけいと存じまして弟子入りお願い致しましてござる
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
果てはただ一立身の捷逕しょうけいとして、死すとも去らじと思える参謀本部の位置まで、一言半句の挨拶あいさつもなくはぎとられて、このごろまで牛馬うしうま同様に思いし師団の一士官とならんとは。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
旗桜の名所のある山越の捷陘しょうけいは、今は茅萱ちがやに埋もれて、人の往来は殆どない、伊東通い新道の、あの海岸を辿って皈った、その時も夜更よふけであった。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金満家はたいてい学問に乏しく、また宗教に暗し。ゆえに、大事に当たりて迷い、病患にかかりて恐れ、老い去り、衰えきたりて、目よくみるべからず、耳よく聴くべからず、舌よく味わうべからざるに至れば、あたかも渓山深き所に、樵径しょうけいを失したるがごとく、茫然ぼうぜんとして四顧しこ向かうところを知らず。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
万太郎は生れて初めて、六本の黒い劃線かくせんを朱がつらぬいている象形しょうけいに一種の頼りを感じました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老侍女「はい」(老侍女は何の事とも判らず阿弥陀仏に一礼し燈台あかりを式部の机に備え、それから斎を用意し隣へ持って行く。日はとっぷり暮れ、鉦磬しょうけいと虫の声、式部は静かに筆を走らす。)
或る秋の紫式部 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)